一石峠

　一石峠というよりも奥日田スーパー林道として紹介したい。福岡方面（日田）から直接に阿蘇へ抜けるための大規模林道が奥日田スーパー林道で、そのピークに一石峠がある。私は一人耐久ランと銘打ったポタの最後に竹原峠の側から登った。同じことをしようとする人はみな鼻タレルに違いない。確かに眺めはいいのだが、尾根の先に消えている道の続きを見ながら登ると、まったく同じ光景がその向こうに広がる、ひたすらそんなアップダウンの繰り返しである。ハンガー気味だった私にとっては拷問的な登りであった。

　究めつけは峠まであと数キロという地点で突如現われる崖崩れ。「通行注意」と宣う看板は数十mの高さで激しく崩れている前に初めて出現する。どうしろというのだ。突っ込むのは間違いないだろうが、心の準備というものがあるではないか。峠には立派な一石峠の碑があるが、ほうほうのていで辿りついた私はじっくり調べる余裕などなかった。久留米の何とかという人がどうこうしたそうである。