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2011-04-23 [長年日記]

[KINIAS] 見学会・総会・講演会・研究発表会了

やっと一息つける...

画像の説明見学会は尼崎.最初は阪神電車の発電所.明治末に作られた煉瓦造の建物.いまはその隣の施設に役目を譲って空っぽの状態.よく焼かれた真っ赤な煉瓦が印象的.

画像の説明駅前を東へ行って,かつての小学校前を通り,尼崎城の本丸があった辺りへ.元女学校だった建物はいまは尼崎市の文化財の収蔵庫になっている.この中でお話をきいた.

京阪神の工業地帯の要のひとつだった尼崎市は全国に先駆けて産業遺産の保存活用を検討したところだ.1986年だったかに産業遺産(当時は産業記念物という呼び名)の保存活用に関するシンポジウムを開いたりしてる.しかし入れ替わり立ち代わりが激しい工業地帯であったゆえに群として残っていない.尼崎の象徴だった火力発電所もすべて取り壊し撤去になっている.臨海部の工業地帯は早くから緑化を手掛けたけれども,それがかえってテクノスケープ的景観でなくなる結果となり,いまの時流にも乗れていない.云々という話.なかなか上手くいかないものだ.

画像の説明もと技術室だった部屋に発電所のタービンの一部が保存されている.第二火力発電所の第二タービンの高圧タービン部分.重さ6tもあるデカブツだ.タービンの羽根はふつうの羽根だと思っていたのだがそうではなかった.脈動タービンと呼ばれる(だったっけ?)断面が^の字になったもの.尼崎火力発電所は戦前最大の火力発電所で,一基で7万kw/hの発電力があった(数値うろおぼえ).

画像の説明この向かいにあるのが旧尼崎警察署の建物.芦屋の警察署と同じ置塩章の設計で,こちらのほうが古い.建物は阪神大震災で被害を受けて以降あまり積極的な保存はなされていないけれども,倒壊しない程度に補修が加えられ,市民グループの活動の場になっているそうだ.

画像の説明地下には留置房なんかが当時に近い状態で残っている.独房の壁には放りこまれた囚人の落書きがいっぱい・・・.いついつ入ったとか,女性の名前とか,カレンダーとか・・・.出られる日を一日ずつ消してった跡があって生々しかった.

その後あましんの博物館で解散.午後から中小企業センターで総会・講演会・研究発表会.総会は特に何もなく穏便に終わってほっとした.講演会では尼崎の産業遺産の歴史を.最初に紡績業が起こり,続いて重工業が起こりという流れは日本の近代化の縮図といってよい.前述のような産業遺産調査も早い段階に始まった.おそらく日本で最も早い事例.しかしその後が続かなかった・・・.残念な話だ.確かに難しいところはある.活用の難しさ,展示場所の確保(収蔵庫も最近やっと広い場所が確保できてタービンの展示なんかもできるようになった),現業との兼ね合いetc.etc.単に「いいものだ…(遠い目)」では済まない現実的な問題があることを再認識させられた.


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