nagajisの日不定記。
本日のアクセス数:0|昨日のアクセス数:0
ad
松葉菱に英数字の刻印は広島物産陳列館(いわゆる原爆ドーム:大正4竣工)に使われていたものと同じフォーマット。通説では讃岐煉瓦のものとされているが、大阪では松葉菱にサのものしか見つかっていなかった。全く同じフォームのは初めて。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20130129102712966_ja
そのそばでこんな煉瓦も発見した。空欄の松葉菱と丸で囲った何かが打刻されている。○の中身は時間がなくて確認できなかったが漢字一文字のようだった。
この煉瓦の近くには樽井煉瓦のTARUI.GO.や堺煉瓦もあり。しかし後年寄せ集められたもののようで、共使いと云うべき状況ではない。同時期に作られた煉瓦でない可能性もある。とはいえ上記の工場はすべて時間軸上重なり合わないことはない。
松葉菱の別解。ちょっと見にくいが中央に「イ」が入っている。東淀川区三国本町で撮影。豊中市桜塚高校の煉瓦壁に同じものが使われている。
中津高架橋の吊り桁部アップ。『道路』第2巻第11号にこの辺を工夫したということが(たった一文だけだが)記されている。吊り桁の伸縮装置を簡略化するため、路面を山型で噛み合わせにして吊り桁と受台の間にStainless steel板を挟んだという。結果は良好で「コンクリートの欠けもなかった」とある。
一般的なRCゲルバー桁では
──┬─ ┌┘ ─┴──
てな形のかけつぎにしてメナーゼヒンジか何かを入れる。ここの場合はそうではなかったらしい。斜めにカットした部分があることで、ごくわずかだが橋軸方向への力が発生するから、橋軸方向の動きが制約を受け、伸縮装置を別途設けずに済んだ(桁端路面と受け側の路面をコンクリートの凸凹で組み合わせるだけで、特段金物を挟んだりせずに済んだ)のではないか。RCでも鋼桁でも伸縮装置の箇所は傷みやすい。RCだと特別な金物を履かせないといけない。しかしそれやると金物が通過車の衝撃を受けるので壊れやすい。昭和7年頃って伸縮装置の工夫が試行錯誤でされてた時期だったんじゃなかったっけか。
というわけで(今更)ネタ本を繰る。
明治の中頃までは、鉄製トラス橋などの場合でも、床版は舗装板兼用の橋板であったから、橋面の隙間の処理もしやすく、装置といわれるほどのものはなかったと考えられる。 本格的な伸縮装置の使用は、バックルプレートの類、更に鉄筋コンクリート床版が採用されるようになってからのこととと思われる。前記時期は、我が国では、明治末期から大正の初めにあたるが、当時の構造はつまびらかでない。伸縮装置が橋梁の付属構造物として、明確に意識されるのは、大正の末以降であろう。昭和中期に入り、支間の長大化、通行荷重の激増に従い、種々の装置が考案されているが、耐久性・走行性・防水性等各方面の問題を、同時に解決した決定的構造は、いまだ開発されていないのが現状といえよう。
『日本道路史』p.884
突き合わせ形式:最初期の形式。桁の端にU字に曲げた鋼板を渡し、その上(隙間)にアスファルトなんかを充填。簡単だが路床の角が欠けやすい。路床にコンクリートが使われるようになると路床端角にL字鋼にヒゲがついたようなやつを埋め込んだりしたが、コンクリの回りが悪く、やっぱり破損しやすいかった。
渡り板形式:一方の桁の路床からもう一方の路床にむけて板を掛け渡したもの。隙間充填。明治後半の技術書で紹介されているが実際に広く使われるようになったのは大正期から。渡り板の取り付け皿リベットや溶接に難がありこの部分での破損が目立った。表面(路上)がくし形に見えても内部で渡り板形式のがあり、大正期の専門書に見えるが、実際にはほとんど採用されず。部品点数が多く複雑になるため(とくにリベット構造では)。厚いくし形渡り板が作れるようになった昭和30年以降普及。
片持ち式くし形式:フィンガージョイントとも。20世紀初頭に考案され大正末から昭和の初めにかけて我が国に紹介された。実用化は新しい。
最近はゴムジョイント式が多い。後付施工可。
まさか路面までは撮ってないからなあ。撮ってないよなあ。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1140990/248
まさかこれが大陸からきたものだとは.白くないのでシャモット煉瓦というやつかもしれない.
この間吉野の本を手に入れたはずなんだがどこにやったんだろう。
えーあれって三津浜の刻印なのか。呉鎮守府に使われてるんだったら確かに亀山のじゃないな。
休みてえ。RIPしてぇ。丸太のように眠りてえ。
こちらから連絡して連絡取れないとずいぶん心配してしまうのはまさしく自分勝手というものだなあどの口がいうのだろうなあと思った。社会通念的表向きには存在していないnagajisである。ついでに裏にもさよならを告げたらどうだ。気分がすっきりするにちがいないぜ。
フロントが歯飛びしているのかリアがそうなのか判断つきかねる。どちらも交換してからそんなに経ってないはずなんだが
「国民会議」と銘打つと,まるでそれが国民全員の創意のように思えてしまう.かといって国民が参加していないわけでもないから羊頭狗肉なわけじゃない.実にいやらしいネーミングだと思う.そういう微妙なアワイを顧みずにいけしゃあしゃあと使えるような人々が成功し生き残っていくのだろう.遠慮が先に立つ私のような人間は一生地べたを這いずりまわっておればよい.
といったようなことを考えてみた一方,「日本の廃道」とかいう大層な看板を掲げていながら福島と近畿のごく一部の話しか載ってないうえに廃道でもない煉瓦の話で一号埋まったりする同人誌だってあるわけだしなゲラゲラと思ったりもした.結局のところ自分が関係しているか否か,恩恵を受けられるか否かで判断しているだけじゃないか>nagajis.
大日本窯業会雑誌No.227-228 明治44年8月-9月より引用.愛知県が主催した第十回関西府県連合共進会に出品された窯業品の審査報告の摘要.工業試験所技師・北村弥一郎の報告.
