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旧道倶樂部録"

nagajis不定記。
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2019-06-03 [長年日記] この日を編集

[奇妙なポテンシャル] 犬と俺

犬を俺に置き換えると奇妙なポテンシャルが発生する

画像の説明犬。

画像の説明俺。

そうなのだ、おれの落し物は持ち帰るべきなのだ、という強い決意の表れが読み取れる。犬の糞問題を我が事として考え解決しようという姿勢が美しい。世の中のすべての人が宮本武蔵の強さを持つことができたならば争いは無くなるであろうというのと同様に、人がみな糞を持ち帰る俺のような人間になれば糞問題は自ずから解決するであろう。街は永久に美しいままであることができるだろう。今すぐ皆犬になれ。三回まわってワンをやれ。


2019-06-04 [長年日記] この日を編集

[] 愛三煉瓦業組合

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00060301&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

製品市価は近時著しく昂騰せるが右は当業者数比較的少なきを以てよく一致団結力強く製品値上げ操業短縮等一致の歩調を以てなし得る関係と仲買取引は生産業者中有力なるものにて行われ絶対に純粋なる商人の手を経ざる関係にて製品の市価維持は比較的容易なるが如し

強調筆者。なるほどなあ。大阪はそういう機能がなかった>煉瓦業組合。個々が勝手に売っていて、たぶん有力な仲買業が早くから登場していたりしたから。

[] 組合定款に価格に関する記述がない理由

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00482942&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

大阪府に於ける重要物産同業組合は知事の命令で価格口銭手数料賃金などに関する定款の規定は絶対に許されない、只売薬同業組合だけがその定款中に定価販売のことを規定し若し定価以下で売るときは違約金を徴発するという罰則を設けていたがこれは衛生保健上値段を安くすると粗製濫造に流れることがあるのと印紙貼用の関係からこんな規約を許していたのであるがこれとて昨年知事の命令で削除された

守らねばならないのは組合ではなく市民の生活。

[] 大阪窯業耐火煉瓦株式会社設立

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00060708&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

最近わが国に於る製鉄製鋼並に高熱工業の躍進は目覚しいものがあるが、此時流に乗って今回耐火煉瓦製造を目的とする大阪窯業耐火煉瓦株式会社が創設された、同社は大阪窯業セメント及び大阪窯業両者の資本系統に属するものであるが、工場は全然新規に建設し差当り月産三千噸(並形百万箇)第一期工事落成の明年五月からは月産一千五百噸を目標とし引続き第二期工事に着手する予定となっている、新会社要項左の通り
事務所大阪市北区堂島浜通▲創立十一年八月一日▲資本金一百万円=第一回払込金二十五万円▲工場所在地岡山県和気郡日生町▲製品耐火煉瓦、蝋石質、シャモット質、硅石質、クローム質等▲役員取締役社長磯野良吉、専務取締役谷口徳政取締役浅田平蔵、同山田馨同高野新治郎、同橋本太郎、同永井清七、監査役白崎広文、同河村秀九

[] 競争基金計画

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00060172&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

輸出に奨励金の制度。あくまで検討段階。

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00482041&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

煉瓦合同の活動

恁る協定申合の中にも最も注目すべきは大阪窯業堺煉瓦を初め大阪附近煉瓦業者の活動にて当業者は事業界不振の為初秋来生産三分一減を協定し明年三月迄之を実行することに為り居りしが其結果近頃市場の在荷漸く減少したれば此の程千個に就き五十銭宛の値上げを実行したるに止まらず進んで此際満鮮輸出を企図すると共に関東西当業者の販路侵略策として輸移出奨励金の制度を設くべき計画あり過般第一回協議会を開き更に一両日中再会合の上何分の決定を見る筈なるが其方法は各会社より毎月生産品千個に対し三十銭宛を醵出し之が年額四万三千二百円と為る予算なれが此基金を以て満鮮輸出品に向っては千個六十銭宛の輸出奨励金を交附し尚内地向に於ても名古屋以東並に岡山以西四国九州方面への移出品に対し同じく一円宛の奨励金を交附すべしと云うに在り該案にして仮りに成立せば当該会社は販路を拡大する一面遠隔地方当業者を圧迫するの結果を免れざる可し

[] 兵庫県下の煉瓦製造@M44

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00060160&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

