ついでながら，伊賀街道として機能した旧長野峠についても報告したい．東側は，北長野にある「犬塚地蔵」の脇から分岐すれば古い道を辿ることができる．しばらくはコンクリートの簡易舗装が続き，その行き止まりからさらに分かれる形で山道．巾は優に一間はあり，貫禄たっぷりである．ただしこの道も，峠の直前で新設林道（国道ピークから分岐している林道）によって寸断され，木桟階段を登って行くはめになる．

　峠には山の愛好会がつけた「伊賀街道長野峠」の標識だけ．殺風景といえば殺風景だし，このくらいが妥当なのかも知れない．一つ余計なものがあったが，これはスルーしておこう．

　峠より伊賀の側は同じような巾広道で下って行くが，これが谷底に降り付いたあたりから荒れ始め，自転車に乗っては下れなくなってしまう．道が沢になってしまっているためだ．この状態は，最初の頁で触れた「従是旧長野峠道」の車道に合流するまで続き，ちょっと拍子抜けの感がある．自然の仕業なる故に仕方のない事ではある．

旧長野隧道・大山田村側｜旧長野隧道・美里村側｜旧道史

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