今回共進会に初めて第三十六類(瓦煉瓦敷瓦土管)が加わった.第4表第5表を一つにまとめている(第4・第5表で「煉瓦」だったり「煉化」だったりするものあり).
府県 | 出品者 | 品名 | 寸法(cm) | 重量(g) | 外観 | 吸水率(百分率) | 耐圧力(1平方cmに於けるkg) | 内部の組織 | ||||||||||||||
厚 | 幅 | 長 | 罅裂 | 崩壊 | ||||||||||||||||||
大阪 | 大阪窯業株式会社 | 機械製焼過一等煉瓦 | 6.2 | 10.7 | 22.3 | 2884.0 | 赤褐色にして形状正 | 4.10 | 406.1 | 505.0 | 緻密にして焼締まり稍光沢を生ぜり | |||||||||||
同 | 林尚五郎 | 東京形上等煉瓦石 | 5.9 | 10.6 | 22.1 | 2770.0 | 赤褐色形状稍正 | 7.67 | 374.4 | 377.0 | 所々に小孔を散在するも概して緻密なり | |||||||||||
同 | 丹治利右衛門 | 東京形一等焼過煉瓦 | 6.0 | 11.0 | 22.8 | 2906.0 | 褐色形状正 | 6.53 | 203.5 | 308.2 | 小孔の外稀に蚕豆大の孔穴を有し又米粒大の石粒を混有す | |||||||||||
同 | 同 | 東京形上等煉瓦 | 6.0 | 11.0 | 22.8 | 2908.0 | 同上 | 8.68 | 171.5 | 247.8 | 所々に小穴を散在するも概して密なり | |||||||||||
同 | 堺煉瓦株式会社 | 機械製東京形上等煉瓦 | 6.0 | 11.0 | 22.7 | 2783.0 | 赤褐色形状正しきも大なる石粒を含み其付近二亀裂あり | 9.97 | 433.2 | 439.7 | 小豆大の石粒を混在するも概して密なり | |||||||||||
同 | 同 | 手製東京形上等煉瓦石 | 5.9 | 11.0 | 22.7 | 2701.0 | 褐色同右 | 9.20 | 170.8 | 256.3 | 密着せざる為めの空隙を存す | |||||||||||
同 | 同 | 手製東京形焼過煉瓦 | 6.1 | 10.8 | 22.9 | 2787.0 | 褐色形状不正大なる石粒を含み其附近に亀裂あり | 8.27 | 139.1 | 188.1 | 黄色の斑紋を現出し豌豆大の石粒を含み且所々に空隙を存す | |||||||||||
同 | 同 | 手製東京形横鼻黒煉瓦 | 6.0 | 10.7 | 22.7 | 2758.0 | 暗褐色中高にして表面滑らかならず大なる石粒を含み其付近亀裂す | 5.26 | 212.9 | 262.5 | 内部は殆んど黒色となり稍光沢を発生し小豆大の孔穴を有し又隠元豆大の石粒を混せり | |||||||||||
同 | 岸和田煉瓦株式会社 | 機械製東京形 | 5.9 | 11.0 | 22.4 | 2868.0 | 褐色形状正しきも稍大なる石粒を含み其附近亀裂す | 7.63 | 488.9以上/ 152.2 |
428.2 | 甲・斑点状に黄色土を交え小豆大の石粒を含み縦に線状の空隙を有する多し 乙・胡麻大の石粒を含み小孔を存するも密なる方なり |
|||||||||||
同 | 岸和田煉瓦株式会社 | 手製東京形煉瓦 | 5.8 | 10.9 | 22.4 | 2752.0 | 褐色形状反るか又は中高なり | 8.18 | 262.0 | 427.1 | 胡麻大の石粒を含むも概して密なり | |||||||||||
兵庫 | 有井作太郎 | 煉瓦 | 5.7 | 10.9 | 22.3 | 2498.0 | 褐色形状正石粒を含むも亀裂なし | 13.35 | 287.3 | 306.0 | 同 | |||||||||||
同 | 笹倉則常 | 普通煉瓦 | 5.4 | 11.3 | 22.3 | 2487.0 | 褐色形状歪み中部幅広き所あり | 10.90 | 216.2 | 331.6 | 概して密なるも胡麻大の小孔散在せり | |||||||||||
同 | 中播煉瓦株式会社 | 普通煉瓦砂抜 | 5.9 | 11.0 | 22.5 | 2786.0 | 褐色形状稍正しと雖長及横手に亀裂あり | 10.49 | 274.2 | 314.2 | 右に同し | |||||||||||
三重 | 森忠一 | 煉瓦 | 4.8 | 10.4 | 21.2 | 1855.0 | 赤褐色蒐形状正 | 12.37 | 234.8 | 298.2 | 概して密なるも黄色土の斑紋を現せり | |||||||||||
同 | 同 | 煉瓦 | 4.7 | 10.4 | 21.6 | 1009.0 | 同 | 12.39 | 161.6 | 221.5 | 黄色土の斑紋を現し又小孔散在せり | |||||||||||
同 | 同 | 煉瓦 | 4.5 | 10.1 | 21.2 | 1802.0 | 同 | 11.00 | 365.8 | 365.8 | 黄色土の斑紋を現し稀れに豌豆大の石粒を混す | |||||||||||
静岡 | 長坂峯吉郎 | 普通煉瓦石鼻黒 | 6.1 | 11.0 | 22.5 | 2964.0 | 暗褐色小口僅かに反れり | 6.69 | 462.2 | 462.2 | 密なり | |||||||||||
滋賀 | 中川長九郎 | 煉瓦(赤) | 5.8 | 10.7 | 22.5 | 2487.0 | 褐色中高にして石粒を含み其付近亀裂あり | 11.71 | 131.5 | 219.6 | 密なり | |||||||||||
島根 | 太田定吉 | 並型煉瓦石 | 5.8 | 11.0 | 22.4 | 2625.0 | 褐色形反り上に捻れり | 12.08 | 233.7 | 238.5 | 斑点状に黄色土を含有し微小なる小孔を有す | |||||||||||
同 | 原虎太郎 | 並型煉瓦石 | 5.8 | 11.1 | 22.9 | 2485.0 | 褐色形方正 | 15.65 | 236.8 | 262.1 | 斑紋状に黄色土を含有し小豆大なる石粒を交え多少の孔穴あり | |||||||||||