四十四年中に於ける県下の煉瓦及び瓦製造高は煉瓦に於て総製造個数二百八十万三千八百七十六個価格四万四千一円製造個数十七個にして之を前年に比すれば耐火煉瓦に於て漸次増加の傾向なるも普通煉瓦は四十年以来山陰線鉄道工事用材料の為め城崎郡内に其工場増加し居りたるに同鉄道の完成と倶に産額を減したれば前年に比し八万余円を減じたり
瓦は製造個数五千六百三十万六千七百四十一個其価額二万八千四百五円其工場数千四百七戸殊に淡路二郡明石郡に於ける各工場発展の結果前年に比して四万余円を増加せり

[] 播州煉瓦業組合の計画

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00745271&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

煉瓦主要物産に産業統制を行う
工業組合設立のため県吏員が工業家と懇談する

S8時点では組合がなく県当局が結成を働きかけるという内容。せやった、この頃にはまだ無かったんだ。

[] S12頃の播磨地方の活況

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00214517&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

工場が多数生まれて煉瓦製造業も活況。

[] かきにくい

元資料が「恨み節」に近いものなので読んでいて辛くなる。正しい認識に基づくものであればまだ救いがあるが、管見壟断がやたらと目についてしまい、せっかくの御説がくどい恨み節になってしまっている。故に正視に耐えられない。むかし自分が書いたもの---中途半端な理解で、自分が見知った事象の範囲を出ることのない書いたもの---も、きっとこのような内容なのだろうと思うと、なおさらいたたまれなくなるのであった。

この事例から何を学ぶか。それは多分、喪われたことについてのどうこうではなく、それより以前に何をなすべきであったか、何があれば成せたか、なんだろうと思う。土木構造物は遺産である前に土木構造物であって、市民の幸福な生活に資することを使命としているものだ、不便であるなら作り替えられなければならないものだ、ということに思い及ばないと、ただの恨み節になる。そうしてそういう恨み節はあまり意味が無い。ものが残っていず、恨みだけがただ在り続けるだけになる。恨みしか引き継げない後世の人間が不幸になるだけである。

[独言] 擬音

年を経てねうねうと鳴かなくなった猫

いまはもう電話がリンリン鳴ることもない。レンジでチンすることもできなくなった。目覚まし時計も電子音がデフォルトだろう。当たり前だと思っていたこと、当たり前だと思っていた表現が当たり前でなくなることは「お前は歳を取ったのだ」と宣告されているようで辛いけれども、その辛さは甘んじて受けるべき類のものだ。いちいち愚痴こぼしたりするべきものではない(なら書くな)。

[][橋梁] 堂島大橋のメダリオン

TUKAさんからDMで報らされた。残念ながら私も識らない。毎日に出ている白黒写真は、たぶん『大大阪橋梁選集』第一集に載っているやつで(手許に抜き刷りコピーがあるが該当写真のページはコピってなかった。ただ橋梁全景を撮ったものに該写真と同じシミのある親柱&メダリオンが写っている)、それで判別不能ならどうしようもなかろうと思う。それくらい基礎的な都市計画橋梁の写真資料。

大阪市の橋は土木部にかなり重厚な資料蓄積があったはずで、竣工時の設計図面もデータ化して保存してた筈。そんな大阪市が見つからんというからには相当難しいのではないか。絵葉書もあんまりあてにならない気がする。堂島大橋はホリプロ社長でない方の堀威夫(当時橋梁課課長)が設計したやつなのでかえって写真が残っていない。自作なので遠慮したのだろう。他の橋はずいぶんいろいろ撮ってるんだけど。

追記・『大阪都市計画事業橋梁総覧』によれば「イタリアン、ロマネスクに影響されたる近世式」の意匠。高欄材料は今村鋼器製造会社の作。ここの図面は一般側面図・平面図・横断図だけで高欄意匠の詳細はないのだね。

工事画報第4巻第2号に橋詰の写真があるが親柱小せえ。


2019-06-08 [長年日記] この日を編集

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/846220/59

仏蘭西積みに「フレミッシュ・ボンド」のルビ。

[煉瓦] 煉瓦を割る・第2回

もう少し粘土の流れがわかるものがほしい、と思い、2個めの煉瓦割に挑戦した。採取し清掃したものの刻印が不鮮明でサンプル資料にならなかった煉瓦の中に、角が大きく欠けて斑が見えているものがあったので、これを割ってみたのだ。

