nagajisの日不定記。
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またダダ長くなった・・うえに終わらねえよ。明日にはなんとかしたい。
大学時代、田舎の友人・N氏から
ボクハ オドルヨ
デカダンス
とだけ書かれた葉書が届いたことを、ふと思い出した。この頃から鍛えられていたのかも知れぬ。
そう思って例の箱を漁ってみると、確かに出てきた。この虚無い感じが何とも言えず、当時の空気がよく思い出される。
こういう、よくわからないものが詰まった箱がある。要るかも知れないがまず使うことはない、あるいは絶対要らないだろという小物を放り込んでいたもので、例えば高校時代の友人のテストの回答用紙だとか回答の褒美にA先生から貰ったお菓子の袋だとか昼弁当についてきたトキハインダストリーのシールだとかが入っている。
最も古いものは中学3年の時のもの。文化祭で掲示する学級新聞を作った時にガイチがレタリングした「せ」。うまく描けたからやる!捨てるな!と言われ、それ以来20年間保有している。思い出したら回収してくれ>ガイチ
文章を括弧で始めるとヒキになるらしいぞ。
「机の上にオタフクソースが2本あるんだ」
虚ろな目でNはいった。Nはいま、頂き物の超巨大キャベツを消費すべく、広島風お好み焼きを作って食べている最中である。そのお好み焼きは大好きなコゲをカリカリしている最中箸を折り「あ〜あ〜あ〜〜〜折〜〜れ〜〜た〜〜」と宣り温度や混雑といった抽象概念を食べて生き太陽の塔を「恥ずかしいなあ」と評したE氏の直伝だ。本物の広島風お好み焼きだ。惜しむらくは、思いつきで入れたカボチャスライスのせいで生地が破れてしまい、ただの蒸しキャベツの塊+生地断片になってしまっていることだが、惜しんだところでそれが元通りになるわけもない。
そもそも始まりが良くなかった。Nが広島風お好み焼きばかり食べ続けることになる、めくるめくお好み焼きの日々が始まる初日、NはE氏の教えに従ってオタフクソースを買ってきた。しかし、赤いキャップのお好み焼き用と間違え、黄色いキャップの焼そば用のそれを買ってしまった。何という迂闊だろうか。
さらにNは迂闊を重ねた。E氏直伝の広島風お好み焼きには焼そばを載せねばならぬ。よって焼そば麺を購入するつもりでひっつかみ、カゴに放り込んだそれは「中華麺」であった。それに気づいたのは、お好み焼きを作成する最終段階、いざ投入しようとしたその刹那のことだったのだ。
何ということだろう。これが焼そば麺であったら、オタフクの焼そばソースも浮かばれただろうに。二重の悲しみにうちひしがれたNは、遠のく意識の片隅で「同じソースだろ」と思ってしまい、それをかけて食べることにした。しかし、一口食べて幻滅した。絶命した。滅法辛いのだ。その辛さはキャベツの甘さと喧嘩する辛さだ。広島風の良さを全くスポイルする味だ。しかもそれが、ソースが尽きる数日後まで続く。Nは胸が締め付けられる思いがした。
いたたまれなくなって、Nは正しいソースを買ってきた。それが今日のことだ。
よって、目の前に2つのオタフクソースがある。
正しい広島風お好み焼きを食べながら、Nは思った。富士山に月見草が良く似合うのと同様、広島風お好み焼きにはオタフクのお好み焼きソースが良く似合う。否、オタフクのお好み焼きソースでなければならぬ。仮令それが無駄遣いになろうとも、このお好み焼きにはオタフクのお好み焼きソースでなければならぬ。重ねてそう思った。そして誓った。
二度と間違えないことを。
葉書の裏面が禿しく気になる・・・キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!キツネとクマゲラ
ただキツネが写ってるだけですよ(汗 野暮ですが「秘すれば花なり秘せずは花なるべからず」の言葉をさしあげます・・・「風姿花伝」の一節、作者は、ええっと、元野木阿弥さんです