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これが限界

塩久峠

Sioku-pass

DATA
標高:300m
行政:兵庫県青垣町〜京都府福知山市
地形図:福知山 京都及大阪13号
TM:関西TML P21 5-A
走行:'97.3.


 蓮根峠から徒歩で縦走した私を待っていたのは、幻想の世界であった。

 塩久峠は兵庫県青垣町と京都府福知山市の境にある。このあたりは不思議な所で、同じ方向に越えるための峠として梨木峠、榎峠、塩久峠蓮根峠、そして穴裏峠と5つもの峠がひしめいている。このうち榎峠が国道、穴裏峠が舗装の県道である。なぜにこれだけの数の峠が必要だったのだろうか。あるいはそれだけ交流が深かったという証拠なのかも知れないが、よくわからない。そもそも峠に名前がついているのといないのとでどの程度利用度が違ったのか判断できるか解らないし、名前が定着するプロセス自体が不明なのだから、そんな議論をするのは無駄なのかも知れぬ。

 話がそれた。ともかく私はそんな峠の一つを訪れた。蓮根峠はくねった切り通しの続く峠であったが、ここ塩久峠は非常にゆったりとした大きな鞍部にあり、対照的な雰囲気であった。よく杉林の中の峠という表現を使うが、ここはまた違う心持ちでその言葉を使いたい。広くて大きな鞍部全体が杉林であり、日の差さない真っ暗なそこを、一本の小径が抜けていく。林と道が渾然一体となって、まるで茶色い絨毯のように積もった杉の枯れ葉に、木洩れ日が白いスポットを差し抜いていた。ぜひともカメラに納めたかったのだが、できた写真はごらんの通りで、恐らくこれでは伝えられないだろう。残念である。北への下りははっきりしてい、自転車でも充分越えられそうである(もちろん担ぎが入るだろうが)。


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