nagajisの日不定記。
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茫としながら「やぎさんゆうびん」を口ずさんで、歌詞を間違えた。どのように間違えたかを検証し再現してみたい。
元はこうである。
しろやぎさんからお手紙ついた くろやぎさんたら読まずに食べた しかたがないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに くろやぎさんからお手紙ついた しろやぎさんたら読まずに食べた しかたがないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに
ほほえましく悩ましい歌である。互いを思いやりつつデッドロックに乗り上げてしまった山羊さん達の葛藤が、簡単な言葉のリフレインで見事に表現されている。その対称性も美しい。
しかし奇妙なポテンシャルは容赦しない。対称性の破れにこそ何かやある。
第一のミステイクはその良く似たワードのリフレインが原因している。「しろやぎ」と「くろやぎ」を取り違えてしまったのだ。色としては正反対だし記憶では「しろやぎ」が出て次に「くろやぎ」だと解っているつもりでも、茫とした頭に色彩感覚はなく、出てくる言葉は延髄反射である。入力が正しいのに出力が出鱈目という状態。
phpで書いてみよう。
<html>
<head>
<title>山羊さんゆうびん phase-1</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
</head>
<body>
<h1>山羊さんゆうびん phase-1</h1>
<p>(原曲 まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲)
<?php
#初期設定
#送信者
$sender_array =array("しろやぎ","くろやぎ");
#受信者
$receiver_array=array("くろやぎ","しろやぎ");
#記憶
$a=kioku("くろやぎ",$sender_array);
$b=kioku("しろやぎ",$receiver_array);
$c=kioku("くろやぎ",$sender_array);
$d=kioku("しろやぎ",$receiver_array);
#出力
echo <<<EOP
<p>
<blockquote>
{$a}さんからお手紙ついた<br>
{$b}さんたら読まずに食べた<br>
しかたがないのでお手紙書いた<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
<p>
<blockquote>
{$c}さんからお手紙ついた<br>
{$d}さんたら読まずに食べた<br>
しかたがないのでお手紙書いた<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
EOP;
function kioku($in1,$in2)
{ #$in1は常に無視される
return $in2[ rand(0,count($in2)-1) ];
}
?>
<p><a href="yagi_1st.php">リロード</a>
</body>
</html>
しろやぎくろやぎが逆転する程度なら問題の根は浅い。自分の書いた手紙を食べた挙げ句その内容を相手に問うような白山羊が出てくると、ちょっと考えざるを得ない。それをボケだと笑うことはたやすいが、我が行く道であるかも知れず、故に憚られてしまううえに沈考せざるを得なくなる。
次に間違えやすいポイントは山羊さん達の行動事象である。まず「読まずに食べた」という行動が非常に印象的であるため、それにつられて他のフレーズも「読まずに食べた」と言ってしまいがちのように思われる。事実そうして間違えた。そういう間違いを繰り返しているうち「お手紙ついた」「お手紙たべた」との三つ巴となってしまう。
<html>
<head>
<title>山羊さんゆうびん phase-2</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
</head>
<body>
<h1>山羊さんゆうびん phase-2</h1>
<p>(原曲 まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲)
<?php
#送信者
$sender_array =array("しろやぎ","くろやぎ");
#受信者
$receiver_array=array("くろやぎ","しろやぎ");
#事象
$phenomena_array=array("読まずに食べた","お手紙ついた","お手紙書いた");
$a=kioku("くろやぎ",$receiver_array);
$b=kioku("しろやぎ",$receiver_array);
$c=kioku("くろやぎ",$receiver_array);
$d=kioku("しろやぎ",$receiver_array);
$p1=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p2=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p3=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
$p4=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p5=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p6=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
#出力
echo <<<EOP
<p>
<blockquote>
{$a}さんから{$p1}<br>
{$b}さんたら{$p2}<br>
しかたがないので{$p3}<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
<p>
<blockquote>
{$c}さんから{$p4}<br>
{$d}さんたら{$p5}<br>
しかたがないので{$p6}<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
EOP;
function kioku($in1,$in2)
{ #$in1は常に無視される
return $in2[ rand(0,count($in2)-1) ];
}
?>
<p><a href="yagi_2nd.php">リロード</a>
</body>
</html>
もうこの時点でかなりのカオスである。しろやぎさんに手紙はつくわ、それを見ていたくろやぎさんにも手紙が届くわ、仕方がないのでまた手紙はつくわ。何度かリロードしてみてほしい。そうして沸き上がる奇妙ポテンシャルを感じてほしい。この枠のなかに世界を詰め込んでしまったのではないかとさえ思う。
こうなるともう脳内のPsスイッチが入ってしまってどうにもならない。カオスの果てを見極めたくもある。phase-3では「しろやぎ」「くろやぎ」「おてがみ」という4文字ワードが交錯する。
<html>
<head>
<title>山羊さんゆうびん phase-3</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
</head>
<body>
<h1>山羊さんゆうびん phase-3</h1>
