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安ヶ森峠 (やすがもりとうげ)

【標高】1160m
【行政】福島県南会津郡舘岩村〜栃木県塩谷郡栗山村
【経緯度】北緯:37°00′51″/東経:139°36′32″
【水系】阿賀野川水系鱒沢(峠沢)?〜利根川水系湯西川(ユナゴ沢)
【二万五千図】湯の花:NK-54-29-6-3 日光6号-3
【五万図】糸沢:NJ-54-29-6 日光6号 / S48編
【ツーリングマップル】関東甲信越 P98 5-E

■編集者のコメント

 県道249号はダム奥まで定石どおりのフラット。右手の川が狭くなって谷が迫りはじめる頃から道は上下しはじめる。あちこちで工事が進行中であり、どうやら新しい√120バイパスがこのあたりを通るようであった。進むにつれてアップダウンが明確になり、谷の狭さも度合いを増してくる。徐々に高度を上げ、一つ石、龍神霊水と過ぎ、渓流が美しくなる頃に湯西川へ着。いわゆる温泉街が始まる以前から民家民宿が多く現れるので、これが温泉街なのかと勘違いし、安ヶ森峠への分岐を見過ごしたかと不安になる。が、正しい分岐には「安らぎの森」への案内看板がちゃんと出ているので心配する必要はなかったようだ。
 山ノ神橋を渡って村の焼却場前を通り、安らぎの森を過ぎるまでずっと緩やかな登りが続く。周囲はよく手入れされた広葉樹の森で、字義通り心落ち着くエリアである。この後はきつめの勾配の1車線道となり、谷奥までひとしきり登る。谷奥から始まるカーブ群は予想外の緩傾斜でとても登り易く、時折ブナ林を透かして見下ろすことのできる谷の眺めとあいまって気持ちよく登ることができた。路面は結局峠まで舗装のまま。小さな切り通しの峠には開通記念碑があり、この林道の開設期成同盟の結成からその会合、測量工事竣工供用開始に至るまで事細かに書かれているのがおもしろかった。ちなみに竣工はS30だそう。意外と古いんだなあ。
 大阪を出発して2ヵ月、ようやく東北入りできたのを祝して、下り始めて一つ目の谷にて峠泊。日が高いうちからテントを立てて日記を書いていると、峠のほうから下ってきたおっちゃんに「すずしいべなー」と声をかけられる。もう20年も毎日この峠を越えて仕事に行っているというおっちゃん。話し好きな気のいいおっちゃんでついつい話し込んでしまう。この峠道で故障した車を助けてやったのに、その数日後にやはり事故を起こして死んだという若者の話。雪の話。「木の葉にボッコかぶったように雪が降った日は、これは全然滑らんのだな。でも、それでも滑る時があって、そういう時はどうにもならん位に滑る」。道の事。「オフロードのバイクが走ったのはすぐに解るな。バイクが走ると、こう、尖った石が突き立っておるわな。何でか知らんがそうなるんだ。不思議だぞー」。時には車を降り、そうした危ない石を片付けているんだそうだ。良き暇つぶしになりたり。
 翌日はそのおっちゃんにおにぎりとおかずをご馳走になってから出発。北側は峠からすでに地道になっているが、しっかり締まっているうえに石が少なく、轍も浅いので大変走りやすい。砂利道ではなく土道に砂を敷いたような感じだ。ひょっとしたらおっちゃんの道普請が効いているのかも知れない。とはいえ所々に深い砂だまりがあるため、こういう所で慌ててハンドルを切ると思いっ切りタイヤを取られてしまう。また道がいいだけに調子に乗って下って根岩を踏みつけそう。国道352号までの16kmは丸々こんな感じ。鱒沢渓谷はきれいな沢水が白い岩盤を穿って通路のごとくになりたる所。水は限りなく青く、白い岩とのコントラストも見事である。ああ、秋に来たかったなあ・・・。(2002.7.:ながとみ)

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■関連リンク

・江田さんの「峠みち」より安が森線
・国土地理院地形図閲覧システム:安ヶ森峠 
・国土地理院『うぉっ地図』:安ヶ森峠 
・国土交通省空中写真:CKT-76-1-C8-11, 12, 13, 14 / CKT-76-1-C9-11, 12, 13, 14 / CKT-76-3-C2A-1, 2, 3 / CKT-76-3-C1-1, 2, 3


峠道
 南側の峠道。静かな静かな森の中。(な)

峠
 狭い峠には大きな開通記念碑。(な)

峠
 開通記念碑は見上げる高さにあって、細かく読むためには切り通しに上がらなければならない。(な)

鱒沢渓谷
 エメラルドグリーンの透き通る水。鱒沢渓谷。(な)


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