軽岡峠(六厩側)
隧道前のカーブを抜ければもう藪が待ち構えている.隧道周辺のこの区間は,道を斜めに遮る山毛欅の若木の密生だ.しかし今回は,近々に人が通ったのであろう,道普請の跡があってやや楽に抜けられる.鋭利な刃物の2〜3撃で伐られているあたりを見るとかなりの手練のようだ.少なくとも,2年前の報告者のものではない.若木地帯を抜ければ,まだ楽な薄の海. ![]()
2段のヘアピンカーブのあたりも,南側ほど荒れていないために楽に担ぐことができる.下の段でやや薮が深くなるため,六厩の側から登ってきた時には少々迷わされるだろう.その時は,上段のカーブを支える石組みを見落とさないように注意すれば良い. ![]()
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パッと目の前が開ける.赤茶けた岩肌の崖が露出する広場.PM2:24,ここが廃道終点だ.振り返れば峠道はやや荒れた林道といった趣きでそこに在る.この風景の背後に,約4kmの薮漕ぎと廃隧道が横たわっている. ![]() ![]() ![]()
普通とは言い乍ら,両脇にすっくとそびえる杉の連なり,ブナ・コナラの森の美しい道である.昔の国道を彷彿とさせる良い道だ.ただしそれも,高速道路を跨ぐまで.この先は何故かひどく荒れている.アスファルト舗装に出て,別荘分譲地を横目に下って,国道に合流して,倶楽部活動は終了する.
なお,六厩の現国道と旧道の合流点に最後の旧道遺構がある.旧国道よりも高いところを現国道が通過するために,かつて使われていた橋(写真左手)が国道路側の盛土に向かって架かっている.使われなくなった道というものは,ここまで等閑視されてしまうものなのか. |
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