nagajisの日不定記。
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TUKAさんに突っ込まれた件は書いた本人も気になっていたところなので京都府立総合資料館へ行って原典に当たってみることにした。今は名前と場所が改まって京都学・歴彩館とかいうものになっている。
さいきん喋ることが少なくなったせいでnagajis語が他の人に伝わらない。窓口の人に公文書のこれこれを読みたいと伝えたのに図書しか検索してくれぬ。引用本の引用を見せてやっと公文書と理解してもらう。隣の窓口へ行ったら今度は古文書担当さんが来て「ああこれ公文書ね、他の係につなぎます」といって待たされる。それほど言葉が通じないのかと気が滅入るばかりだ。
該文書はほんとうの意味での原典ではなくて、売間九兵衛が府に提出した願書を書き写したものだった。故に原典から1クッション置いたところにあるうえに担当者が相当なクセジュ、もとい癖字である。読めそうで読めない走り書き、例えていうならアジ歴の由良要塞関連のアレくらいある。それでもアレで鍛えられたせいか結構読めてしまい我ながら驚嘆した。
肝心の「三十五間」のところ、現場では「三十五尺」と読み、なんだ11.6mの掘り下げならあり得るな、と納得したのだけれども、撮影した画像を帰りの電車のなかで確認し、くずし字サイトで裏付けしているうちに「間」なのだと思い直させられた。ないわけではない略し方なのだ。実際の地形も、10m程度の掘り下げでは劫も役に立たない。
「順上ニ仕掛ケ」の後2文字に苦労する。発破、だったらずいぶん様相が変わってくるし、何だろうこれ、と最後まで悩んだが、何の事はない一文字目はその直前に出て来る「コットイ谷」の「谷」であった。+1文字であり得そうなのといえば「崩」しかねえ。児玉せんせえのくずし字解読辞典にもないくずし方だが省略すならそうなるだろう。
結局のところ、この文書からは「コットイ谷の水を頂上に仕掛けて谷崩して流砂を以て絶頂上より三十五間切下げること」と「その土砂を水力で海岸に押し流す」ことが読み取れた。図でもついておれば良かったのだがそこまで親切ではなかった。コットイ谷ってどこだろう。
この写し、後半になるほど略がはげしくなっていて担当者がだんだん疲れていっているのが読める。そのせいか売間九兵衛の住所がおかしい。与謝郡第一組波路村でなければならないはずなのに与謝郡第一組波町になってる。順上も頂上でないと意味が通じない(順当に上からという意味かも知れぬが)。
そうそう、担当者さんが親切に教えて下さったによれば、該綴は「文223882」であるそうだ。
2枚めの発起人売間九兵衛の間がソレだ。