松風洞
[ORJ#12 喪われた道の物語 京都府]

■概略 Abstract
国道9号山陰道の第一の難所・老ノ坂に明治17年に穿たれた隧道.昭和初期の時局匡救時代に新隧道(右)ができ,戦後に初代隧道を拡幅改修して新老ノ坂トンネル(左)が建設されている.従って今はもう存在しない.初代隧道の遺構は両坑口に掲げられていた扁額と,百年前からそこにある空間だけである.
実のところネタに詰まって急遽探索へ行き記事にしたものだった.その割には方向性の一つとして(「喪われた〜」シリーズとして/自分の中では)柱の一つとなっている.いま残っているものだけが歴史ではないのだ.
(日本の廃道第12号掲載)