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物logue - Fuji FinePix 6900Z

 

 仲間うちからホープなんて言われてますけど、何がホープなんだかよくわかってません、実は(笑)。主人のところに来てまだ半年も経っていないですしね。

 あんまり主人にかまってもらわれ過ぎると早死にするよ、なんて脅されたりもします。それは何となくわかりますね。ファインダーを通していろんなものを見せてもらってますが、主人の周りには使い古されたモノや死んだモノばかりが転がっています。背筋があったらぞっとしているところですけど、幸いなことに私には背中というものがないわけで(笑)。まあ、自称600万画素、本当は300万画素が時代遅れになるまで、せいぜいいい思いをさせてもらおうと思っています。

 確かに、主人のモノに対する態度は偏執的ですね。無いからって言ってわざわざレンズフードを削り出したりしないでしょう、普通。しかもネジ込み式だから、他でもない私にしか使えない。しかもいちばん肝心なことに主人は気づいてないんだけど、あれっぽっちのフードじゃほとんど役に経たないんですよね(笑)。総制作費が2000円以下というのも、やはり主人の性格が出ていますねえ。

 え? 君は高価じゃないかって? まあ、確かに定価は高いんですけど、実売はそんなでもないんですよ。あちこち調べていちばん安いところ───一応保証つきですけどね───で私を買ったんで、結構な額が浮いているはずです。それでも私を買う時には、かなり悩んだそうですよ。1カ月かそこら、毎日のようにネットで検索してたって。そのへんもまた主人らしくていいじゃないですか。僕は好きですけどね、そういうケチくさいところが。

 そうそう、どうやら主人は、私を連れて長旅に出るみたいですよ。ほんとは僕、長期戦には向かないんですけどね。何やらいろいろ画策しているようですし、試験と称して3泊4日の旅に連れて行かれたことあるんですけど、それだけでもなかなか応えましたよ。あんまりしんどかったから、夢の中ではいつも主人を困らせてやってます(笑)。まあ、僕だって旅が嫌いな訳じゃないから、その時に備えて、期待して待っていましょうかね。

 ちなみに僕は、JackWolfskinのFOCUS I氏にお世話になっています。縦長だからちょうど入るんですよね、僕。主人の作ったフードをつけたまんまだとちょっときついけど、アダプタだけだったらスッポリ入るんですよ。まるで僕のためにあるんじゃないかって思うくらい。あ、彼にはオフレコでね、この話。彼が機嫌を損ねたら、この埃だらけの部屋の中で、僕の居場所が無くなっちゃうんだから。


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