nagajisの日不定記。
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点呼後より眼の廻る忙しさ。〇八・三〇まで洗濯ばかり行う。昨夜の中に浴桶にて消毒したるものにて之の水洗いも行う。一〇・三〇より兵器・靴・水筒・飯盒の検査行われ以後整理、午後は一四・〇〇に乾物全部入る。休養。手紙・整理に費す。今日は一日中予定通り行われ、区別明に為し得たり。此くの如き日こそ大切なれ、十一月より消燈二二・〇〇、起床〇六・〇〇になる。今日は二一・〇〇就寝す。
軍需省・農商省運輸通信省が十一月より出来、鉄道省・農林省・商工省は廃止され、東條首相は軍需大臣を兼ねられ陸相と共に三相となられたり。偉大なる哉東條さん、現在日本の中心人物たり。躍進日本。大学生は修学停止となり。今各地にて徴兵検査行われつゝあり。理科系の者は卒業まで入隊延期さる。航空操縦見習に行けば良かったと悔いおるものと思う。来年は増すならん。
明治節 〇九・〇〇より大講堂にて式典とり行わせられたり。小学生時代の如く楽しく晴々しいという感じもせざりき。此の快晴の暖かき日に、日中室内にて汗かくが如し。臨時外出し〇五・五〇起床し黒石原へ志水・門松・脇と出て〇八・〇〇帰校す。学校にくすぶるよりもどん〱出て行くべきなり。昨夜一九・〇〇より三人金峯山に行ける剛毅なる者もあるなり。外出時には必ず脚絆を巻く如く新師団長閣下に依り定められたり。町田生徒監殿御注意=機密に接るる事は言わず書かず、特に厳重なり。
午前中整理・学習、午後集会所に遊べり。惟うに今日は遊び過ぎたり。野営前の気分になれず要領を得ず。自習は可なりき。体をこわさず元気にやることこそ最も忠にして孝なりと感じたり。良好。
久し振りに学科行われたり。幾何は地理に変更になる。訓話は戦陣訓、柔道、愛校作業にて終日頗る愉快に過すことを得たり。所感なし。良好なり。
昨日海兵・海機・海経・陸士・陸経の発表ありたるはずなるも音沙汰なし。
野営より帰りて全く寒さを感ぜず。修身は 軍人勅諭(其の三)にして下座の行・敬上恵下につき得たり。作文の終りに香川教官殿御話「一生懸命に物事を行うのが修養する上で最も大切なり(禅によるところ大)。宗教に於て仏教・キリスト教等といろ〱あって其は別世界に仏なり阿弥陀なりがいて云々されると信じてこそ此が固く人心に思われ、信じられてる。故に此の心を宗教とは異るも世界人類の全部が 天皇に帰一し奉り絶対とならざるべからず。其の心即ち宗教を信ずる心で是を信ずる如くならねばならん」。以上二つは絶対に間違いないと信じたからとて申されたり。宜なる哉。予の常の考うる所に全く同一なり。誕生日会にして津下教官殿の広幼見学について御話あり。他山の石。午後は一四・二〇より行われ九九軽機特別分解あり。運動なし。切磋会。今日も亦精神的に有意義なりし日というべし。
大東亜会議東京に於て行わるゝ予定
日本 東條首相〔〕鉛筆で「島田海相、重光外相/青木大東亜相 等も、」
中華民国 旺首席
満洲 張国務総理
タイ ワンワイ〔鉛筆で「タヤコン」追記〕殿下
フィリッピン ラウレル大統領
ビルマ バーモ〔鉛筆で「ー」追記〕長官
印度 スバス=チャンドラ=ボース
実にそう〱〔赤字で漢字に、但し[金偏+将 々]〕たる連中が一時に集るなり。嗚呼此の大東亜!!真に胸の高鳴るを覚ゆるなり。良好なり。〔欄外赤「天下の盛事也」〕
夜中に雨降りたる模様にて朝より特に蒸し暑かりき。学科は相当に充実したり。就中研究熱が萌し始めしを喜ぶなり。体操・銃剣術ついで田村と柔道に行けり。夕は三年中期になり初めて文庫に行き、「世界最終戦論」を熟読したり。日本勝たざるべからず。日本は勝つなりと信じるなり。
◎大本営発表大戦果
十月三十一日よりソロモン海域ブーゲンビル島沖にて三日間死闘が続けられたり。撃沈破巡洋艦 九 駆逐艦 五 其の他にして計五十八なり。