同 | 橋本平作 | 並煉瓦 | 5.9 | 11.2 | 23.4 | 2682.0 | 褐色形状正しと雖石粒を含み其付近亀裂あり | 12.30 | 107.7 | 114.8 | 米粒大の石粒を混すること多量なり | |||||||||||
広島 | 阿波井力也 | 練瓦 | 6.2 | 10.9 | 22.9 | 2668.0 | 褐色形状歪みみ表面凹凸し且つ大なる石粒現出し其付近亀裂あり | 17.64 | 149.1 | 183.8 | 微小なる空隙を存する所あるも概して密なり | |||||||||||
同 | 光保利三吉 | 練瓦 | 5.8 | 10.9 | 22.6 | 2739.0 | 褐色形方正 | 11.16 | 425.8 | 509.0以上 | 米粒大の石粒を含み小なる孔穴あるも概して密なり | |||||||||||
同 | 和田亀太郎 | 練瓦 | 6.1 | 11.0 | 23.0 | 2703.0 | 褐色中部稍高し | 15.87 | 139.3 | 176.2 | 右に同じ | |||||||||||
同 | 西山静左衛門 | 煉瓦赤 | 6.1 | 10.9 | 22.8 | 2893.0 | 褐色形状正しと雖石粒を含み其付近に亀裂あり | 11.28 | 370.5 | 436.2 | 米粒大の石粒を含み小なる孔穴を有するも概して密にして稍固く締れり | |||||||||||
同 | 同 | 煉瓦妻黒 | 6.1 | 10.9 | 22.8 | 3014.0 | 暗褐色形状歪み膨出せる所あり | 6.67 | 402.2 | 494.0以上 | 米粒大の石粒と孔穴を有するも固く締れり | |||||||||||
同 | 松阪芳太郎 | 練瓦 | 6.1 | 10.7 | 22.8 | 2582.0 | 褐色形状稍正 | 15.73 | 283.2 | 308.0 | 米粒大の石粒を含み小なる孔穴あるを概して密なり | |||||||||||
山口 | 中村林蔵 | 煉瓦 | 5.8 | 11.3 | 23.2 | 2839.0 | 褐色形状正 | 9.98 | 469.1以上 | - | 密なり | |||||||||||
香川 | 森庄三郎 | 練瓦 | 5.9 | 10.7 | 22.1 | 2515.0 | 褐色形正しと雖石粒を含み其付近に亀裂あり | 13.30 | 62.3 | 77.8 | 締り方悪しく所々に大なる空隙を存す | |||||||||||
同 | 鈴木品吉 | 練瓦 | 5.8 | 10.7 | 22.2 | 2461.0 | 褐色形状正しと雖各所に罅裂を現出す | 12.33 | 123.8 | 153.2 | 米粒大の石粒を含み密着せざる所の空隙を存在す | |||||||||||
同 | 讃岐煉瓦株式会社 | 手製赤煉瓦 | 6.0 | 10.9 | 22.2 | 2705.0 | 褐色形状歪み且亀裂を生ぜるあり | 7.87 | 225.1 | 354.2 | 斑理状に黄色土を含有し蚕豆大の空隙を存在す | |||||||||||
同 | 同 | 機械製赤煉瓦 | 6.2 | 11.1 | 23.3 | 2996.0 | 赤褐色大なる石粒を含むが為め表面平滑らず且亀裂あり | 9.61 | 甲 364.5/乙 467.6以上 | 466.3以上 | 甲乙共に密なり | |||||||||||
同 | 前田儀平 | 普通練瓦 | 5.8 | 10.3 | 22.0 | 2306.0 | 黄色形状正しきも横及長手に罅裂線あり | 13.99 | 205.8 | 214.3 | 豌豆大の石粒を含み又隠元豆大の孔穴を存在す | |||||||||||
同 | 塩田芳太郎 | 同 | 5.7 | 10.3 | 22.1 | 2301.0 | 黄褐色稍正しきも石粒を含み其附近に亀裂あり | 14.90 | 180.9 | 192.9 | 豌豆大の石粒を含み小なる孔穴を有す | |||||||||||
同 | 宮本才治 | 煉瓦 | 5.6 | 10.8 | 22.1 | 2361.0 | 褐色形状歪み石粒を含み其附近に亀裂あり | 12.14 | 225.8 | 235.5 | 米粒大の石粒を混在すること多く又空隙あり | |||||||||||
愛媛 | 高木重三 | 東京形赤 | 6.2 | 11.1 | 22.9 | 2955.0 | 褐色中部稍高し | 10.84 | 192.1 | 218.1 | 斑点状に黄色土を含有し米粒大の石穴を交えて所々に小なる孔穴存在す | |||||||||||
同 | 同 | 東京横黒 | 6.1 | 11.0 | 23.0 | 2725.0 | 暗褐色表面歪み平滑ならず | 10.38 | 112.9 | 179.5 | 米粒大の石粒を混在すること多く又蜂巣状に孔穴を存す | |||||||||||
同 | 同 | 東京形鼻黒 | 6.1 | 10.8 | 22.9 | 2747.0 | 暗褐色表面平滑ならず | 8.79 | 197.4 | 207.4 | 斑点状に黄色土を混有し米粒大の石粒を混在し又小孔を有す | |||||||||||
同 | 同 | 煉瓦曲黒 | 6.0 | 10.8 | 22.8 | 2750.0 | 暗褐色形状正しきも石粒を含み其附近に亀裂あり | 10.01 | 107.1 | 194.7 | 豌豆大の石粒を混在すること多く又孔多し | |||||||||||
愛知 | 名古屋煉瓦合資会社 | 赤煉瓦石 | 6.0 | 10.8 | 22.3 | 2664.0 | 赤褐色中部高くして小なる亀裂発生す | 11.84 | 121.4 | 180.3 | 米粒大の小孔を含むこと多し | |||||||||||
同 | 早川昇策 | 機械抜赤煉瓦 | 5.7 | 11.2 | 23.3 | 2756.0 | 赤褐色形状正 | 10.57 | 258.8 | 326.0 | 密なり | |||||||||||
同 | 二村市太郎 | 赤練瓦 | 4.8 | 10.4 | 21.6 | 1946.0 | 褐色形状正しきも小口に小亀裂あり | 10.76 | 185.3 | 244.7 | 密なり | |||||||||||
