〜Bunsuireipedia〜
・最終更新 平成 15 年 2月 8日
時に 人が通る、それだけ
三日に一度、あるいはいつか、十日にひとり、ふたり、通るという、
それだけの------
----- それだけでいつも 峠には人の思いが懸かる。
そこをこえてゆく人
そこをこえてくる人
あの高い山の
あの深い木陰の
それとわからぬ小径を通って
姿もみえぬそのゆきかい
峠よ、
あれは峠だ、と呼んで もう幾年こえない人が
向こうの村に こちらの村に 住んでいることだろう
あれは峠だ、と 朝夕こころに呼んで。
石垣りん:「峠」
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