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旧道倶樂部録"

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2014-06-30 [長年日記]

[煉瓦] 日本職業大系. 第4 工業篇

職業紹介事業協会編、昭和11~13頃発行。凡例に次のようにある。

一、本書の資料は専任の職業調査員が各職業の実際につき一々現場視察を試みた上叙述したものであるが、編纂後に於て実際経営者の校閲を経たる等内容の各自を期した。
一、本書は専ら叙述の統一と簡潔とを期し、各職業につき概説、仕事の実際及適性、勤務状況、修業年限及養成方法、収入及昇進方法、採用方法、福利施設等各項目につき夫々内容の解説を加えた。
一,各種職業中の所属する産業が比較的東京以外の地方に於て旺なるものに就ては其の地方の情勢に基きこれを記述し其の項の末尾に調査地名を附した。


 二.煉瓦製造

普通煉瓦製造業

(略)

 普通煉瓦は耐火煉瓦の白色に反し赤褐色を呈する故,通常赤煉瓦と称せられ近年は用途も狭くなり、ボイラーに用いられるのが最も多く、次いで建築の基礎工事或は竈、風呂等の築造に使用され、之を主材料とした建築物は時代遅れとなり、且つ一丈以上積むことは禁止されている。
 等級は焼成後の色合によりて次の如く分かたれる。

上焼 一等品甲 同乙 二等品甲 同乙
普通 一等品甲 同乙 二等品甲 同乙

 原料は粘土に砂を混入し手に握り玉になる位の土を二・一の割で混合し、成形後輪窯又は登窯と称する窯で焼成したもので、各製造業者は臨時製造し直営の販売部を設け、大口需要の購買者と直接取引し、或は石材、セメント、砂利、陶管等の問屋を経て一般に売買される。取引は一万個を単位として居る。製造業者数は甚だ少数にして、現在関東地方では月産七十万個乃至百万個の会社が東京府内一社、埼玉県三社あり、其等の製品にて東京の需要は殆ど充されている。尚昔日の手抜法による家内手工業者は近年の不況と機械製造とに圧迫されて自滅した。
 主産地は岡山県、福岡県、大阪府、兵庫県、福島県等で、生産額は昭和五年に一億五千六百万個、金額二百七十万円余である。
 我が国の煉瓦製造業は開始当時より諸産業の発展につれ順調な発達を遂げ、欧州戦争中は特に旺盛を極め、技術も先進諸国に匹敵するに至り、産額も耐火煉瓦は大正八年五百八十万円、十二年六百万円、昭和元年、三年共に七百万円であり、普通煉瓦も大正八年には実に一千五百万円に達したのである。然るに昭和三年頃から深刻な財界不況に災され、耐火煉瓦製造業も打撃を蒙り、昭和四年六百万円、五年五百万円と減少した。是は原料、工賃の値下りもあろうが最も大切な需要先である製鉄、製鋼、セメントを筆頭に造船、電気の諸工業が限産に限産を重ねたことによるのが大なる原因と認められる。
 又普通煉瓦に至っては大正十二年の関東大地震の際に、建築工事の不完全の点にもよるが、煉瓦建築物の倒壊するもの多く、我が国の如き地震国にありては煉瓦は建築材料としては不適当であると見られ、一丈以上に積むことさえ法令を以て禁止され、震災後鉄筋コンクリートの大建築物が続々建てられるのも此の間の消息を物語るものであって、現在では普通煉瓦はセメント或いは近年素晴らしく発展振りを示して来たタイル、テラコッタに全く置き代えられた状態である。産額も昭和元年五百三十万円、二年四百五十万円、三年三百五十万円となり五年の二百七十万円に至っては大正八七年の一千五百万円に比べて驚くべき減少である。市価も大正八年ころは東京市内の相場は上物一万個六百円であったのが現在は二百円或はそれ以下に下落し、一時は普通煉瓦の製造は不可能と迄云われたのである。併し昭和八年頃から政府のインフレ政策或はぎんじ工業の影響を受け変態的とは云え諸工業は活況を呈ずる様になり製造業者も一息入れたと云う状態である。
 斯く年々需要の減少惹いては価格の下落を来す普通煉瓦は、各地方に散財する小規模の家内手工業者の手に委ね大規模の工場はタイル、テラコッタの製造に転換せんとする傾向にある。併し耐火煉瓦は諸工業の運転中は需要の消滅の考えられないが此のままでは大発展も望めない。進んで適当な原料を探索し、国内市場のみでなく広く世界に市場を開拓するのが唯一の発展策であろう。