若干無駄に欠いてしまったところもあるがおおむね希望通りのカットを施すことに成功。そうして希望通りの斑が確認できた。写真を撮ろうとしたのだが室内灯ではうまくいかず。後日また掲げる。

この煉瓦は表裏に刻印がある。そうして粘土のながれは前回堺煉瓦とは逆になっているのが興味深い。きれいに整えられた「表」の側に斑の層ができていて、裏から表に向けて粘土を打ち込んだように見えるのだ。これは「裏から打ち込んだ」というべきものではなくて、型枠に打ち込んだあと裏返し、裏面も撫でて整形した---それが最終状態としての表になったと考えるべきだと思われる。堺煉瓦は打ち込んだ時の表を表として仕上げてある。そうしてその面に刻印が打たれている。今回割った煉瓦には表裏に刻印があり、だとすると「型枠に詰める」→「コビキで切り、撫でる」→打刻→「ひっくり返す」→「裏面を撫でて整える」→打刻、というシーケンスと考えられる。堺煉瓦は「型枠に詰める」→「コビキで切り、撫でる」→打刻、で終わっているのではないか(その後取り板に取って一次乾燥へ)。

どちらの煉瓦にも裏面の筋があることも興味深い。粘土を打ち込んだ方向とは無関係に、手抜きシーケンスの最終状態の裏面に入っているのは両者共通するわけで、だとすれば手抜きシーケンスより以降のどこかで入ったと考えるのが素直だろうと思う。


2019-06-10 [長年日記] この日を編集

[独言][煉瓦] 煉瓦を割る・その3

さらにサンプルが増えた。その2で考えたことが覆るようなことはなかった。そうして後になって機械成形煉瓦を割らなかったことを後悔している。機械で作った煉瓦の粘土のながれはどうなっているのか。それが結構重要なポイントになる。

いま頭の中で考えていることをさっさとまとめて記録にしたいのだが、過不足なく説明し記述できそうな気がしない。斧や鉈ではなくメスorカッターナイフの鋭さのことばが欲しい。雑多なものを放り込む段ボール箱ではなくきれいに整理できるファイリングノートがほしい。そうして上手く説明できたところで何かが起こる気はしない。過去の事実がひとつ明るみになるだけで、それを今に投射して今がより良くなったりはしないだろう。

現時点で確認している斑入り煉瓦は、長手や小口、平の面に平行に板状に斑が入っていることが多い。これは投入する粘土について、赤く発色する粘土(胎土)と白い斑をなす粘土(層土)が同心円状球殻状に重なっているとモデル化して考えるとわかりやすい。直方体の型枠に球殻球を押し込んだら、少なくとも型枠や作業台に接する辺りは現物のようになるはず。しかし完全な球殻球であれば上下の平に沿って層ができることになるのでちょっと違う。そうではなく、チョコチップクッキーの生地のように、クッキー生地(=胎土)にチョコレート(=層土)が塊になって入っていて、それが型枠に沿って拡がり隅々まで行き渡る際にチョコが押し延べられて層をなす感じなのだろうと思う。すごく柔らかいチョコレート。マーブルブレッドのパン生地とチョコレート層に例えたほうが合っているか。

あるいは最初に型枠の内側に函状に粘土を貼り付けておいて、最後に中央に充填するとか。層土の白が表面に現われているようなのは案外少ない。


2019-06-16 [長年日記] この日を編集

[ORJ] 発行

最後の最後で調子に乗って弁解ドビュッシー聞きながらやり始めたりしたものだからドタバタした。そのせいであるという弁解。

[独言] 蝿水と黴珈琲

ドンキで売っていたどん兵衛焼うどん担担花椒仕立を食おうと思って流しに置きっぱなしにしていたポットに水を足しぐつぐつ沸かしてさあ注いでみれば、最後の最後に「ポロン」と蝿が出てきた。もちろんすっかり茹で上がった蝿である。蝿を茹でた湯をどん兵衛に注いでしまったわけである。

一瞬どうしようかと悩んだのだが、茹で蝿だけ取り除いて、何事もなかったかのように作業を続行した。どうせ湯の大半は捨てるのだ、という判断である。大いに間違っていることは承知している。

蝿を茹でた湯であったためか、それともこのどん兵衛のアクが強すぎたのか、どうも腹が落ち着かない。痛いとか滲みるとかいうのとはちょっと違う、不整合を形にして腸に詰め込んだような違和感がある。胃はどうもないのである。まことに不思議なものである。おそらく蝿入であったことに気づいていなければこの不快感もないのではないだろうか。気づいてしまったが故の不快感なのだと思う。