同 | 明治煉化株式会社 | 同 | 5.7 | 10.8 | 22.5 | 2512.0 | 褐色中部稍高し | 11.34 | 206.1 | 264.5 | 胡麻大の石粒を含み小孔を散在す | |||||||||||
同 | 中京煉瓦商 泉松兵衛 | 煉瓦(赤) | 6.1 | 10.8 | 22.4 | 2681.0 | 赤褐色中部稍高し | 9.56 | 261.1 | 276.2 | 小孔所々に存するも概して密なり | |||||||||||
同 | 寺西小三郎 | 煉瓦 | 5.7 | 10.8 | 22.2 | 2642.0 | 暗褐色形状正 | 7.28 | 284.4 | 358.2 | 斑理状に黄色土を含有し米粒大の石粒を多少存するも概して密なり | |||||||||||
同 | 平松良太郎 | 並煉瓦石焼過一等品 | 5.9 | 11.0 | 22.7 | 2726.0 | 黄褐色形状正しきも長手に亀裂せる所あり | 10.00 | 133.7 | 294.1 | 密着せざる所の空隙を存す | |||||||||||
同 | 同 | 並形煉瓦一等品(鉄道用) | 5.4 | 10.6 | 22.2 | 2395.0 | 赤褐色形状正 | 10.39 | 257.5 | 291.2 | 米粒大の石粒を含み小孔多しと雖概して密なる方なり | |||||||||||
同 | 大野介蔵 | 煉瓦石 | 5.8 | 10.7 | 22.6 | 2623.0 | 赤褐色形状正しきも所々に亀裂あり | 10.84 | 116.2 | 127.7 | 密なり | |||||||||||
同 | 村島寛一郎 | 並型煉瓦石 | 5.6 | 11.0 | 22.9 | 2583.0 | 褐色僅に反れり | 9.66 | 293.2 | 293.2 | 斑理状に黄色土を含有し米粒大の石粒を混在し大空隙を生ぜる所あり | |||||||||||
同 | 岡田松太郎 | 鉄道用煉瓦石 | 5.6 | 11.0 | 22.3 | 2426.0 | 黄褐色形状正 | 11.51 | 116.0 | 162.8 | 米粒大の石粒を含むも密なり | |||||||||||
同 | 長田栄治郎 | 煉瓦 | 5.6 | 10.8 | 22.3 | 2383.0 | 赤褐色形状正しきも平たき面に小なる亀裂あり | 13.41 | 145.5 | 185.9 | 斑理状に黄色土を含有し米粒大の石粒と小なる孔穴を有す | |||||||||||
同 | 神谷徹 | 並型煉瓦石 | 5.5 | 10.5 | 22.0 | 2464.0 | 赤褐色形状正しきも石粒を含み其附近に亀裂あり | 8.57 | 213.1 | 278.1 | 亀裂的空隙を存して密着せざる所あり | |||||||||||
同 | 同 | 横黒煉瓦石 | 5.6 | 11.1 | 23.0 | 2615.0 | 暗褐色形状稍正しきも石粒を含み其付近に亀裂あり | 11.07 | 133.5 | 151.4 | 斑点状に黄色土を含有し豌豆大の石粒を混在し多少の小孔あり | |||||||||||
同 | 片山幾太郎 | 並型煉瓦石一等 | 5.6 | 10.7 | 22.1 | 2465.0 | 赤褐色形状正 | 7.77 | 289.0 | 337.1 | 米粒大の石粒を混在すること多く又密着せざる空隙を存す | |||||||||||
愛知 | 奥谷多作 | 赤煉瓦石 | 5.6 | 11.1 | 23.0 | 2558.0 | 赤褐色形状正 | 11.59 | 198.4 | 218.7 | 斑理状に黄色土を含有し多少の石粒を混在するも概して密なり | |||||||||||
同 | 尾崎重三郎 | 煉瓦 | 5.7 | 11.1 | 23.0 | 2628.0 | 同 | 10.92 | 198.4 | 198.4 | 斑点状に黄色土を含有し米粒大の石粒を混在するも概して密なり | |||||||||||
同 | 長田徳太郎 | 煉瓦 | 5.7 | 10.9 | 22.7 | 2630.0 | 暗褐色反れり | 10.32 | 140.9 | 171.2 | 米粒大の石粒を混在し多少の小孔あるも概して密なり | |||||||||||
同 | 永江きく | 煉瓦 | 5.7 | 11.0 | 23.0 | 2799.0 | 黄褐色中部稍高くして平たき所に罅裂あり | 10.06 | 148.2 | 263.3 | 密なり | |||||||||||
同 | 榊原庄三郎 | 煉瓦 | 5.6 | 11.1 | 22.9 | 2508.0 | 桃褐色形状正 | 13.67 | 92.1 | 114.5 | 斑点状に黄色土を含有し米粒大の石粒を混在し空隙を有すること多し | |||||||||||
同 | 平坂煉瓦合資会社 | 鉄道用並形煉瓦焼過一等品 | 5.8 | 10.6 | 22.7 | 2583.0 | 褐色形状正しきも石粒を含み其付近に亀裂あり | 8.41 | 178.3 | 206.8 | 斑理状に黄色土を含有し蚕豆大の石粒を混在し小孔を有す | |||||||||||
同 | 同 | 鉄道用並形煉瓦石一等品 | 5.8 | 11.0 | 22.6 | 2540.0 | 褐色形状正 | 12.60 | 145.6 | 184.4 | 斑点状に黄色土を含有し米粒大の石粒を僅に混在し又小孔を有す |
結局ヤフオクで代替機を入手した。複合機になったのでスペースを喰っていたスキャナも片付けられる。フィルムスキャンも可能になり幸せである。安上がりな幸せである。
さて、このくず鉄をどうやって片付けるか。また送りつけ商法か。そっちのほうに¥がかかるのは仕方ないけど回収できる貴金属量が少なそうなのは申し訳なく思わないでもない。
そっか、今年で12年目だったのだな。それが11年ものになっただけだ。
広島地方は練瓦、愛知は煉瓦石、てな分布だと面白いのになあと思った。そういう使い方はできない表だ。小石の多寡、空隙の大小が強度と関係ないのを面白がるためのもの。あと大阪窯業が卑怯。焼過煉瓦だったら吸水率低いのは当然だ。
素地煉瓦を焼いたら収縮するもんだと思っていたのだが、ホフマン窯って焼き締まって沈下する量を計って焼き上がりを決定するんじゃなかったか?
