nagajisの日不定記。
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いやーん♥
といった時の♥の扱いが気にくわない。なぜこの記号だけ 特別扱いなのか。
記号(シンボル)には多種多様なものがあって、たとえばトランプ記号には♠♣♦♥の4つがあることなどは周知の通りである。そのなかで♥だけが頻りに使われいろいろなものの隠喩暗喩としてちやほやされている現状に納得いかない。もっと云えば世の中には♥ばかりが溢れている。それでいいのだろうか。何もみんなで手をつないでゴールしろだのということを云うつもりはないが、これだけ特別扱いされているに疑問を呈したいのである。
法政大学出版局の「石垣」を読んで思うところあり、柱本の手堀隧道へ行ってきた。先日といっても少々前のことになる。そのうち報告書に反映するか。
隧道は内部崩落のため通行禁止。密かに心配していた舗装化の件も全然進行していないようだ。今後どのような措置が取られるのだろう。
ずいぶん大きい&クリティカルな崩落。もともと隧道は地山を掘り越し過ぎたらしく、石巻のうえにかなり大量の石を詰めているのだが、その上の岩盤がごっそりと崩落して隧道巻きの途切れた所から雪崩落ちている。芳しくない落ち方だ。崩壊が進めば石巻ヴォールトに偏った圧がかかることになる(今でも相当偏っているはず)。そう長くないのかも知れぬ。
そもそもこの隧道の地山はほぼ全面が堆積岩で、掘りやすいには掘りやすいのだろうけれど、その後がどうにも良くない。ギシギシに詰まった石片を掘抜いたようなもので、壁や天井のあちこちで薄く剥がれた岩盤が落下の機会を窺っている。ちょっとの振動で2、3片は軽く落ちて来るだろう。ここの危険は本物の危険である。
ポータルの石組みの見事さは何度見ても見飽きない。今回は一つ面白い細工を見つけた。細川側の石の角が一つ、重みで欠けているように見えるのだが、そうではなくて最初から、詰め物をする如くにして小石を挟んである。水をはかすためにわざと隙間を開けたのか、それとも積む段階になって欠けているのに気づいたのか。
もう一つ、ヴォールトの積み方が常でないことに気づいた。石巻きでも通常は煉瓦の長手積みのごとくにして互い違いに組み合わせて積むものだと思っていたが、そうではなく、一重のアーチの列を複数並べているに過ぎない。原理的には大変弱い構造のはずだが工作のしやすさからいえばこちらのほうが上だろう。工法の新旧をつけるなら間違いなく旧工法といえるものだと思う。因にアーチは荒い切石の整層積みということになるが側壁に相当する部分は乱層切石積みである。細川口は起拱線が肩の高さの辺りにあり、実質的なアーチはごくわずかである。
参考P。田舎にある藤の木橋という石橋。長手を横に取って布積みに積んである。上から落とし込む形で積んでいける石橋はこの積み方でも困難はないだろう。隧道のように石を横から押し込んでいかねばならない場合は、長手を横にするのは作業効率の点で劣る。柱本隧道のアーチもかなり苦労した痕跡がある(最後の一石がひどく薄かったり)が、それでも面をそれなりに合わせて細工してあるのは、よほどの上手が関わったものと見える。この面の合わせ具合をじっくり追っていけば、巻きが外から内へなされたのか、それとも逆だったのか、わかりそうな気がする。近代的な隧道建設では外→内が普通だった。
隧道内に落書きがあったので蹴り崩しておいた。前回はなかったはずだ。こういう馬鹿が来るからネットにあげるのをためらわれるけれども、一列複数巻きの意味がわからないため誰とはなしに問うてみるため載っけておく。この隧道の存在価値および「身の危険」がわからないやつは廃隧道に来るな。といつになく攻撃的なnagajisであった。まる。nagajisだって判ってるか知らんものな。