nagajisの日不定記。
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この間大台ケ原に行ったとき、物産店前の自販機がこんなことになっていた。スカスカもいいいところだ。全部一つにまとめられるんじゃね?と思ったのだがメーカーが違うとそうもいかないのだろう(主に利潤の点で)。それに平成26年度の閉山が目前という時期だったから沢山置いていても仕方ない。来年夏はまた増えるんじゃなかろうか。
そんなことを思いながら撮ってみたのだが、あとでまた通りかかった時に観光客がゲラゲラ笑いながら撮影しまくっていた。可哀想な自販機である。
物産館も目に涙がにじむほど商品が少なかった。あまりにあんまりなので大台ケ原タオルを一枚所望した。そういえば以前買ったメモプレートはどこに仕舞っただろう? 活用することもひけらかすこともないまま部屋のどこかに埋もれている。最も可哀想なパターンである。
煉瓦の風化もここまで来ると芸術的だ。目地を挟んで細脚に削れたところとか、削り残って柄のごとくに飛び出している長手とか、無作意が人智を超えている。ひとが補った造化が再び手を下して天功と人工をアウフヘーベンしている。草生した廃墟とか錆びた鉄骨にばかり萌えている連中にはきっとわからない類いの美だろう。
それにしてもなんでこんなに風化したのだろう? 特段湿気が多いところでも寒暖差の激しい土地柄でもないのだが。窯の中の特定の位置で焼かれた一団がたまたま焼成条件が悪くて風化しやすいものになり、それがたまたま一所に使われて似たように風化したようにも見えるし、煙突に使われている煉瓦は全体的に焼きが甘いことは確かで、煙突の付け根という圧縮力を受ける場所ゆえに破壊が進んだようにも思われる。
うえのほうに見える煉瓦の長手に表面部分がちょっとだけ残っている。この層が剥がれてしまうと内部はくさくさで侵食されやすいらしい。そのうえ目地も柔らかくて侵食を妨げられなかったようだ。そういや鐘ヶ坂隧道の篠山口もずいぶん剥離していたが、あっちは目地が強かったようで網目状に凹んでいた。
「削って飲むと乳の出が良くなる」とか?