借りてるサーバーが17日にメンテするというのは聞いてたんだけどそれでエラー吐くようになっていたとは思わなかった。大変失礼した。こことかメールとかバックヤードのプログラムだとかは普通に動いていたもんだから気が付かなかった。
以下第一次修正後の独言。
.htmlもphpとしてパースする設定にしてた&一部のページを除きモジュール版phpで動くようにしていたところへモジュール版phpが廃止になりFastCGI版へ強制移行させられたうえphpバージョンが5.5へあがるという大変化が起こってへちゃむくれになったわけなのである。例えていうなら竈炊爨しか知らない奥方から竈と吹き竹取り上げて最新式電子炊飯器を与えたようなものだ。確かに便利になるには違いないが使い勝手知らんから米炊けへんっちゅうねん。せっかく火起こし火加減慣れてたのにさ。案の定サポート掲示板は阿鼻叫喚の巷と化しておる。しかしこうでもしないとダメ設定は一掃されないだろうな。
鯖側で.htaccessを書き換えてくれちゃったうえに与えられた代替の.iniファイルが謎設定。なぜデフォルトでpdfを送信しようとするのか。確かにこのページからDLれるのはpdfだけなんだけどさ、そういう指定を書き込んだつもりはないぞ。
htaccessのx-httpd-phpに代わる設定がわからず(この記述があると500が出る・メンテ告知の書き換え要請には書かれてないそうではなくQSAつけたredirectがダメだったらしい)、トップページはindex.phpに書き換えることでなんとか対応したが、今度はダウンロードの最終段階でERROR!が出る。まさかそこでERRORるとは思っていずテキトーなエラーメッセージしか出さないようにしていたものだから見事に壺にはまった。もともと5.2にあわせて作っていたからなんの修正も必要なく移行できるはずなのにこけるので泣きそうになった。print_rを駆使してスキームを一個一個追って潰していったらDBにログを書き込むところでこけていることが判明。連想配列からPSQL_DML_なんちゃらフラグ立ててクエリ作ってほにゃららしてquery投げたらエラーになる。テーブルがないとか抜かしやがる。_convertでも同様。たったいま読み込んだろそのテーブルは!!
結局関数に頼らず自前でクエリを用意して投げるようにしたら通るようになったけど、どう考えてもこのへんにバグがあるとしか思えない。それがFastCGIがらみなのか5.5のせいなのかはわからん程度の脳味噌がそういっている。それ考える前にDMLフラグで処理している個所を潰さんとあかんかったしな。
メンテ用のあれとpaypalからの戻り処理のと直し、.userなんちゃらを97号分コピーするプログラムを書捨てて(index.phpやページ作成スクリプトやメッセージ類やlinearnotes.phpはボタンクリックでコピーできるようにしている。これがいちばん修正する可能性があるからだ。しかし.php.iniをコピペし回るとは思ってなかった。これ一個一個やってくと泣けてくるので同様のを5分で作成してアロった)やっと目が当てられる状態になった。まだ修正が要る個所がたくさんある。隧道/峠データベースのupdateは絶対に要る。
ていうかDBのあどみんもエラー吐きまくって動いてないじゃん。どうすんのさ>核鯖
追記:Action php-fastcgi /cgi-bin/php
AddType application/x-httpd-php .html
で.htmlのパースはOK.RedirectMatchが通らなかった模様.
pdb,tdbはホンモノがどこにあるのかわからなくなってツボった...バカめちゃんとサブドメイン名でつくってあるだろが..user.iniをまっさらにしてやっと治った.そういやバックヤードのphp.ini作るところは手を加えてなかったよな。やらんとあかん。
修正前にpaypalの戻りでエラーが出ていたがどう考えてもうちのせいじゃない.もう一度自腹で買って試せ>nagajis
今日はいろいろありすぎた.masaさん宅の2件隣のTさん宅にお邪魔して貴重な煉瓦を頂いたり双頭レールを頂いたり資料を頂いたり風雅巻きを頂いたり(頂いてばかりなのはいつものことである)H氏から電話があって20日の予定が埋まったり砂場を占拠したり子供に向かって研究者を自称したり顰め面でphpと退治したり黒崎窯業を裏付けるつもりが大連帰りの逆輸入であることを知ったり三重輪が川崎窯業だったりゲラが届いて日曜返を約束したり輪ゴムが見つからなくて6畳をうろうろうろうろうろうろしたり特と侍がよく似ていることを発見して拓本の威力を悟ったり(さすがに侍印とかいうグレードはないだろう義太夫)相変わらず椎名林檎の顔が一定せず店主が本丸にに拘留されたりした.このおっさんには追いつくことができない怒涛の時間流である.一日にそのひとしずくだけで満足です僕は.