撃墜機十機
我方は駆一沈没巡一破損十五機未帰還の損害あり。
尚ビスマーク諸島ニューブリテンのラバウル(方面司令部ありて南洋・比島ののど首なり)に、二百数十機来り、二百一機撃墜す。地上・海上よりの高射砲に依るもの七十五機にしてその優秀を示す。我方十五機損害なり。
尚百三十機にて来りし敵機の中三十五機おとす。
実に近日稀なる戦果なるも此も我方が近例に見ざる優勢なりし故なり。愈々決戦に突入す。やるぞ。良好。
朝早くより銃声あり。之は市内学生の連合演習にして〇九・〇〇より本校々庭にて閲兵分列行なわれたり。学生・生徒の緊張振りは大したものにして我らも其以上の努力・鍛錬を必要と肝銘するなり。両手軍刀術を久方にてなし大部疲労の早く出るを悲しむ。午前中学習し、午後は遊びたり。平常通りの日課行なわれたり。即ち二二・〇〇消燈なり。良好。
◎大本営発表海軍大戦果
ブーゲンビル島沖航空戦(十一月五日)
轟沈 大型航空母艦 一隻
撃沈 航空母艦 一〃
大型巡洋艦 二隻
巡洋艦(又は大型駆逐艦) 二隻
索敵機が空母に巡四駆六よりなるのが北上するを見とめ基地に打電、雷撃機十四索敵機四計十八機にて夜間に之を攻撃、我方未帰還三機という大戦果なり。頭の下る思いなり。
〇六・〇〇起床。大詔奉戴日にして〇七・四〇より大講堂にて式行わる。教育総監閣下の巡視〔赤線〕あり。土曜日の三・四時限の授業のみあり。二訓は一〇・三〇より柔道十分間、前例になき敢闘振りなりき。ついで閣下訓示あり。「日本人は精神力を以て敵機械科学兵器にあたる。体当りの戦法、米人は唯日本兵の死を怖れず来るがこわしと。ガダルカナル・アッツ・小田准尉の例。和寇の意気。元寇にあたりての力。須くかくあれと」会食。十三・〇〇見送り。以上なり。之にて予等は四度其の御巡視に会う。之が最後ならんと、十分その意気を示したり。
訓話と身体検査。体重が五六・五になれる外同なり。柔道。随意運動がなか〱自由にならず、其の己性を発揮出来ず残念なり。九月の始に言われた通りやられんことを望むものなり。今日は雨にて陰鬱にして且つ寒くなりぬ。良好なり。
今日も一日中薄暗き雨の日にして進んで物事をやる気になれず消極的なりき。教練は来週水曜の実包射撃に備えて射撃予行演習なりき。音楽、剣術、腕力も生じ剣も従って早くなりぬ。良好。
佐中陸士二二 海兵二一 海経一 計四四
鹿一中 六五・都城中五四・鹿二中四九・済々黌四八・熊中四〇・出水中二七・宮崎中二五 等にして見るに海兵は陸士の二倍近くありたり。
急に寒くなりたり。国漢乙・地理の考査あり。滑空訓練にて今日にて三回乗れり。一・七米滑空す。スーッという音、乗りごこちは実に良好。操縦桿を少し動かすことに依り速力の関係上その上昇下降の激しきを体得。下手な動かし方は禁物なりと感じたり。体操不振。佐中・鹿中・唐中・武中・伊万里高女(片山のお父さん)其の他の先生が視察に来られ面会す。陸海軍合格者名を聞く。同級生より角田一人、桑原と共に陸士なりと。
◎ブーゲンビル沖第二次航空戦
轟沈 大型巡洋艦 二隻
撃沈 戦艦 四隻
駆逐艦 三隻
輸送船 四隻〔以上に「敵のなやみ 1.艦船を上げられぬこと 2.兵員の甚大損失〕
撃(大)破 大型巡洋艦 六隻
巡洋艦 四隻〔以上に「炎上」〕
輸送船 一隻〔←追記〕
撃墜機 十五機
我方損害 未還機 二十機
○一昨日発表のもの
(陸軍)六十八機墜し七機未帰還
(海軍)八十四(一三四キの中)〃 四〃
我が前途実に壮なりものあり。良好。
今日はやゝのんびりし過ぎたり。午後防空演習にて退避動作を主眼に実施、緑弾(ガス)使用。都城の聯隊長田尻大佐殿(本校十一期)御来校になられ伝統を維持せよとの話あり。今日より随意運動は各個となりぬ。遇数日に延灯の許可を受けたり。別に所感なし。今当に肥ゆる候なり。食べて鍛えよ。畑の大根・菜は十分成長したり。良好
