[an error occurred while processing this directive] フレーム版で見る
Previous | Self | Next
石榑峠 | 八風峠 | 中峠

八風峠 (はっぷうとうげ)

【標高】940m
【行政】滋賀県神崎郡永源寺町〜三重県三重郡菰野町
【経緯度】北緯:35°05′03″/東経:136°26′21″
【水系】淀川水系八風谷〜朝明川水系?川
【二万五千図】御在所山:NI-53-8-10-2 名古屋10号-2
【五万図】御在所山:NI-53-8-10 名古屋10号 \ S56修
【ツーリングマップル】関西 P33 4-A

 『八風峠
 鈴鹿山脈北部の竜ケ岳(1,100m)と中部の釈迦ケ岳(1,092m)との間、三重郡菰野町と滋賀県永源寺町の境にある峠。標高938m。四日市市富田から菰野町北部へ朝明(あさけ)川・田光(たびか)川沿いに向かう八風街道は、菰野町田光で巡見街道と交差するが、田光からさらに西進して切畑を過ぎ、八風東谷から栗木谷の登山道を登ると県境の稜線に達する。峠一帯は900m前後のわずかな起伏をもつ稜線で、古くから八風峰・八峰岳・八峰などと呼ばれていて当峠も鞍部を越える峠のイメージは薄い。地名起源は往昔、天日別命に追われて土着神伊勢津彦命が東に去るとき「吾今夜を以て八風を起し海水を吹き波浪に乗して・・・」(総国伊勢風土記)と語った伝承にちなむ。峠の八風大明神の石碑をみて滋賀県側に下れば愛知(えち)川の渓谷で、八日市方面に達する。したがって近江と伊勢を結ぶ交通路として商人の往来も多く(今掘日吉神社文章)、天正元年には織田信長北伊勢攻略の際、近江勢が当峠を東に越えている。峠近くにお菊の池がある。峠からの伊勢平野側の眺望は鈴鹿山脈の峠の中では屈指。当峠から稜線を南に向かえば釈迦ケ岳へ、北に向かえば石榑峠を経て竜ケ岳に至る。当峠の南西約600mの八風中峠(中峠)は栗木谷の上流で登山道が分岐するが、南寄りの栗木谷をつめたものである。』

 『八風街道
 東海道筋と中山道筋を結ぶ最短の間道。四日市市富田で東海道筋(国道1号)から分かれ、大矢知・平津・三重郡菰野町大字永井・滋賀県神崎郡永源寺町・八日市市を経て近江八幡市武佐町(中山道武佐宿)に至る街道。菰野町永井で八風峠(938m)を越える八風越え(田光(たびか)越え)の道と根の平峠(800m)を越える千草越え(根平越え)の道とに分かれ、永源寺町で合流する。「吾妻鏡」には「八峰山道」と見え、鎌倉期から武将や近江商人の通行路として利用された(今掘日吉神社文章)。元亀元年織田信長が善住坊に狙撃されたのもこの道(千草越え)である(信長公記)。現在八風越えや千草越えの道は、林道・登山道となっている。』[ともに角川日本地名大辞典 24:三重県・P878・879]

■編集者のコメント

 √421の八風谷分岐(八風峠→の看板有)からエコロジー八風キャンプ場を過ぎていく林道はずっと舗装。上の砂防ダムの前を通って谷の左岸へ移り、少々登ったところで八風峠道分岐の看板。独特の青と白の看板はこの後もしょっちゅうお世話になることになる。
 看板に従って川を渡り再び右岸へ。製紙会社の小屋の前を過ぎる。ここですでに幅広の道があり、さすが街道の名を冠しているだけあると思う。この道は水沢峠で見たような白い石英質の岩が多く、この白い谷にぴったり寄り添ってゆるゆると登っていく。すぐに赤坂谷道との分岐があるが、峠道はやはりこの谷に沿っていく。大きな脇谷を2つほど越えたあたりからやや笹藪が深くなって、折から降り出した雨とあいまってびしょびしょになってしまう。
 その後も道そのものはしっかりあるのだが、川をワンツーパス的に渡らねばならないところが1箇所、ラスト間際で尾根近くまで強引に登りあげる所が1か所。特に後者は木の隙間をずり抜けるようなものなので、自転車が前に進めずかなり難儀する。恐らくこの区間はのちに登山のために付け替えられたものであろう。この登り上げをクリアすれば、さっきと同じ白い沢の谷が見上げるような高さから降りている。その上には白く灰色く雲が垂れ込めていて、あそこが峠と思わせるのだが、実はこれは偽物だ。我慢できずに登ってしまった私を待っていたのは、ただの草だらけの峰であった。おかしいなあ、何かあったはずなんだがなあと思いながら峰を伝って南へ行くと、「八風大明神」と彫られた石碑や鳥居のある本物の八風峠が待っていた。
 峰の上を均してわずかの平地を作っており、休憩するのにちょうどいい空間だ。東側の斜面からは霧が吹き上げてくる。西側斜面に比べて東側斜面に木が少ないのは、この風が関係しているのかも知れないと思う。なお「八風大明神」の石碑は田光軍人会の手によるものであった。この後私は中峠へ縦走。(2002.6.:ながとみ)

■みなさんのコメント

コメントを投稿する

■関連リンク

・国土地理院地形図閲覧システム:八風峠
・国土地理院『うぉっ地図』:八風峠
・国土交通省空中写真:CCB-82-5-C21-12, 13 / CKK-75-10-C21-11, 12, 13 / CKK-75-10-C22-11, 12, 13, 14


八風峠分岐
 林道からの分岐。少々唐突に現れる。(な)

八風峠道
 峠道。(な)

八風峠道
 巾広の道が続く峠道はさすが街道と言いたくなく貫禄あり。(な)

八風峠
 八風峠を西側から。登った日はあいにくの霧で展望は不明。(な)


Previous | Self | Next
石榑峠 | 八風峠 | 中峠

ページの編集 | 目次へ戻る