世に出てこない情報には出てこないなりの理由がある.無理に出せば話がこじれるが、そこさえクリアすれば/出すことでクリアになることもあり得る。
ちょっとでも世に出す限りは秘匿するな、という御説にもっともだと得心したことだった.そう信じてやってきたつもりだが、間違いでなかったと思い心強かった.上の圧縮された一日もそのうち伸張してどこかに書かねばならぬ.このままで終わったらチラ見せで終わりだからな.
産業遺産とは何か。調べてどうするのか。抱え込んで独占欲を満たすだけか。夜な夜な函から取り出して、ためつ眇めつしてニユニユするだけか。今際の際になって託されても託されたほうが困るだろう。だったらまだ昔の郷土史家のほうが純朴な願いから始まってる分無私な価値がある。
よほど慎重に、おそらくほぼ生状態のオナマに「ぽそっ」と押したのだろうと思う。 すばらすく繊細で明瞭な刻印である。結構適当に拓ったのだが、一発目でこんだけ出るのなら練習のしがいがあるというものだ。
府庁発掘調査報告書では書体に微妙なバリエーションがあると書かれてあった。そりゃそうだ、複数人でやらないと(=複数ハンコを用意しとかないと)おっつかないだろ。
仕事が一息ついたので拓本を取りまくる。久しぶりにやると精神集中ができて宜しいが目の悪くなったことを実感する。もうちょっと近くに焦点が合ってほしい。夏になって蚊取り線香を点けて寝るようになったらますます目がしょぼしょぼする。顔を洗っても同様だ。困ったものだ。
最近爪楊枝を使うという技術を習得した。爪楊枝に布を巻かずにそのままチクチクするというもの。細部がくっきり出て宜しい。
政府が「日本遺産」の選定を始めるというニュースがあった。ようは世界遺産の日本版のような文化財制度を創出したいらしい。設立の目的が「観光資源にするため」って明記されているのは、世界遺産認定が観光客誘致を第一義に考えてる感じな風潮と重なるところがあって、ちょっとどうかと思った。
保存・継承にはとてもお金がかかること、エネルギーを要することだということは理解しているので、そういうものの一助とするために「遺構を利用してお金を得る」というのは良いことだと思うんだけど、なんだろうこの割り切れないもやもやは。原理主義的感情的忌避感でしかないのかしらん。
大峯奥馳道や熊野街道小辺路が世界遺産になったからといって地域が潤っているようには見えない。盛んに利用してイベントをしたりしている和歌山県とは対照的に思われる。定するための調査研究は分厚い報告書になって出ているけれどもその後遺産の価値をさらに高めるような調査研究がなり発見なりされているようでもない気がする(少なくともそれが一般レベルまで降りてきてな新聞紙面を連日賑わすなんてことは起こってい)。石見銀山なんて世界遺産になったことを覚えてない人のほうが多いんじゃないか。
いや、違うのか。表立った動きがないということは則ち活用することか考えてないわけじゃないということか。見えないところで保全継承の動きがあって、教育なり研究なりが盛んになされていて、地元の人々の誇りになっているのを私が知らないだけかも知らぬ。世の中には世界遺産みたいなお墨付きを求めずに立派な伝承をしているところも多い。和歌山の島精機さんとかさ。そういうの応援する優遇税制とか固定資産税の減免とかしてあげたほうが文化の保存には有効なんでないの。化財と定めると大なり小なり箍を嵌めることになるしな、 どうせこれといったアフターケアしてくれないんでしょ、指定されたって。
で、うちは近畿産業遺産研究会でなくて近畿産業考古学会だ。名前くらい間違えないでほしい。そんな大事な書類で。と偉そうに文句言えるのは小規模団体ゆえ&その代表でもない単なるいち会員ゆえの余裕である。ふはは。
煉瓦製造業の歴史を調べることなんかはとくにあてはまることだと思うのだが、廃れてしまった産業の歴史を今さら調べてまとめ上げたところで、それだけでは日本経済に寄与するコトなんてこれっぽっちもない。「こういう理由で衰退しました」がわかったとしても、では次そうしないようにしましょうっていう反面教師にする機会もないだろう。また煉瓦造りすることなんてないだろうし、煉瓦類似の産業も(耐火煉瓦製造とか植木鉢製造とか以外は)ないんだし。そういう過去の考究は、ひょっとしたら何かの役に立つかも知れない、今すぐには何にもならんかも知れんけど今やっとかないとますます埋もれる、という予測とも不安とも言える思いがあるからやっているのであって、例えばの話日本最古の煉瓦が見つかったとか何とかいうことがあっても世間の耳目を集めるくらいが関の山だ。そしてその注目も一過性で終わってしまうに違いない。見つかった煉瓦が金の塊に変化するわけでもなし。だったらそれ使って人を呼べる何かをするのが最も手っ取り早い活用手段だ、ということで観光への結びつけが発生するのは自然な流れと思う。もし発見が(もしくは調査研究が)それだけで価値があるんだったら日本全国の博物館は経営に苦心したりしない。辣腕市長に解散させられたりするような事態など起こらない。
企業が過去に不熱心なのはしかたないことだし、どこもおんなじだと思う。好況不況の経済状態で如何様にも転ぶ。合併で消滅することもあるだろう。住友銅吹所も徐々に皮肉的な存在になっている。せっかく遺構を残してビル建てたのに見学もできないなら存在しないも同様なんじゃ。まあここは祖先へ敬意を払うためでもあるのだから内部で活用すればそれで大義を果たしており部外者に公開しなければならない義理はないっちゃあない。せいぜい顧客とか株主とかの意向に反してるっていうだけで。そういうの公に開放してくれるだけで企業イメージもずいぶん変わると思うのだけどなー。
