nagajisの日不定記。
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あきら氏も以前言っていたように思うが,仕事中はいろいろとアイデアが出てきて「帰ったらこれやろう!」と思うのだけど,いざ帰ってみると疲労してたり別のことをやってしまったりしてしまって,昼間の「やろう!」がどこかへ行ってしまう.今日のように終電を乗り過ごしてしまったりすると特に.
そういう日が何日か続くと,本当に何もする気が起こらなくなってしまって,進行上も精神衛生上もヨロシクない.せめて部録"だけでも続けるようにしよう.
以前から暇を見つけて作っていたpdfがある.写真と簡単な文章を組み合わせて「画文集」みたようなものが作れないかと思っていたもの.作業が停滞する時はこれを書いたり消したりして気分転換していたが,いつまでも完成しそうにないし,完成するとも思えない.んなもんに時間をかけるなと怒られそうなので,いい加減でupする.内容に深い意味はない.
deflagmentation
もまたこういう時の気分転換になる.工事画報昭和5年6月号より.
理想的な馬のホテル
馬のホテルは大阪に於いても目下着工中であるが、神戸市では一足先に竣工することになつた。即ち同ホテルは神戸市磯上通一丁目に建設されたものであつて近く營業を開始することとなつた因みに右ホテルは鐵筋コンクリート造二階立で、延坪四百坪、收容馬は全部で百五十二頭を容れる事が出來る筈で、室内設備は馬ホテルには贅澤過ぎる程完備し換氣採光馬糞の搬出、尿の淨化裝置等極めて住みよく且衞生的に設備が完備し全く人が羨む程の堂々たるものである。
繁華な市街に馬のためのホテルが,しかも非常に立派(らしい)ものが作られる辺りの時代感覚が何とも理解し難し.その一方でこのタイムスにはm当たりの工費では戦前最高という愛宕山隧道が開通間近であることを伝える報も載っている.自分が認識している「昔」と「今」の境目がこのへんにありそうな気がする.愛宕山隧道は今回の「廃道を読む」でも言及したい.
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-06/06-06-1260.pdf
以上を書き終えて,次のねた探しをしているうちに,ぜひとも引用したい一文を見つけた.画報昭和七年六月号・「編輯だより」より.「日本の廃道」編集部の思いもまさにこの通りだ.
今年もこれで上半期を終りました。思ふことのならぬ間に,歳月だけはいささかの遲滯もなく,驚く可き精確さを以て,ぐんぐん過ぎ去つてしまゐます。
工事畫報が社會的に與えられてゐる使命を缺けなく完きものたらしめたいと努めて來た私どもではあるが,この半歳には大いに嘆ぜねばならぬものあるを覺えます。つねに緊張した態度で事に當り,爲さねばならぬだけを凡てしたつもりでゐても、結果は何時も及ばないこと甚だしいのです。しかしこれがまた、人の世のさだめなのであらふ、缺けなく完きものは、神による外望むべくもないことなのですから。
× けれども私どもは、諦めたり、悲觀したりなどしない。ただ力一ぱいの前進があるだけです。それは私どもに與えられた働きの分野が限りないからです。凡ての人間、いや心ある一切の存在に對して、これを見よ! と工事畫報をかざすことの出來る日まで、努めます。それを見て、誰一人不滿がなく、心からこれを受け容れることが出來るやうになつたら、私どもの希望は成就されるのです。それまでは倦まず努めるばかりです。
希くは私どもの意圖を諒とされ、今後一層の御支援を賜はらんことを。
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/08-06/08-06-1657.pdf