nagajisの日不定記。
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ブツ切りにされたラーマーヤナの如き気宇壮大かつ脈絡のない考察。
古来日本ではことばを書き表わすために万葉仮名が使われた。日本語の発音に借りてきた漢字を宛てて書き表わす。
夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐 夜麻碁母礼流 夜麻登斯宇流波斯
やまとは くにのまほろぱ たたなづく あをかき やまごもれる やまとしうるはし
基本的に一音一文字の対応である。地名もやはり当初は一音一文字で、たとえば「やまと」も「むさし」も3文字で書き表されていたらしい。
それが延喜式の頃に「二文字の国名嘉なり」とか何とかいう話になって、1字あるいは3字で書き表わされていた地名が2字に改められた。「大和」「武蔵」はこの頃の産である。ちなみにこの頃の何かをいう時、適当に「延喜式の頃」と言っておけばたいてい当たっている(ように見える)ので便利である。
それで日本には二文字の地名が満ち溢れた。
八色の姓だとか源平藤橘だとかの時代はさておき、今日の『姓』(苗字)の多くはその一族が住まう地の地名を名前に冠するところから始まった。よって姓には二文字のものが多い。曰く田中。曰く下村。曰く橋本。二文字で表すことが普通になってくると読みが2音×2=4となって4音の姓が増えた。明治の初めに全国民に苗字が認められると4音の苗字が爆発的に増えた。
オグシオ、とかモンハン、のような4音の略字が多いのは苗字に4音が多いからではないかと思う。略語でなくとも4音のものは通りがいい。ミクシィとかアマゾンとかトンヌラとか。
本日近くの商店街を歩いた時、たこ焼き屋のメニューに
キムタコ
というのがあるのを見つけた。
このへんのベタな訴求に対しては(奇妙なポテンシャルの考察によって)鍛えてあるので華麗にスルーできるつもりのnagajisである。とはいえ一瞥しただけでキムチが入っているタコヤキというのが−−−それ以上の説明なしに−−−一瞬で理解できるのは優れていると言えるだろう。座布団0.7枚くらいは進呈したい。
もちろんスルーして終わっていては前半の意味がない。つくづく考えた。略語というのは略すことでキャッチーになる。略語そのものが略される前の実体を上回るイメージを持つことさえある。キムタクという略称には敏感に反応するが、かといって木村拓也氏本人や彼の演じた役を思い出したりは必ずしもしないだろう。いわば略語の一人歩き状態である。
この例の場合、キムタコはキムタクという強い吸引力を持つ語の存在によってさらに印象を深めることに成功している。がしかし、裏を返せばキムタクという語のイメージに依存している、あるいはイメージに引きずられている面がある。仮にここでキムタクのない世界があったとして、そこにキムタコという語が投入された時、そんな世界の住人たるあなたはこのキムタコを買うだろうか。否である。
そうでなくても『キムタコ』を見て『キムタク』を連想する人とそうでない人がいるだろう。「よく考えたら『キムタコ』と『キムタク』って似てるよね」と思う人もいるかも知れない。両者の違いはただ1字。1字違うだけでイメージがどの程度変わるのか。あるいは変わらないのか。どこまでがキムタクでどこからがキムタコなのか。
試してみた。
キムタク度:キムタクという語を意識してしまう強度。『キムタク』=キムタク度100%
…と、50音やってみたわけだが、どうもこの例の場合は最後の2音がイメージに大きく関連しているような気がする。例えば
辺りはキムタクからの脱却に成功している。していなくはないか。あと個人的な嗜好にも激しく左右される。一種の心理学テストに使えるかも知れない。キムタ○判断。
nagajisでも試してみた。キムタクと同列にするつもりは毛頭ないが一般名詞化していない閾値の低い例として最適だろうと思う。しかし「ナガ」がどうしても「長」を連想させて「長い○○」になることが多かった。
…。だんだん違う方向へ逸れていったような気がする。少なくともナガジスはキムタクになれないことはわかった。皆様におかれましては上記の好きなものを使っていただければ幸い。
もう一つ気づいたこと。文字面だけによる印象と発音してみての印象とが大きく違う。ナガジア、ナガジイ、ナガジウ、ナガジエ、……と喋っていると違うものが連想されてくる。試してみよう。
引き続いて「エイホホー」言いたくなったら、それはnagajisの術中にはまっている。
本日の着地点:山寺の和尚さん
「自分のことは書かなくていいですから」というのは本心だったが無理な注文だったようだ。当たり前か。このアホ面および無駄な人生を見て買ってやろうと思う人が2、3人増えればそれでいい。だいたい人の人生一つ無駄にしたら出来ないことなんてないと思うんだ。目からビームを出したいとか天皇になりたいとかいうのはさておいて。ねえヒンタ。
かなりの枚数撮って下さった中からあの一瞬を見逃さなかったKさんはさすがである。1カットだけ紛れ込ませた変な顔(ほらそこ元が変な顔なんて言わないの)がめでたく掲載された。本望だ。
しっかしこの顔、何かキャプションつけたくなるよな。
「ナガジセ」…アイヌ伝統の家だが長辺:短辺が2:1くらい。
長いチセですか。<br><br>シサム(倭人)に士侍と当て字してみり(笑)。