■背景 Background

　国道173号は，大阪府池田市を起点とし，兵庫県川西市，大阪府能勢町，兵庫県篠山町，京都府瑞穂町三和町を経て綾部市に至る，総延長約71kmの国道である．

　こんな書き出しで書いてみたがやはりしっくり来ない．国道173号・略称「いなさん」は北摂をフィールドとしてきた我々OUCCにとっては常の道である．いわば通学路みたようなものである．池田木部の交差点から左手に進路を取ればそこがもう「いなさん」．多田のダイエー前アップを越えて，一の鳥居を越えて，東畦野から山下にかけての混雑をクリアすれば一庫ダムだ．そこから先は新歓ランやポタリングで何度も通った能勢町の小盆地が広がる．はらがたわ峠までのいわゆる北摂の範囲にある部分は特にだが，沿線の光景は鮮明な映像として脳裏から取り出すことができる．天王峠を越えた辺りからはさすがに掠れてしまうが，その向こうには，初めての耐久ランで，また個人的なポタリングでも訪れた、懐かしの綾部市が待っている．

　この道は昭和38年に主要地方道から国道に昇格した．重要度が増して以降，新道が山を削り，隧道を穿ち，車にとっての険阻はことごとく平坦になっていった．自動車での所用時間はどんどん短縮されていった一方で，我々自転車がゆくりなく走れる旧道は増え，そうした改修の結果としての173号に我々は親しんできた．そんな国道173号の旧道達を南から北へ向かって紹介したい．下のリンクからそれぞれに飛んで頂いても良いし，さらに下にある「→Next」から順に辿ればvirtualでお楽しみ頂ける．

　それでは．

旧丹州街道（大阪府池田市〜兵庫県川西市〜猪名川町〜大阪府能勢町）

はらがたわ峠（大阪府能勢町）

天王峠（大阪府能勢町）

板坂峠（兵庫県篠山市〜京都府瑞穂町）

榎峠（京都府瑞穂町）

質山峠（京都府三和町〜同綾部市）

→Next:旧丹州街道