nagajisの日不定記。
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先日東條陸相名幼を視察し訓示し給う
一、尽忠至誠
一、努力一貫
一、卓越せる人格
〇八・〇〇より規律ある起居にもどる目的を以て教練行わる。約五十分。終りて思う。何となく体が軽くなれりと。以後帰省準備なす。帰省準備も別に気が乗らず学習・整頓なす。午後は校内休養。午睡は不足。梱包解きに、一時間働く。
遊泳中全く意識になかりし目のバチが食堂にて思い出し、今や全盛誠に困る。眠い感にて一ぱいなり。
〔欄外朱・おそらく本人の:今日此の日は今より五年前即ち昭和十三年八月五日に雄躍父が部隊と共に東京田端を出て立ち今生の別れとなれる日にして忘れも出来ざる最も記念すべき日なり。思えば早きものなり〕
〇八・〇〇より野田生徒監殿離任式。ビルマに行かれるものなり。ついで入江少佐殿命課布達式あり(四十八期・士官学校区隊長にてあられたり)。四十八が少佐なれば慥か多田仁三さんも少佐に昇進せられたるなるべし。ついで帰省申告を行い、訓示あり。大陸者は直に帰省、東京以北は午後出発す。誕生日会。一〇・四〇より遊泳携行品検査。午後愛校作業。準備気が乗らず。夕食後のみにて終了す。来るべき時は来たり百三十日ありし前期もようやくにして終る。此の喜かくすべからず。一年生の心を偲び、二年前の予を思いぬ。
度々の驟雨あるも容易に涼しくならず。生徒舎の掃除・各自整理・帰校申告・西岡教官殿紹介・不動姿勢敬礼演習・運動副班長紹介・不動姿勢敬礼演習・運動副班長交代申告・午睡・教室掃除の諸行事あり。規律ある行動にもどり爽快になるも今までのだらけたる生活を望まんとする弱き心も起りたり。中期百二十日出で立ちを立派に頑張らん。今日は暇を見つけて勉学す。一年一訓江頭(佐中)は家庭の事状に依り退校となる。良好
生徒監殿は予科の入試の臨時委員の為出張中。
今年五月二十九日アッツ島に玉砕せし山崎部隊長(名幼十期)は二階級昇進の栄に浴し中将になられたり。〔赤鉛筆で冒頭に◎&一文に波傍線 赤鉛筆は筆者か〕
〇四・三〇非常呼集あり。体操衣袴にて運動場へ八十四番なりき。今日のは実に頭のめぐり悪く失敗なり。棒倒しありて奇数の勝。柚木崎生徒監は良く又されるものなり。ついで除草。特別授業と称し地理の製図3午前中にあり。綿密なる気持の陶冶なり。一時間睡眠不足し午睡特に眠たし。体操きつし。柔道に行きて先ず体をこなしたり。過度の運動は瘠せる因なり。今の所緊張十分なり。良好。
今日も特別授業は全く昨日に同にして製図は三八式歩兵銃断面図なり。午睡なく一四・〇〇より運動場に於て藤井正和(四六期三訓夏季休暇中川内市の自宅に於て二十日急性肺えんにて死亡す)追悼会行われついで教練は不動姿勢・敬礼あり。一五・三〇に骨を校門に送りて後一時間は随意にして随運は鉄棒の下にて黙って坐しいたり。倦怠なればなり。誰も彼もが雑談なり。真に漸進主義なり。夕方より両二時間ふるも未だに涼しくならず蒸暑く困る。今の所緊張十分なり。起居に慣る。良好なり。
朝食時に予科中隊長某少佐殿が試験の為在熊との由にて来校され我等話を承る。
一、我儘になるな。
二、論より実行。
〇七・四〇-一一・四五 全校愛校作業ありて中央水溜場の土運搬生徒舎周囲の砂利の整理・草運搬を予は専心行えり。真に今日、我ながら能率上れるを思う。午後は休養にて午睡後一四・三〇-一七・一五大講堂にて映画あり。「ディーゼル機関」「朝日ニュース」「日出づる国の子」「陸軍予科士官学校」あり。面白からず頭ぼーっとなれり。今日は軍神橘中佐御命日にして夕食後運動班にて千々石旅行の所感を三年が述べ、其の後全員突撃兜山に登り中佐殿の軍歌を行い、暗くなり下山、二〇・〇〇より自習となる。今日は実に意義ある日なりき。食卓変更あり。大東亜戦々死者論功行賞あり、中に武山大尉なる殊勲甲の将校あり。半島人にして加藤少将の僚機とし活躍す。以て半島人の的なりと。嗚呼此の忠誠、半島も自ら同胞ならずや。良好。