仕事の実際及適性 家内手工業による小規模工場は地方に分散し、地方的小口需要に応ずるのみで、全体的に見て需要の大部分は大規模の工場製品である。普通煉瓦の製造順序は左の通りである。
 先ず原料工により採掘地より粘土並に砂土を採掘し、トロッコにて工場内に運び、粘土は適度に粉砕し、石或は藁等の夾雑物を除き、粘土二、砂土一の割合でエレベーターにて土練機に送る。土練機では各原料を粉砕し、混合して是に適当な量の水を注入し、練合して一定の量ずつ成形機に供給するので動力により運転される。成形機は機械力で混合され圧縮された原料が高三寸二、三分、幅七尺位の長方形の型より長く連ねて押出すのである。切断工はこれを鋼鉄線三本を二寸間に緊張した手動式切断機にて切断するので、同時に煉瓦の形をしたものが三宛出来る。是をトロッコにて仕上工の所に運んで行く。
 仕上工は多く女工で切断されたものは殆ど煉瓦の形をなすが、各面殊に切断面の各角は粗雑になっているのを、木の台の上で一個ずつ木板で叩き、角を正角にし各面を平滑ならしめる。作業場は窯の上(冬期)又は露天である。次は乾燥であるが我が国の如く湿気多き土地では製造業者の最も苦心するところで各工場により設備が異なる。仕上工の手を経た生地煉瓦は、乾燥工により地上に三尺位に積重ねられるが冬季は凍結する恐れあるため、工場により一時窯の上に造った二階乾燥室にて乾燥してから地上或は平屋建の棚に並べて乾燥させる。此の外に露天算木組乾燥場、露天棚間相場を設備する工場もある。所要日数は夏季で二週間冬では三週間を要するのである。適度に乾燥されると次は釜積工により釜積みされる。煉瓦焼成に使用する窯は現今我が国では種々あるも、要するに登窯と輪窯で、輪窯とは凡そ十七、八個乃至二十個の窯が連結し、楕円形に築造されたもので一窯分の室内は高さ十尺位、幅十二、三尺、長さ十八、九尺位で約一万五千個の煉瓦が積まれる。出入口は外側に煙道は内側の下部に、一室につき小円形の焚口が五個ずつ六列あり、普通三個ずつ十八個の焚口より粉炭を投入して焼成し、一時に三、四個の室を使用する。尚使用する窯と使用せざる窯との間には新聞紙を張りて遮断する。
 乾燥し終えた白地煉瓦は全部に熱が平均してゆき渡る様に井桁に積み重ね、その際、平滑な面を二個合せるのであるが積方は相当技術を要する。窯積みが終ると内側の煙道を開け、出入口を閉し、焼成工が粉炭を上部の焚口より投じ点火し、焼成中時々適当に炭を加え、火色により煉瓦の縮み工合を考慮しなければならぬ。所要時間約二十四時間にして、焼成後一週間位放置して自然に冷却するのを待つ。次は冷却した煉瓦を選別場に運ぶ。選別工は瑕〔王+菫〕の多少、有無或は色合により前記の各等級に分つので、これには一定の標準によるから女子又は少年工を使用する。
 作業の性質としては焼成が最も難かしく、次いで釜積は技術を要し其他は比較的易い。各種の作業は多く男子の成年工で立業であるも、仕上工は腰掛業で女工を使用し、選別工には少年工或は女工を使用する。作業場の環境は概して良好である。
 職業的適性としては健康、力量は普通或はそれ以上、手工による作業が多いから器用な者が望ましい。又一般知能は相当優れた者がよい。

勤務状況 勤務時間は季節により異なり、夏は午前五時半頃から午後二時頃迄、冬季は午前七時から午後四時迄である。休憩時間は九時より十五分、正午より三十分、合計一日一時間である。定休日は動力を使用するから毎月第一、第三日曜の二回制が行われている。斯業は季節的に仕事の繁閑の差甚だしく夏は最も忙しく、冬は反対に閑になる。二、三年前頃の不況には冬季は休業した工場が多かった。其の他の季節は原料から製品までに三十日余の日数を要し、相当ストックの必要から仕事は平均している。従業員は全部通勤制である。