かと思うと、飲み差しの缶コーヒーを口に含んだら若干の黴を口内で検出したりした。誤って少し飲み込んだようにも思われる。そうしてさらに膨満感を増す下腹部。

[独言] 書きにくかった

ほんとに書きにくかった今号の記事。妙なものを見つけてしまったものだ、転載的に記事にしてどういう効果を望もうというのか、と悩みながらちまちま書いたものだからすっかりアレな出来になってしまった。

失われたものを惜しむ側の「惜しい」の気持ちを書いた文章は、波長がぴったり合わない者にとってはかえって苦痛であったり忌避の素になったりするのだなと、読みながら思ったことだった。できるだけ冷静に、中立的に書こうとされているので、かえって行間に目が行ってしまう。文字になっていないところにどれだけ憤怒が隠されていることかと思わずにはいられない。それをフィルターで漉したのが今回の記事。

市政の側と市民との対立、食い違い、反発。法の遵守と市民感覚の尊重。なんでこんなにすれ違うのだろう。行政は行政で、おそらく、「こうにしからない」という諦めがあったろうと思う。いわゆる市民感覚とは相容れない形でしか依頼できないし回答もできない。担当は一人の人間であっても背後に市政があることを常に考えていなければならない、ある意味市政を代表する、窓口というか、多面体の一面であることを自覚して発言しなければならない。その発言を個人の感覚で行なうのは多分違う。内部でコンセンサスを取って根回しして交渉して譲歩しての末の結論が市民には降りてくる(べき)。とすれば八方美人か右顧左眄な言辞にしかならぬではないか。

市民の側は気楽である。自分の意見すなわち市民の意見である(市民を代表する意見ではないとしても)ので好き勝手言える。

互いに、思いやりが必要だな。あるいは最初から行政をあてにしないで市民だけでちゃっちゃか進めてしまうかだ。「街の遺産」にはならんかも知らんがモノはそのほうが残るかもしれん。

色々反省点はあるが、「賢くありたい」と言う下りはそれなりに過不足書くことができたと思う。普段ぼんやり思っていることを端的に言い表せたときは胸がすく思いがする。たとえその考え方が社会的に間違っているものだったとしても(てか大いに間違ってるはずなんだな)それで行く気になれる。自分で自分の手綱を引いているようなものかも知れない。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ しゃちお [私が絡んでいるSLの保存修復は行政に頼らず、まず地元の人が中心になってコトを起こす(修復する)して、綺麗にして見せたら、行政が追認的にバックアップが入った事例もあります。 それ以外にも地元の人が複..]


2019-06-17 [長年日記] この日を編集

[煉瓦] 煉瓦を割る・第3回

しつこく割っている。今回は岸和田煉瓦の機械成形。

画像の説明

画像の説明

長手の断面(A)。ほぼ中央部。予想通り小口長手に平行な筋が入っている。

画像の説明 長手1/4の断面(B)、小口の垂直断面(C)もほぼ同様。小口の水平断面(D)にも筋がないわけではないが、(A)~(C)ほど顕著ではない。粘性流体の流動を考えるとまさしくこんなかんじになるはず。

この場合、力がかかる方向は平→平の向きであり筋と平行の向きになる。だが、筋の方向すなわち力がかかる方向と考えると手成形煉瓦の端のほうに層が顕著なのと矛盾してしまう。そうでなくて流動の方向ベクトルに一致していると考えるべきと思う。粘土を叩きつけてムニューっと広がっていった時の粘土の流動方向。それをxy平面、yz平面、zx平面の成分でみてる。

これを手成形の筋の向きに還元するのである。

別の手成形岸和田煉瓦(「×」+「六」)は裏表打刻で、裏→表の方向に打ち込んである。これまでの結果を覆すものではない。

写真で見るのと実物見るのじゃ全然違うな。。。


2019-06-19 [長年日記] この日を編集

[道路元標] 稲野村道路元標

画像の説明先日伊丹のライオン屋へ行った折に旧西国街道を通ってみて、昆陽のあたりで稲野村道路元標に遭遇した。あるとわかって出掛け見つけてもあまり嬉しくないが---集めることが目的になってしまいがちだからな、沢山集めたところで意味解釈がなければ無闇矢鱈なモノ集めと変わらない---、知らずに出会うとやっぱり嬉しい。兵庫県の元標には「兵庫縣」って彫ってあったりしないのだな。

[道路元標] 別所村道路元標

画像の説明画像の説明その前は別所に行って別所村のを発見した。「別」ばかりはっきり読めるので梵字かなんかかと思った。下の方にうっすらと「道路元標」の字が読める。

同じ兵庫県内でも形状が違う。郡に設置が任されていたからか?