あと、見学したがっている方のスタンスももう少し変わる必要がある。興味本位、というのは物事の取り掛かりとしては有効だけれども、いつまでも好奇心ドリブンであっていいものか。見学して「めったに見られないもの見られてよかった」「得した」で満足して終わりだったら、いろんな制約をかいくぐり保存・継承し人員を割いて見学させてくれている相手方が納得しないんじゃね。損じゃね。苦労に見合わないというか費用対効果というか。その企業・産業---もっと広く言えば自分以外の人の営みとかそれらが寄せ集められて成り立っている社会とか−−−への理解を深めることとか、なんか企業が得になること。一般市民と直結していない職種ほどそういうの要るよね。
トライ&エラーがないと進歩しない。というときにエラーが許されなかったらトライがやりにくくなるのは当たり前だ。絶対に成功することしかしないか、石橋を10tハンマーで叩きながら渡るような慎重作業しかできない。めんどくさいと思って尻込みするよりやってみて面倒さを実感したほうが改善策は思い浮かぶんじゃないかね>nagajis。
職業紹介事業協会編、昭和11~13頃発行。凡例に次のようにある。
一、本書の資料は専任の職業調査員が各職業の実際につき一々現場視察を試みた上叙述したものであるが、編纂後に於て実際経営者の校閲を経たる等内容の各自を期した。
一、本書は専ら叙述の統一と簡潔とを期し、各職業につき概説、仕事の実際及適性、勤務状況、修業年限及養成方法、収入及昇進方法、採用方法、福利施設等各項目につき夫々内容の解説を加えた。
一,各種職業中の所属する産業が比較的東京以外の地方に於て旺なるものに就ては其の地方の情勢に基きこれを記述し其の項の末尾に調査地名を附した。
二.煉瓦製造
普通煉瓦製造業
(略)
普通煉瓦は耐火煉瓦の白色に反し赤褐色を呈する故,通常赤煉瓦と称せられ近年は用途も狭くなり、ボイラーに用いられるのが最も多く、次いで建築の基礎工事或は竈、風呂等の築造に使用され、之を主材料とした建築物は時代遅れとなり、且つ一丈以上積むことは禁止されている。
等級は焼成後の色合によりて次の如く分かたれる。
上焼 一等品甲 同乙 二等品甲 同乙
普通 一等品甲 同乙 二等品甲 同乙
原料は粘土に砂を混入し手に握り玉になる位の土を二・一の割で混合し、成形後輪窯又は登窯と称する窯で焼成したもので、各製造業者は臨時製造し直営の販売部を設け、大口需要の購買者と直接取引し、或は石材、セメント、砂利、陶管等の問屋を経て一般に売買される。取引は一万個を単位として居る。製造業者数は甚だ少数にして、現在関東地方では月産七十万個乃至百万個の会社が東京府内一社、埼玉県三社あり、其等の製品にて東京の需要は殆ど充されている。尚昔日の手抜法による家内手工業者は近年の不況と機械製造とに圧迫されて自滅した。
主産地は岡山県、福岡県、大阪府、兵庫県、福島県等で、生産額は昭和五年に一億五千六百万個、金額二百七十万円余である。
我が国の煉瓦製造業は開始当時より諸産業の発展につれ順調な発達を遂げ、欧州戦争中は特に旺盛を極め、技術も先進諸国に匹敵するに至り、産額も耐火煉瓦は大正八年五百八十万円、十二年六百万円、昭和元年、三年共に七百万円であり、普通煉瓦も大正八年には実に一千五百万円に達したのである。然るに昭和三年頃から深刻な財界不況に災され、耐火煉瓦製造業も打撃を蒙り、昭和四年六百万円、五年五百万円と減少した。是は原料、工賃の値下りもあろうが最も大切な需要先である製鉄、製鋼、セメントを筆頭に造船、電気の諸工業が限産に限産を重ねたことによるのが大なる原因と認められる。
又普通煉瓦に至っては大正十二年の関東大地震の際に、建築工事の不完全の点にもよるが、煉瓦建築物の倒壊するもの多く、我が国の如き地震国にありては煉瓦は建築材料としては不適当であると見られ、一丈以上に積むことさえ法令を以て禁止され、震災後鉄筋コンクリートの大建築物が続々建てられるのも此の間の消息を物語るものであって、現在では普通煉瓦はセメント或いは近年素晴らしく発展振りを示して来たタイル、テラコッタに全く置き代えられた状態である。産額も昭和元年五百三十万円、二年四百五十万円、三年三百五十万円となり五年の二百七十万円に至っては大正八七年の一千五百万円に比べて驚くべき減少である。市価も大正八年ころは東京市内の相場は上物一万個六百円であったのが現在は二百円或はそれ以下に下落し、一時は普通煉瓦の製造は不可能と迄云われたのである。併し昭和八年頃から政府のインフレ政策或はぎんじ工業の影響を受け変態的とは云え諸工業は活況を呈ずる様になり製造業者も一息入れたと云う状態である。
斯く年々需要の減少惹いては価格の下落を来す普通煉瓦は、各地方に散財する小規模の家内手工業者の手に委ね大規模の工場はタイル、テラコッタの製造に転換せんとする傾向にある。併し耐火煉瓦は諸工業の運転中は需要の消滅の考えられないが此のままでは大発展も望めない。進んで適当な原料を探索し、国内市場のみでなく広く世界に市場を開拓するのが唯一の発展策であろう。
仕事の実際及適性 家内手工業による小規模工場は地方に分散し、地方的小口需要に応ずるのみで、全体的に見て需要の大部分は大規模の工場製品である。普通煉瓦の製造順序は左の通りである。
先ず原料工により採掘地より粘土並に砂土を採掘し、トロッコにて工場内に運び、粘土は適度に粉砕し、石或は藁等の夾雑物を除き、粘土二、砂土一の割合でエレベーターにて土練機に送る。土練機では各原料を粉砕し、混合して是に適当な量の水を注入し、練合して一定の量ずつ成形機に供給するので動力により運転される。成形機は機械力で混合され圧縮された原料が高三寸二、三分、幅七尺位の長方形の型より長く連ねて押出すのである。切断工はこれを鋼鉄線三本を二寸間に緊張した手動式切断機にて切断するので、同時に煉瓦の形をしたものが三宛出来る。是をトロッコにて仕上工の所に運んで行く。