〇四・〇〇 寒くて小便に起く、以後眠ること能わず。日中も多くなりて困るなり。作文にて香川教官殿曰く「今が丁度幼年生活の半分なりとの気分にて上官方に悪い評判等の起らぬ様とかく面白くない話題が卒業近くに生ずるものなり。」と。有終の美とは今からのことなりき。十七時夕食、十九・三〇点呼、二二・〇〇消燈。良好。
終日花房飛行場見学、大刀洗飛行学校分校にして甲種幹候の操縦見学がいたり。電車にて至り渋谷少尉殿に以後導かれぬ。先ず〇九・〇〇ー一〇・〇〇滑空訓練、一一・〇〇まで寝取と取締上・下番は初練により滑走、予等は飛行服を着たり。中々温かく立派にして可なり。午後特殊飛行(隊長殿)・編隊飛行・対地攻撃を一時間、後飛行機の種類・性能につき一時間半あり。一五・三〇辞す、航空に関し得るも別に血沸かず肉躍らず。二年は甲佐に一年は阿蘇山に行けり。
訓育班会にて生徒監殿・下士官殿と共に楽しく行えり。昔話に花が咲く。
剣術をなすも足のみ暖まらず。昨日零下三度にて今日も亦其におとらず。多田さん宅訪問、大矢野原へ行かれ不在なる故十四時まで遊び買物をして帰校す。一五・三五なりき。以後明日の兵器検査の準備に費やせり。日曜の使い方可なりと思えり。良好。
◎ブーゲンビル島沖第三次航空戦
轟沈 巡洋艦 一隻
戦艦(中破) 一隻
航母(小破) 二隻
大巡(大破) 一隻
巡洋艦(大破)三隻
撃墜機 約七十四機(含ラバウル)
我方 駆一沈没巡一小破 四十機自爆未帰還
兵器検査の為昨夜は二二・〇〇消灯し、今朝は〇五・〇〇に起き配列を行えり。水曜と火曜四時限目の授業行われたり。午後は雨中連続駈歩三十分及び銃剣術。眼悪化し再びパチ〱なれり。故に志気上らず。加うるに雨の為面白からざる日なりき。良好。
◎ブーゲンビル島沖第四次航空戦
撃沈 大型巡洋艦 一隻轟沈
巡洋艦 一隻〃
駆逐艦 一隻
撃破 戦艦 一隻大破
中型航母 一隻大破
我方未帰還 二機
○ニューギニヤにて陸軍は敵百七十四機をおとし我方十五機損失
第二回米洲との交換船帝亜丸横浜入港す。チリー公使以下千五百名帰国
父の命日なり。実包射撃第三習会を行う。今日のは反動の力大なりき。総点甲、引き続いて監的掛となり初めて壕内にて音を聞き愉快なりき。約三時間雨降りて困る。片方にては高工の生徒が射撃をなしいたり。一七・〇〇帰校。之にて幼年学校に於ける射撃終了す。一通り勤務し概略の要領を会得せり。所感別になし。良好。
午後愛校作業。台上の服装検査場の整備なりき。温かき日にして動作活発たり。点呼室内になりぬ。又、ブーゲンビルにて航空戦ありて大戦果を得たる模様なり。皆小躍りして喜びぬ。良好。
北風吹き始め冬の観なりき。化学考査あり。午後は字号修技と兵器(小銃)の分解・組立・手入法なりき。数ヶ月振りにモールスを行い技量低下を認む。良好。
◎ブーゲンビル島沖第五次航空戦
轟沈 大型航空母艦 一隻
撃沈 中型航空母艦 二隻
巡洋艦 三隻
軍艦(艦型未詳)一隻
我方損害 未帰還 五機
是は敵がラヴァウルを攻撃せんと出撃し来れるものにして兵員の増援の目的に非ず。
松浦の命日にして切磋会行わる。早や八ヶ月は経たり。未だに嘘〔原文人偏〕の気持すれ。
日中は温なるも朝夕は相当に冷え愈々熊本特有の気候とはなりぬ。午後は教練にて八景水谷にて地形地物の利用・突撃(含手榴弾)行われたり。運動班運動は球戦・棒倒しにて大いに暴れ愉快なりき。今日の自習時間頗る利用不良にて能率上らず。良好。
