|行政:山形県高畠町〜上川市標高:490m
|1/25000地形図:二井宿(仙台12号‐4)調査:2002年8月


 羽州街道・羽前国への入口である金山峠は湯原宿と楢下宿をつなぐ。一方、湯原から西へ進路をとれば、二井宿峠を経て二井宿へ。二井宿、楢下、湯原の各宿を三角形の頂点に見立てたとき、三辺の残りの一つに相当するのが柏木峠である。位置的には重要な峠のように思えるが、参勤交代道として発達した金山峠、置賜屋代郷にあった幕府領三万石の城米が越えた二井宿峠に比べれば、交通史上目だった役割を果していないようである。

 2002年に報告者が通った時には、大字二井宿から同山崎にかけての県道は緩く真っ直ぐの道であり、バイパスとしての道が既に完成していたようである。民家と水田の連なる峠道の先には、1988年竣工の柏木トンネル。旧道へはこのトンネルへの登りにさしかかった直後、<ト>看板によって分岐する。


 その道は、分岐したとたんに1車線舗装となり、それがさらに草木に覆われて狭くなっている。しかも振幅周期ともに小さいつづら折れで、おまけに勾配が10%超だ。この覆う草がなかったとしてもかなり苦労するはず、あるいはしたはずの道である。ヘアピン部分は比較的新しい舗装だが、登り切った先は風化が進んでおり、道の真ん中からも草が生えていたりする。


 ひとしきりつづらを登ると、残りは峠までトラバース気味に。登り始めてから20分ほど、さらに深くなった雑草をかき分けるようにして進んだ先にようやく峠が現れる。水平距離はさほどないはずなのに、何でこんなにしんどいんだろうと報告者は思ったことであった。あの柏木トンネル、延長300m余りの短いものではあるが、結構いい仕事をしているようだ。





 峠北はラインのない二車線と狭い一車線の混合。二車線幅はかなり無駄である。



 

 

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