【標高】870m
【行政】滋賀県甲賀郡土山町〜三重県四日市市
【経緯度】北緯:34°59′05″/東経:136°24′54″
【水系】淀川水系野洲川(支川)〜鈴鹿川水系御弊川?
【二万五千図】伊船:NI-53-8-11-1 名古屋11号-1
【五万図】亀山:NI-53-8-11 名古屋11号 \ S57修
【ツーリングマップル】関西 P40 1-H
宮越山の南を越えて四日市市水沢へ向かう峠。
■編集者のコメント
西側、のっけは細かく締まった砂砂利道で大変走りやすい。やがて土嚢を積んだ頑丈なゲートが現れ、ここは強引に担ぎ越さねばならない。ゲートの先も同じような砂砂利道が続き、あまり手の入っていない広葉樹の森とエメラルドグリーンの美しい川を見ながらの走りとなる。それにしてもこの水の美しさと透明度はどうだ。北海道の海は透き通る青だったが、山水はなぜかエメラルドグリーンなのだ。森の緑が溶け込んでるんだろうか、などと似つかわしくないことを考えてみたりするが、要はカルシウムが多いとか銅が入っているとか、溶解しているミネラル分の元素の違いなんだろう。一種のイオン溶液だからな。
ターンを上がったあたりから道が白っぽくなりだす。石英質の砂砂利だ。そうしてどんどん道が荒れてきて、高度を増し谷底がはるか下方になるにつれて道が道でなくなってくる。歩道との分岐の周囲はさながら沢。この分岐にも看板があるので、これに従っていけばズルズルすべる砂砂利の急斜面を直滑降して丁字の分岐。左に進めば砂防ダムに出る。ここも完全に砂が詰まった上に木が生えているような有り様だが、さっきの白い砂なのでどこか海辺を連想させる。赤テープが誘導してくれる道はこのダムの脇の雑木林を縫うようにして伸びるが、灌木が多いのでやや難儀させられる。ダム湖を過ぎれば杉林で、このまま谷を詰めていく・・・と見せかけて道は引き返し、ダムに沿って小さな谷をいくつも越えていくことになる。谷と谷のあいだは起伏を直線的に越えるところが多く、たいていは木の根露な斜面をわずかに踏み分けたようなもの。当然乗っていくことも押していくこともできぬ。大小さまざまな谷をいくつも越えるため、峠への本谷ともいうべきものがどれなのかさっぱり解らなくなる(地形図では谷の左岸からトラバース気味に登っていくようだが、実地でたどった道は右岸からじわじわと迫っていくような感じ)。要所要所で現れる赤テープだけが頼りである。
そんな谷渡りの繰り返しのまま長い時間を消化して峠下へ。見上げる谷の最上部に青い空がぽっかりと見える。ラストの直登と気合いを入れて近づけば、そうではなくて律義につづらを折って登る道であった。峠はとても小さな空間で、やはり登山のための峠(登山のために作られた峠)なのかなと思う。峠から四日市市方面の眺めがいいのも特筆すべき。
東側は西側に輪をかけて不鮮明な道。石英質の砂砂利でずるずるな上に道があちこちで崩落しかかっている。木の張り出しや岩越えなども多々あって、強いて乗車率を挙げるならば5%といったところか。目の前にある道と赤テープを辿るのに必死で、地形図はまったく頼りにならない。こちらがわの林道との分岐にもやはり看板があって、これだけあれは道に迷うことがないだろう。(2002.6.:ながとみ)
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■関連リンク
・国土地理院地形図閲覧システム:水沢峠
・国土地理院『うぉっ地図』:水沢峠
・国土交通省空中写真:CCB-74-14-C1-45, 46, 47 / CCB-74-14-C2B-8, 9 / CCB-74-14-C3-43, 44, 45 / CCB-74-14-C2B-10, 11