仕上工は多く女工で切断されたものは殆ど煉瓦の形をなすが、各面殊に切断面の各角は粗雑になっているのを、木の台の上で一個ずつ木板で叩き、角を正角にし各面を平滑ならしめる。作業場は窯の上(冬期)又は露天である。次は乾燥であるが我が国の如く湿気多き土地では製造業者の最も苦心するところで各工場により設備が異なる。仕上工の手を経た生地煉瓦は、乾燥工により地上に三尺位に積重ねられるが冬季は凍結する恐れあるため、工場により一時窯の上に造った二階乾燥室にて乾燥してから地上或は平屋建の棚に並べて乾燥させる。此の外に露天算木組乾燥場、露天棚間相場を設備する工場もある。所要日数は夏季で二週間冬では三週間を要するのである。適度に乾燥されると次は釜積工により釜積みされる。煉瓦焼成に使用する窯は現今我が国では種々あるも、要するに登窯と輪窯で、輪窯とは凡そ十七、八個乃至二十個の窯が連結し、楕円形に築造されたもので一窯分の室内は高さ十尺位、幅十二、三尺、長さ十八、九尺位で約一万五千個の煉瓦が積まれる。出入口は外側に煙道は内側の下部に、一室につき小円形の焚口が五個ずつ六列あり、普通三個ずつ十八個の焚口より粉炭を投入して焼成し、一時に三、四個の室を使用する。尚使用する窯と使用せざる窯との間には新聞紙を張りて遮断する。
乾燥し終えた白地煉瓦は全部に熱が平均してゆき渡る様に井桁に積み重ね、その際、平滑な面を二個合せるのであるが積方は相当技術を要する。窯積みが終ると内側の煙道を開け、出入口を閉し、焼成工が粉炭を上部の焚口より投じ点火し、焼成中時々適当に炭を加え、火色により煉瓦の縮み工合を考慮しなければならぬ。所要時間約二十四時間にして、焼成後一週間位放置して自然に冷却するのを待つ。次は冷却した煉瓦を選別場に運ぶ。選別工は瑕〔王+菫〕の多少、有無或は色合により前記の各等級に分つので、これには一定の標準によるから女子又は少年工を使用する。
作業の性質としては焼成が最も難かしく、次いで釜積は技術を要し其他は比較的易い。各種の作業は多く男子の成年工で立業であるも、仕上工は腰掛業で女工を使用し、選別工には少年工或は女工を使用する。作業場の環境は概して良好である。
職業的適性としては健康、力量は普通或はそれ以上、手工による作業が多いから器用な者が望ましい。又一般知能は相当優れた者がよい。
勤務状況 勤務時間は季節により異なり、夏は午前五時半頃から午後二時頃迄、冬季は午前七時から午後四時迄である。休憩時間は九時より十五分、正午より三十分、合計一日一時間である。定休日は動力を使用するから毎月第一、第三日曜の二回制が行われている。斯業は季節的に仕事の繁閑の差甚だしく夏は最も忙しく、冬は反対に閑になる。二、三年前頃の不況には冬季は休業した工場が多かった。其の他の季節は原料から製品までに三十日余の日数を要し、相当ストックの必要から仕事は平均している。従業員は全部通勤制である。
修業年限及要成方法 斯業では各工程が甚だ易しいから、従業員の要請にも年季、従弟制等によらない。十七、八歳頃からなら見習期間は一年位である。〔ただし〕、焼成工のみは一人前となるには少くとも五年位を要す。
見習として採用されるのは十七八歳以上、徴兵検査頃の者であるから、見習中は雑用で機械に油を差したり、工場の敷地が広いからトロッコを各所に敷設せられ、之を押したり或は各工程の熟練工の助手をしたり、此の期間約一年位である。見習が終ると、初めは簡単な仕事例えば原料工となり一人前の給料を受け、慣れるに従い順次他の工程にも従事する。多少経験を要するのは窯積みであるが、是とて特に見習期間を要する訳ではなく、採用後四年位で焼成以外の工程は殆んど熟練工となる。焼成工のみは火の色により火力の強弱、煉瓦の縮工合を考えて炭の量を加減するから難かしく、専門工につき助手を五年位は務めなければ一人前になれない。
収入及昇進の状況 従業員の工賃は一種の出来高払で、各工程とも煉瓦一千五百個を扱って一人分の工賃を支給される制度である。故に切断工は一日千五百個を切断して一人分を受くるのである。一人分の金額は昨今不況のため安くなり、凡そ一円見当である。焼成工のみ工賃は二割乃至五割高である。見習中は日給五十銭位で、女工は日給四十銭乃至五十銭である。技術を習得しても従業員には独立の可能性は全然ない。その理由は地方へでも出て、手抜法による小規模の家内手工業であれば多少の可能性も考えられるが、これでも敷地、工場設備等に相当の金額を要し、又大規模会社の機械による安価の製品で余っている時代には尚更である。故に引続き勤務するのである。
採用方法 従業員を採用するには見習工でも一人前の職工でも殆ど縁故関係者からの紹介か、現に使用して居る従業員の紹介とかによるものを採用して居る。従って其方法も至極簡単で面談のみによって決定する。男子と共に女子も採用し、教育程度は小学校卒業で十分であり、年齢も十七、八歳以上である。見習従業員は経験を要せず試験等もない。
福利施設 定休日は月二回で、教育、修養、体育、娯楽等に関しては何等の施設も設備もない。従業員の仕事中の負傷に対しては規定の扶助方法があり、その他はすべて工場法の規定によって居る。
読み込むといろんな示唆を受ける。機械切断のオナマを叩いて撫でて平らにするのがいつのまにか普通になっている( 明治37年「煉瓦要説」のときは機械整形のシワシワが接着力を増すと考えられていた)。話は関東地方の煉瓦工場での話だが、大阪窯業の機械式の写真とまったく同じだ製法だから大阪窯業も同じ工程を踏んでいたものと想像される(そもそも機械整形痕のある大阪窯業煉瓦は数少ない)。
_ 38kw [視野の広さが窺えますな]