<p>(原曲 まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲)
<?php
#四文字の罠
$four_words_array=array("しろやぎ","くろやぎ","お手紙");
#送信者
$sender_array =$four_words_array;
#受信者
$receiver_array=$four_words_array;
#事象
$phenomena_array=array(
"読まずに食べた",
kioku("お手紙", $four_words_array)."ついた",
kioku("お手紙", $four_words_array)."書いた");
$a=kioku("くろやぎ",$four_words_array);
$b=kioku("しろやぎ",$four_words_array);
$c=kioku("くろやぎ",$four_words_array);
$d=kioku("しろやぎ",$four_words_array);
$e=kioku("お手紙",$four_words_array);
$f=kioku("お手紙",$four_words_array);
$p1=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p2=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p3=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
$p4=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p5=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p6=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
#出力
echo <<<EOP
<p>
<blockquote>
{$a}さんから{$p1}<br>
{$b}さんたら{$p2}<br>
しかたがないので{$p3}<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
<p>
<blockquote>
{$c}さんから{$p4}<br>
{$d}さんたら{$p5}<br>
しかたがないので{$p6}<br>
さっきの手紙のご用事なあに
</blockquote>
EOP;
function kioku($in1,$in2)
{ #$in1は常に無視される
return $in2[ rand(0,count($in2)-1) ];
}
?>
<p><a href="yagi_3rd.php">リロード</a>
</body>
</html>
これを最初にプレビューした時の2番が素晴らしかった。
しろやぎさんから読まずに食べた お手紙さんたら読まずに食べた しかたがないので読まずに食べた さっきの手紙のご用事なあに
起承転結の起だけを読むと何が何だかわからないが、承を読むことで「食べた」の主語が手紙であることがわかる。そう、しろやぎさんは手紙に食べられたのだ。その理由を述べつつ淡々と事実を述べる転。無機質にリフレインされる「読まずに食べた」の7文字が重い。そうして手紙はとぼけるのだ。ご用事なあに、と。次の獲物−−−恐らくくろやぎさん−−−−に対してニヤリと笑いかける手紙の犬歯が見えるようでもある。
最終的に、こうなった。
<html>
<head>
<title>山羊さんゆうびん phase-4</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8">
</head>
<body>
<h1>山羊さんゆうびん phase-4</h1>
<p>(原曲 まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲)
<?php
#四文字の罠
$four_words_array=array("しろやぎ","くろやぎ","お手紙","ご用事");
#送信者
$sender_array =$four_words_array;
#受信者
$receiver_array=$four_words_array;
#事象
$phenomena_array=array(
"読まずに食べた",
kioku("お手紙", $four_words_array)."ついた",
kioku("お手紙", $four_words_array)."書いた");
#記憶
$a=kioku("くろやぎ",$four_words_array);
$b=kioku("しろやぎ",$four_words_array);
$c=kioku("くろやぎ",$four_words_array);
$d=kioku("しろやぎ",$four_words_array);
$e=kioku("手紙の",$four_words_array);
$f=kioku("ご用事",$four_words_array);
$g=kioku("手紙の",$four_words_array);
$h=kioku("ご用事",$four_words_array);
$p1=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p2=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p3=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
$p4=kioku("お手紙ついた",$phenomena_array);
$p5=kioku("読まずに食べた",$phenomena_array);
$p6=kioku("お手紙書いた",$phenomena_array);
#出力
echo <<<EOP
<p>
<blockquote>
{$a}さんから{$p1}<br>
{$b}さんたら{$p2}<br>
しかたがないので{$p3}<br>
さっきの{$e}{$f}なあに
</blockquote>
<p>
<blockquote>
{$c}さんから{$p4}<br>
{$d}さんたら{$p5}<br>
しかたがないので{$p6}<br>
さっきの{$g}{$h}なあに
</blockquote>
EOP;
function kioku($in1,$in2)
{ #$in1は常に無視される
return $in2[ rand(0,count($in2)-1) ];
}
?>
<p><a href="yagi_4th.php">リロード</a>
</body>
</html>
部録"史上最高のカオスに笑い転げました!
ついに出ましたか、郵便推奨歌
phase-4の破壊力にメロメロです(笑)<br>何度やっても山羊が主語にならない…ついには頭のほうがヘンになってきて、山羊の本来の使い道が思い出せなくなってしまいました
大笑いです。<br>やぎさんが食べられることは無いんですね。
1回リロードしたらなんか哲学的なのが出た...<br><br>山羊さんゆうびん phase-2<br><br>くろやぎさんからお手紙ついた<br>くろやぎさんたらお手紙ついた<br>しかたがないのでお手紙ついた<br>さっきの手紙のご用事なあに <br><br>くろやぎさんから読まずに食べた<br>くろやぎさんたら読まずに食べた<br>しかたがないので読まずに食べた<br>さっきの手紙のご用事なあに