修業年限及要成方法 斯業では各工程が甚だ易しいから、従業員の要請にも年季、従弟制等によらない。十七、八歳頃からなら見習期間は一年位である。〔ただし〕、焼成工のみは一人前となるには少くとも五年位を要す。
 見習として採用されるのは十七八歳以上、徴兵検査頃の者であるから、見習中は雑用で機械に油を差したり、工場の敷地が広いからトロッコを各所に敷設せられ、之を押したり或は各工程の熟練工の助手をしたり、此の期間約一年位である。見習が終ると、初めは簡単な仕事例えば原料工となり一人前の給料を受け、慣れるに従い順次他の工程にも従事する。多少経験を要するのは窯積みであるが、是とて特に見習期間を要する訳ではなく、採用後四年位で焼成以外の工程は殆んど熟練工となる。焼成工のみは火の色により火力の強弱、煉瓦の縮工合を考えて炭の量を加減するから難かしく、専門工につき助手を五年位は務めなければ一人前になれない。

収入及昇進の状況 従業員の工賃は一種の出来高払で、各工程とも煉瓦一千五百個を扱って一人分の工賃を支給される制度である。故に切断工は一日千五百個を切断して一人分を受くるのである。一人分の金額は昨今不況のため安くなり、凡そ一円見当である。焼成工のみ工賃は二割乃至五割高である。見習中は日給五十銭位で、女工は日給四十銭乃至五十銭である。技術を習得しても従業員には独立の可能性は全然ない。その理由は地方へでも出て、手抜法による小規模の家内手工業であれば多少の可能性も考えられるが、これでも敷地、工場設備等に相当の金額を要し、又大規模会社の機械による安価の製品で余っている時代には尚更である。故に引続き勤務するのである。

採用方法 従業員を採用するには見習工でも一人前の職工でも殆ど縁故関係者からの紹介か、現に使用して居る従業員の紹介とかによるものを採用して居る。従って其方法も至極簡単で面談のみによって決定する。男子と共に女子も採用し、教育程度は小学校卒業で十分であり、年齢も十七、八歳以上である。見習従業員は経験を要せず試験等もない。

福利施設 定休日は月二回で、教育、修養、体育、娯楽等に関しては何等の施設も設備もない。従業員の仕事中の負傷に対しては規定の扶助方法があり、その他はすべて工場法の規定によって居る。

読み込むといろんな示唆を受ける。機械切断のオナマを叩いて撫でて平らにするのがいつのまにか普通になっている( 明治37年「煉瓦要説」のときは機械整形のシワシワが接着力を増すと考えられていた)。話は関東地方の煉瓦工場での話だが、大阪窯業の機械式の写真とまったく同じだ製法だから大阪窯業も同じ工程を踏んでいたものと想像される(そもそも機械整形痕のある大阪窯業煉瓦は数少ない)。

本日のツッコミ(全9件) [ツッコミを入れる]
_ あきら@大阪 (2014-06-05 21:20)

日付に突っ込んだら負けですか?

_ 読者 (2014-06-18 14:13)

業務連絡(?)なんですが www.the-orj.orgにアクセスしようとすると<br>503 Service Temporarily Unavailable になってしまいます。<br>何かお心当たりがあれば...

_ おこぜ (2014-06-18 17:20)

昨日からORJサーバーダウンしてまそ(ぜ)

_ nagajis (2014-06-19 03:22)

あひゃー申し訳ありません.17日早朝にサーバのメンテナンスがあって,その影響であちこちエラー出てました.修正をして6/19 AM3:00には購入まで可能を確認しました.一旦これで辛抱したってください.<br>(と過去から通信します)

_ みつ (2014-06-19 17:41)

課金はされるがDLできない状態になってます。シクシク

_ nagajis (2014-06-19 18:27)

ごめんなさい・・昼間の修正がうまくいってなかったです。<br>現在は大丈夫のはず、、、

_ みつ (2014-06-19 18:39)

素早い対応、ありがとうございます。 無事にDLできました!

_ おこぜ (2014-06-26 15:12)

例えばORJページ左ペインの「震災復興支援特集」や「隧」や「アンケート結果」,また,ORJ本体の記事の感想欄の「公式サイトアンケート」ボタンをクリックすると,<br><br>【ファイルの最初に%PDF-がありません。<br>Local\EWH-●●●】<br><br>のコメントが出てリンク先に移動出来ませんが,これはこれで良しとしておいた方が良いのでしょうか?

_ nagajis (2014-06-26 21:02)

うわーすみません。アンケートページもおかしかったですか。コメントがちゃんとメールで転送されてきていたので大丈夫だと思ってました。<br>ORJ BEST、アンケ、50号記念記事修正しています・・・


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