[奇妙なポテンシャル] 薄いお水

画像の説明

貝塚市の下水マンホール。雨水用。「う」のところだけ打ち替えた痕跡がある。何故に? と思ったら「おすい(汚水)」の「お」を書き換えて流用しているらしかった。

なるほど賢いやり方だ、と素直に感心してみた私だったが、その隣に

画像の説明

があってすべてが台無しになってしまった。

これは多分、かなりな完璧主義者の手によるものと思われる。「う|お」と「すい」の字体のバランスが揃わなくなることを危惧したのではないか。

あるいは、はじめから「おすい」「うすい」のパターンブロックがあって、鋳造するときに文字列ごと入れ替えるのかも知れぬ。いずれにしても「う|お」だけが浮く状況を避ける事ができる。

下の例では「おすい」のブロックにかかるようにライナー痕があるのが注目される。「お」の二画目のくるっとまわったところ、「す」のループの内側、そのへんによく湯が回ったものだと思う。


2019-06-21 [長年日記] この日を編集

[独言] うむ

いしづちライナーはネット予約をしておらんのか。明日はいろいろせんといかん。

ジャンクノートに囲まれて墨汁伝玄状態。なるほど定格2.5A・35Vのチップヒューズは200%5秒で死ぬのか。怖い怖い…

[独言] 考えてみたら

大台へ行った時はあのソロテン担いで行ったんだよな。行けないことはないぞ。

[独言] 背筋が凍る話

知り合いの知り合いのお子さんが、父の日のプレゼントのつもりで「カメラの洗浄」をしたのだそうだ。洗浄、といっても「流しに放り込んで洗剤かけてジャブジャブ洗う」というものだ。コンデジとフォーサーズの眼レフ+換えレンズが10数台、シンクに沈んでいる画像は、いま思い出しても背筋が凍る。悪い夢を見そうである。フェィクだといってほしい。

てか、感電しなくて良かったな・・・お子さん。

[独言] 探してばかり居る人生

必要なものが必要な時に必要に応じて在ってくれるような人生を歩んでみたかった。さぞかしサッパリスッキリな毎日であることだろうと思う。あるはずなのに見当たらないもの(ex.箸、ハサミ、ライト、前のシュラフを使っていた頃に袋にしていたコンプレッションバッグ)、あるかもしれないけどどこにあるか皆目見当がつかないもの(ex、岸和田煉瓦「標×商」)、ありそうな場所に心当たりがあるけど行く暇と金と体力がないもの(ex.土木局長達附図)、あるはずもないけどあってほしいもの(ex.1kgを切る安いソロテント、無限の体力)、あるところにはあって有り余っているのに身近にはないもの(ex.チップヒューズ、金)、みつけにくいもの(ex.かばんの中にも机の中にもない)、あるのかないのかもよくわからないもの(ex.全社的包括的な煉瓦製造手法の共通項、真理)、ういったものを探してばかりの人生を送っている。慢性的に精神飢が餓状態に陥っているかのような状況でのなかを歩いている

そんな私がそれらを得たとしても断食直後にステーキを食うような感じになってかえって体を悪くするかもしれない。

そういや富とか名誉にはならないなら翼もほしい。賛美と名声はいらない。

けれどもこの状況、能動的に何かを探すという行動?は、退屈しないことだけは確かである。全部が全部賦与される人生、受け身で生きていくしかない毎日であったとしたら、それはそれで寂しく退屈な人生であるかもしれない。探して見つかった時の喜びがあるからこそ明日も朝起きることができるのではないかしらん。

言葉を探すのも楽しいといえば楽しいが、すぐに限界に達してしまって、それ以上の探索ができなくなりがちなのがつらい。うまい言葉が見つからないことほど心を疲弊させるものはない。自分の限界をまざまざと見せつけられるようで居た堪れなくなる。

