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高山峠(仮称)


 日本アルプスのような、山また山の岩肌の光景。その山腹を行く小さな登山道。全くもって山登りの光景なのだが自分は自転車を担いでいる。しかもこれは合宿だ。

 右手は恐ろしいほどの深い谷。今向かっているのは日本で何番目かに最高所の峠なのだがあまり知られていないというマイナーな峠。そこへ5〜6人で挑んでいる。岩ばかりの道を担いで進むがさほど苦しいという感じはしない。正面の山に見える四角く切り立ったオーバーハングの岩を見て「雪崩じゃないよな」などと冗談を飛ばす(意味不明)。

 あるカーブを曲がったとたんに、光景は一転して、峠である。右手の急斜面と我々のいる斜面が峠で閉じあって、そこに小さな平地を形成している。民家があり対岸には車道。何故か車道。そこまで至るためには猫の額と形容したくなるような小さな田の畦道を通って。雰囲気的には山村の一光景だが紛れもなく標高2000m超なのだ。その証拠に、鋭く落ち込んだ峠を透かして向こう側に、紫がかった尖い山並みが見える。そのギャップが面白い。


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