新TMLになって新しく掲載されるようになった。美深歌登大規模林道、いわゆるスーパー林道の峠。H3年修正の地形図には確かに「加須美峠」の注記がある。
■編集者のコメント
東から。道道120号との分岐点から見える道は2車線の舗装なので違うんだろうかと思ったが、<120にかかる橋の欄干を見て流れる川が徳志別川であり正しいことを知る。2〜3kmで舗装は終わり、2車線幅くらいの幅広い砂利道になる。このあたりは平坦でもあるのでずいぶん楽だったのだが、バイクや車、ダンプが通るたびにもうもうと砂煙が上がるのには閉口する。この道幅は道が北へ少し迂回するあたり(TMLでもよく目立っているカーブ)まで続いており、この先で左手に曲がっていくが、このカーブを「直進する」形で枝林道のごとき1車線林道が伸びている。実はここ、この直進する道が加須美峠への道である。看板など何もないので注意が必要。ここから先は非常に走りにくい、いや、全く乗れない深さの砂利道になる。しかも勾配がきつくなればなるほど砂利も深くなるといういやらしい道だ。4サイドのROADRUNNERなどでは太刀打ちできぬ。そんな装備で来るのが悪いって? そうかもね。
一車線の深砂利道の両脇には深い森が広がっている。ただひたすらに深い。人けの全くない森を数kmも押して行かねばならないのは(特に北海道では)本当に心細い。1kmほどの直線ダートが見所のようにTMLでは書かれているが、そんなものを楽しむ余裕などあろうはずもなく、さらに途中でシフターのワイヤが切れたりなどして、余計に時間がかかってしまった。
全く乗れないまま押し続けること1時間余り。ようやく沢の上流に到達した。沢の頭のところにあるヘアピンは、幸いなことに乗っていける道であった、が、せっかく稼いだupをdownでロスト。対岸に渡るとまた深砂利が現れる。勾配まできつくなりはじめて、結局その次の直角カーブの先まで押し続けるはめになる。このカーブの先にある、激勾配の最深砂利道を押し上げれば、あな嬉しや乗っていける勾配であった。そのままの緩さで峠まで。さっきまでの深山感が嘘のような、ナルいナルい地形の、見晴らしのいい峠であった。そんな峠を霧がゆるやかに越えていって、なるほど霞峠だなあと思ってしまう。木柱に「加須美峠」と彫られた峠の碑は、この峠に登る直前に越えてきた松山峠や西尾峠にあったのと同じ型だ。察するにこれは美深営林署の趣味らしい。西側は思い出すのも嫌なくらいに嫌らしいup-down。砂利も深いので覚悟が必要。(1999.8.:ながとみ)
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■関連リンク
・国土地理院地形図閲覧システム:加須美峠
・国土地理院『うぉっ地図』:加須美峠 道非掲載
・国土交通省空中写真:CHO-77-10-C4B-10, 11, 8, 9 / CHO-77-10-C3C-12, 13, 14, 15