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旧道倶樂部録"

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2011-07-16 [長年日記]

[D] 7/15

画像の説明見知らぬ土地に来ている。自転車旅の途中のようでもあるし、野球部部員の一人として遠征に来ているようでもある。遠くに屹立する岩山が見える。その麓を掠めるような形で洞窟が口を開けている。周囲に見える家々と比較すると「馬鹿」がつくくらいにでかい穴である。

そのうちこれが、有名なあの隧道であることを思い出す(名前は思い出せなかった。以下○○隧道と書いておく)。自然に出来た地形であるのだが、奥が塞がっていて、それを人力で貫通させて交通の用に供したものだ。此の側からの眺めを撮した絵葉書もあったはず。せっかくだから行ってみようじゃないか。

そう思って市街を走っていくが、格子状に発達した近代都市のなかを走るため、隧道へ直接向かう道がなく、ひどく遠回りさせられる。この感じは北条市街を古坂隧道に向かっていく時のヤキモキにちょっと似ている。

画像の説明何とか直下まで来たところ、道は市街地の平坦な道から一転して急勾配のうねり道へと変わる。取付きから見るとちょっと怖じけてしまうような激坂だ。たまたま居合わせた高校生数人組(同じところへ向かっているらしい)もこの坂を見て「こっちじゃないよなアハハ」などと乾いた笑いを漏らしている。方向的にはこの道しかなく、直感もこっちだと言っている。仕方なくギアをインナーローに落としてヘコヘコ登っていく。

 道は確かに急勾配なのだが苦しかった記憶はない。ともかくひたすら20%強の坂道を登っていった。それがだんだん狭く薄暗くなっていき、陸橋のような構造物の下を何度も潜った。道の蛇行を串刺しする形で上に何か通っているらしい。やがて道はその陸橋様構造物の脇へ入っていき、さらに勾配をあげて壁のようになってしまう。そんな姿になりながらもこれが正しいルートだと信じ切っている自分は切迫されるようにして進んだ。

画像の説明とうとう道は崖になった。左手の岩壁、右手のコンクリート構造物に挟まれた、幅1mほどの溝状の崖だ。R173の一庫ダム脇の陸橋や、矢ノ川峠旧道の滝見橋の脇から水場へ降りていく道とも雰囲気が似ている(これほど厳しい垂直度ではないが)。頭上の岩棚に一の腕を載せ、足場を踏み張って、力づくで登らねばならないような垂直崖が続く。意外に登れるのは荷が少ないせいだろう。いつのまにか自転車が無くなっているのに、ヒップバック一つだけだから楽なのだと思っている。

画像の説明背後および足元のスカスカ感が恐ろしくなるほど登ったところでガードレールに行き着いた。必死にしがみついて登り、身を乗り出せば、まるでスキー場かジャンプ台スタート地点の如き様相。人工的な芝生が広がる30坪ほどの広場と、そこからなだらかに下っていく斜面があった。なんだこりゃ?

だんだん状況が飲み込めてきた。さっき陸橋だと思っていたのは人工ゲレンデのようなものらしい。その傍らに、ここからは見えないが超巨大な滑り台もあるはずだ。それを私は滑らなければならかったのだ。(この辺りから大人数で行動する団体の一人になって、芝生斜面の下でキャッチボールをしたような記憶がある。マウンドでピッチング練習をしている人間を羨んでみたりとか)

運動ののち、滑り台のほうへ移動しなければならなくなった。自分は台車を押していく役をしている。このフィールドに登りついた時には滑り台を滑る事になっていたはずで、そのほうへ移動していったはずなのだが、そこまでの道のりが長かったのか、はたまた別目的の移動だったのか、滑り台は滑らずに一車線幅の舗装の坂道を下っていった。えっ、こんな道あるんなら最初から言ってくれよ! さっきの崖登りは何だったんだよ! そんな軽い憤りを感じつつ、3、4%ほどの緩勾配の坂を押し下っていく。

画像の説明急に思い出した。そうそう、この用事が済んだら○○隧道へ行かなきゃ。今ちょうど○○隧道の方角へ進んでいるはずだ。そう思って見上げれば、頭上前方の空を覆う巨大な岩崖。そこまでの間に古風な石垣があって列をなしている。2列あるのは土留めだろうか? いやいや違う、両方とも路肩の石垣だ。自分がいま台車を押して下っている道とは別にもう2本の道があるのだ。

画像の説明上の一段は……と目で追っていくとトンネルが見えた。しかしこれは鉄道のトンネルだ。コンクリートで出来ているし束になった架線も通っている。そのうえ折よく電車が来た。トンネルの向こうからプォーンという汽笛の音、軌条の軋みとガタンゴトンの音が聞こえ始める。

画像の説明では、目的の隧道は? と斜め下へ視線を移して、そこに目当ての○○隧道を見つけた。隧道はとても短く、今いる場所から見上げる角度にありながらもう出口の明かりが見えている。その明かりのお陰で天井が明るいほどだ。遠目にも石であることがわかる天井なのだが素堀とも石組みとも違う感じ。なんというか……一枚岩を刳り抜いて半割の竹のようにしたものを使っている。厚さが50cm〜1mくらいああって、その厚ぼったさがいかにも古い手作り感を漂わせている。へえ……変わった隧道だ。

その隧道が見える辺りから道はヘアピンになり反対へ進み始める。そして1車線地道に合流し、すぐさま短いトンネルに入る。妙に新しいコンクリート製だ。これが○○隧道ではなく、ロックシェードのような目的で作られたものだろう。ということはこの斜面に2筋の道がついていることになるのか。

画像の説明そんなことを思いつつトンネルを抜けようとした時、右手に碑があるのに気づいた。畳を半割、あるいは1/3割にしたくらいの大きさで、かまぼこ型をしている。そのかまぼこ型の縁は浮き彫りになっていて、ちょうどさっきの○○隧道の天井のようだ。

あれを模したものだろうか? と思いつつ碑の文字に目を走らせる。右書きで面白山なんとか……。いや、「白」ではなくて「耳」だ。面耳山。面白山という山は聞いたことがあるが、そうじゃない。変わった名前だ。「なんとか」のほうは「隧道」だろうと理解し掛かったものの、よく読めばそうではなく、「棺堤」だ。(と今これを入力したら「堰」の字が出てきてこっちだと思う。読めるが書けない類の文字でイメージはとても近い)

棺堰。なんだろうこれ。字面から察すると古代墳墓の棺の蓋か何かのように思える。ということはさっきの隧道やこのトンネルのことではなく、そういう遺跡を案内する碑なのだろうか。いやいや、さっきの隧道の古さからすると、隧道をそう呼んでいたのかも知れない。「隧道」だってそもそもは墓へ通じる道のことを言ったじゃないか。なるほどなあ。そういうことかあ。

というところで目が覚めた。妙に理論的で高さや方角の感覚も合っているのが我ながら可笑しい。    


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