探し回って得た煉瓦のこと(モノよりもむしろ情報のほう)を早くまとめてしまわなければならないと思う。nagajisという個人には価値はないが、nagajisが得た情報には価値があると思っている。抱え込んだまま死んでは情報に申し訳が立たぬと思う。せっかく探し出したのだから大伽藍とまではいかないにしてもせめて地蔵堂くらいは建立してやりたい。その整理と結びつけにどうしてもnagajisの恣意が入るのが残念であるがこればかりはどうしようもない。ああ、誰か乙爺の昔語りを聴いて書き留めて編纂してくれるような奇特な人はあるまいか。持ちネタ全部託すのに。

他人が何を目的にして生きているのかわからない。良い暮らしをしたい、という人のいう「良い暮らし」って何だ、って思う。うまいごちそうをたらふく食べることか。無病息災で長生きすることか。贅沢な品々に、子や孫に囲まれて恙無く生きることか。どれも自分にはあまりうれしくない。それが人生の最終目的とは思われなんだ。それは個人ひとりの幸せでしかないんじゃないか。良い暮らしをした人があったというだけで何も残らない気がする。

[煉瓦] 収縮と枠サイズ

並型煉瓦の中途半端なサイズを、8寸4寸2分の型枠に詰めた粘土を焼いて収縮した結果がこのサイズになった、と想像していたのだけれど。

名称長手(mm)小口(mm)厚(mm)
並形7寸4分
(224.2mm)
3寸5分
(106.1mm)
1寸7分5厘
(53.0mm)

一般的な陶土は収縮率12~13%と聞いた。関西の煉瓦は砂やら小粒の石やらが多く含まれているのでもうちょっと焼き締まらないかもしれぬが、まあ12%と考えておこう。元の型枠のサイズは上記の数字に100/88をかければいいわけで、結果、

名称長手(mm)小口(mm)厚(mm)
並形≒8寸4分
(254.8mm)
≒4寸(120.6mm)≒2寸
(60.2mm)

となる。長手が4分も長い以外は結構いい線行っている。これが仮に8寸から焼き締まったものとするなら水平方向だけ収縮率7.5%にならないといけない。xyzのx軸だけ縮まないなんてありえるのだろうか。

粘土の分子構造はSiとOからなる4面体状ユニットが平面に連なった「4面体シート」とAl+OHの八面体ユニットの連なり「8面体シート」の2つの構造が貼り合わさったやつが水分子を挟んで重なっているような感じなんだそうだ。もし仮に長手方向に平行にこのシートが連なっていたらその方向にはほとんど焼き締まらないことになる(収縮はシート間の水が逃げて縮むことで起きる)。層と平行の方向には焼き締まらず層と垂直の方向には焼き締まる?とすると長手が焼き締まらないことを説明できるのかもしれぬ。しかしそれなら小口方向にも焼き締まらないはずで。長手の方向にはムニューっと流れるわけだけれども。ううむ。

大正14年のJESで長手小口の公差3%なのに何故厚さだけ4%なんだろう。長手小口は長いからな、長手の1%と厚さの1%は絶対値違うもんな。


2019-06-24 [長年日記] この日を編集

[煉瓦刻印] “○―”+“ロ”

画像の説明

意外と収穫の多かった一日。別件で寄った大阪城本丸で新規の刻印を採取。添字“ロ”のトメハネから丸に横一だとわかる。こういう屋号をどっかで見た気もするんだが。

画像の説明

中本では英数字刻印をひとつ採取。この、妙に洒落ぶった書体は、荷揚門下で採取した英数字刻印によく似ている。

画像の説明

大今里では岸和田煉瓦の✕ばかり使われている建物基礎に一つだけ○が混じっていた。煉瓦のサイズや仕上げの質感は岸和田✕にそっくりで、桜ノ宮駅の淀川橋梁に見られる“○”と根が同じらしい。

[煉瓦刻印] “○―”+“ロ”

画像の説明

意外と収穫の多かった一日。別件で寄った大阪城本丸で新規の刻印を採取。添字“ロ”のトメハネから丸に横一だとわかる。こういう屋号をどっかで見た気もするんだが。

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中本では英数字刻印をひとつ採取。この、妙に洒落ぶった書体は、荷揚門下で採取した英数字刻印によく似ている。

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大今里では岸和田煉瓦の✕ばかり使われている建物基礎に一つだけ○が混じっていた。煉瓦のサイズや仕上げの質感は岸和田✕にそっくりで、桜ノ宮駅の淀川橋梁に見られる“○”と根が同じらしい。


