nagajisの日不定記。
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なぜなのか。
34.89332261390173, 137.0547789686954
@近江八幡市池田本町 35.10383000137571, 136.08131295046763
昭和30年三報社刊。鉄道構造物の災害復旧や防災目的の改良工事を実例をあげて解説したもので、擁壁の構造であるとか橋脚の補修工事だとか(列車運行を確保したまま橋脚を改築する手法など)、法面の緑化防護だとか、ふだん目にしてもあまり気にかけることがないようなものもの、しかしその含意を知りたいと思った時にハタと困ってしまうようなそれを詳しく知ることができる。隧道変状を修復する工事でどのようた手順で巻き直したのかとか実地の経験がないとわからないようなことも多数書かれていて、こういう本こそ「有り難い」と評するべきだと思う。
何の工事にしても「こうすれば万事OK」ということがなく、地質や地形、気候条件に応じて種々方策が試されていたことがよくわかる。また機械力で力づくでどうこうしようというものは少なく、いかに簡便で安価に済むかを様々試していた姿が窺えていい。戦中戦後に荒廃した鉄道構造物を一気に改修しなければならなかった時期だからだろう。今ある構造物の補修の跡もその時その場の最善を尽くした結果なのだと思うとちょっと見方が変わってきそうである。
専門書なので高価かと思ったが「日本の古本屋」でも在庫多数で1000えん前後で買えるようだ。価値と価格(需要)が比例するものではないという好例。いや需要が限りなくゼロに近いから安いのか。そのことと本の価値とは無関係である。私には凡百の自己啓発書よりはるかに尊い一冊に思える。