須郷道

ORJ#65 連載ルポ 三重県]



■概略 Abstract

飼坂峠の南側に緩傾斜の破線道がある.仮に「須郷道」と呼んでおこう.西側(興津町須郷)側は木馬道の如くの狭さだが,峠より東(同町上多気)へは幅3m前後の“大道”が続く.峠などもいかにも車道ライクな大切り通しである.

一志郡多気小学校編『一志郡郷土教育資料』(発行年不明)には明治35,6年に飼坂峠から櫃坂峠までの間を9尺幅に改修したことが記されている.その一方で当の飼坂峠は踏み分けに毛が生えたような旧態然のままだったから,難所の飼坂峠を避け,新たな伊勢本街道としてこの道を開いたのではないか,というのが報告者の想像である.その筋の方に資料を差し上げ検討していただいているところだが,果たしてどうなっただろう.

(日本の廃道第65号掲載)


- | 八幡橋(旧弾正橋)

総覧へ戻る