2019-06-27 [長年日記] この日を編集

[きたく] 別紙参照

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びっくりするぐらいにふつうの写真。何でここで諦めたのかさっぱりわからん。


2019-06-28 [長年日記] この日を編集

[煉瓦刻印] 讃岐煉瓦百態

さすが四国だけあって讃岐煉瓦がたくさん見つかる別子銅山。高橋氏の報文のとおりである。

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醸造所近辺でよく見かけるのがこのタイプ。大型の松葉菱の中に左書きで「サヌキ」の文字と、右書き数字が刻まれる。醸造所自体はかなり昔から稼業していたようだけれども、かの有名な煉瓦煙突など残存している煉瓦遺構は明治30年以降の築造で(だって日本煉瓦が混じってたりするもん)、その辺りに使われていたこのパターンもM30代以降のものと思われる。高橋氏の報文によれば東平の索道場(M38頃?)にもこれが多いというから、M30年代の終わり頃にはこのパターンが使われていたことは間違いない。索道場には後述「分」も使われているので、あるいは分工場稼働を機にこのパターンを始めたのかも知れぬ。 画像の説明

ちょっと面白いのは、このパターンには添字を漢字にしたものもあること。これは左書きで「六号」とある。

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数字が二桁になると「二十号」。これは左書きというより縦書きというべきかも知れない。考えてみれば社名「キヌサ」に英数字添字だと左書き右書きが混在してしまうことになってちょっと気持ち悪い。それを解決しようとするとこういうふうにならざるを得ない。しかしこれが英数字パターンより前のものとも断言できぬ。最初に掲げた刻印は「15」だし。 画像の説明

「キヌサ」パターンは刻印のエッジが明瞭なものが多い印象。おそらく煉瓦抜きした直後の全く乾いていない状態のオナマに抜き職人が打刻したものだろう。 画像の説明

左書き讃岐+「分」+英数字というパターンもある。これは讃岐煉瓦の観音寺工場製を示す刻印であるに違いない(観音寺分工場はM39操業開始。戦後に本工場を畳んでそちらが主工場になる)。醸造所近辺では「分」を見なかったが、焼鋼窯群のあたりの路傍で転石を見た。東平索道場にも所在するという。しかしそうすると索道場の完成と分工場創業年がちょっとだけ一致しない。要検討だな。ともかく、このパターンでは[キヌサ+英数字」よりもさらに左書き右書き混在が酷くなってしまっている(「分」は右から読み英数字は左から読むことになる?)。英数字添字が二桁になってしまった場合はどげなるもんかしらん。 画像の説明

その他旧別子地区には松葉菱だけのものも多い。サイズは「キヌサ」ありのものと同じ。M33再建という住友病院の基礎にこれが多い印象がある。だとするとこちらが古いものなのかも知れないが、端出場発電所水路(M44頃)にもこのサイズの松葉菱オンリーはあったっけ。 画像の説明

端出場発電所の貯水池や送水路にも讃岐煉瓦はあったけれど「キヌサ」入りは見つからなかった。ここにあるのは英数字や「●●」が入っているもの、 画像の説明

「サレ」字入り。この「サレ」は個人的には初見。ヌキンガの略のはず。似たようなものはいくつかあったが印影がはっきりしているのはこれだけだった。このサイズで「レ」がなければ下記「松葉菱+サ」になる。


画像の説明以上は別子で検出しもの。関西(府下)では松葉菱(大)オンリーや松葉菱(大)に「○特」印を添えたもの(右写真)、松葉菱(小)+英数字、そして「松葉菱+サ」をみている。

画像の説明量的には「松葉菱+サ」が一番多いと思う。JISサイズに押されたものもあるのでこのパターンが最も新しい讃岐刻印だろう。いずれも転石で検出しているので使用時期のピンに使えないのが残念だ。

遺構の正確な建造年がわかれば刻印使用時期を絞り込んでいくことが できそうな塩梅だが、醸造場のような例もあるので、そう簡単にはいかないかも知れない。


2019-06-30 [長年日記] この日を編集

[bdb] 工場所在地

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雨がどっさり降っていてどこへも行けなかったので懸案をひとつ片付ける。工場所在地を登録しそれを示す新ピンを立てるようにした。これで煉瓦移送の状況が一目でわかるように。製造元からどの程度とおくまで運ばれていったのか誰にもわかるようになった。はず。


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