柱本の手堀り隧道(柱本〜隧道)
■調査 Experiment
紀見峠集落を後にし和歌山側に下った旧国道が,次に出会うのが柱本集落である.集落の中を「つ」の字に大きくカーブする先端に隧道への分岐がある(写真は下手から撮影.右に分岐する).この分岐には橋本観光協会が設置した看板もあるので解りやすい.
東に折れれば狭い1車線舗装で家々の隙間を縫って行く.今は近代的な造りの民家が並んでいるが,かつての建物・町並みを思い描きながら進むと中々面白い.民家が途切れるまで細かく左右にうねりながら登り,その後,芋谷めがけて転がり落ちるように下る.水田の広がる谷底をくるりと回ってトラバース道に入れば,あとは杉に囲まれた一本道である.車の幅ぎりぎりのコンクリート舗装は,強いて言えば0.8車線位しかない.それでもこの舗装のおかげでシチュエーションを楽しみながら進むことができる.このコンクリート狭道と杉の醸し出す雰囲気もまた絶品である.
足元右手を流れる芋谷川に背を向けて,谷奥に入り込んだ所で隧道着.これが,柱本の手堀り隧道である.
子細に見るとさまざまな発見がある.まず,このアーチには要石がない.もちろんアーチはつながっていて,要石に相当する石もあるのだが,それは要石然として造られたものではない.あくまでも迫石の一つである. |
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