![]() | 境峠Sakai-passDATA 今にして思えば何でもない距離UPであるが、それがどの峠よりも高く遠く思えたのがこの峠であった。日が傾き始める頃に登りはじめ、峠についた時には暗闇の中であった。全く回らぬ足と上がりっぱなしの息。一方のY氏は口笛を吹く余裕すら見せている。いやはや情けなかったな。 峠についたのは先にあげたように日が落ちたあとであった。したがって峠の様子は一切覚えていない。本当に何一つ思い出せない。看板があったかどうか、どういうふうな越え方だったか、壁がコンクリートであったかブロックであったか暗黒物質であったかすら覚えていない。ひょっとしたら背後で谷啓が無言でガチョ〜ンをやっていたかも知れないし足許で鈴木大地がまだバサロ中だったかも知れぬ。そんな闇の中だったということしか覚えておらぬ。木祖村への下りも無論闇の中だ。明かりはヘッドランプとフォーカス一個のみ。もちろん気温は下がっていく。いろんな意味で寒い下りであった。 |