今日は誠に忙しく何事も他になすことを得ず。午後に至り雨となり工作が変更されて大掃除と検査あり。終りて町田生徒監殿曰く「今後は悲観せずに卒業までしっかりやれ。自分は明日から三週間不在をする。帰りし時は笑わざる如くせよ」と。即ち是は我等にとりては最後の御教訓になるかも知れざるなり。必ず合格の意気にて陸大専科第二次試験の為に東京に出張さるるものなり。専科は柚木崎・浜崎生徒監殿と御三人本科は入江生徒監殿御一人なるべし。共に入校命ぜられん事を祈るなり。然して最後に我等に対し一々別れの敬礼をせられたり。胸にピンと来るものありき。我等一致団結し以てその御不在間を過さん。生徒監殿はおそくまで諸々と後仕末をなされ学校を後にされたり。品田・上田・志摩等と金峯山登山の準備まで行うも烈しき雨の為に中止す。
我日本軍人の非人間的精神力→一機をも大切とする時ラバウルに還りし機急に墜落す。後頭部を銃で打たれ弾未だある傷にて必ず死ぬものなるも克く機の大切なるを感じ此まで操縦し来れるものにて編隊解散着陸の時に気が安んじ死したるものなり。
良好なり。
起床直後点呼行わずして第三運動班として剣術を行えり。約一時間にして成果大なり。起床後行うと寒を知らざるなり。外出せずして午前中二時間、午後一時間学習をなす。十三時二十五分より大講堂にて映画あり。約二時間半。「鉄道輸送力につきて文化映画」「朝日ニュース=ホーネット号撃沈の模様(昨年十月南太平洋海戦に於て沈めしものにて米航空母艦なり。)敵側撮影」「世界に告ぐ=独逸映画にて英の南阿連邦を作るまでの残酷な非人道的なることを示す宣伝なり」英国の無道に憤慨す。畜生と思いたり。良好なり。
霜柱一・五糎あり。長崎中学より数名生徒見学あり。国乙・国甲・代数考査あり。体操は野外縦断競争あり。実に愉快なり。球戦を運動時に行えり。四運動班は金峰山登山の為一八・三〇出発す。高橋忠昭のお父さんが昨日諫早の自宅にてなくならられ長崎の病院にてなくなられ至急帰宅したり。あの時の彼の悲壮なる顔は今尚忘れ得じ。我としても同情の念に堪えず。良好なり。
新嘗祭の佳日にてめづらしく終日休業。第一番に剣術に行けり。四班は今朝三時半にかえり十時まで就寝しいたり。服検後学習一〇・四五母より電報来る「一一カミクマツク」と。依って自転車にて行く、一五分にして駅まで行けり。間に合えり。共に多田さん宅へ行く。久保少佐殿宅・八板少佐殿宅をついで訪問方々にて佐倉其の他の昔話に花を咲かせ、再び多田さん宅へ行き夕食を馳走になり又昔話なりき。
母は多田さん宅に一泊明日帰佐する予定。予は二〇・〇〇別をつげ二〇分帰校す。勉強の事が気にかゝりて一刻も早く帰り度かりき。今日亦忘れ得ざる日なり。良好。
◎ギルバード諸島方面海軍戦果
轟沈 中型航母 一隻
駆逐艦 一隻
撃破 大型航母 二隻大破(中一隻は沈没の算大なり)
中型航母 一隻大破(右に同)
戦艦(巡洋艦)一隻大破炎上
輸送船 一隻大破炎上
撃墜 百二十五機
我方十五機未帰還なり。
風少なく温かき終日なりき。代数三学班極めて悪しとて御注意あり。午後は八景水谷にて分隊教練あり。剣術はだいたい軌道に乗る。
四十五期の卒業一ヶ月程早くなる予定なりと校長閣下より伝えらる。我等いざなさんと心に深く〱決するものあり。時局を思いやるべし。良好。
体操は久方振りに徒手なりき。柔道は試合にて三原を締めて勝ち藤島に抑えられぬ。序列八位。夕食後校長閣下話あり「日曜は二週に一ぺんとし学術科を行う。すると一ヶ月早くなって十日程やらないことになり大体学科は自信あるも術科と皆の意気につき心配なり。昼の時間を極力利用すべし。やるべき事はやるべし」と。別に感ずるところなし。良好。
起床後朝食までは昨日の校長閣下の言に従って勉強を行わず他の事に力をそゝぐ事となる。内務なり。午後の随意が隙になれリ。物理考査。修身は性神の道なり。香川教官殿御話
1.校長閣下の「士風」につき
国体観念の徹底
死生観の確立―責任観念旺盛なるぎ〔べ?〕し。
2.先ず体を大切に。やせ我慢の使い所。
3.汝は神国に生を稟〔享〕けた神の子なりと自覚せよ。
滑空訓練は今日にて四回乗れり。〇・二米にて落着き生ず。即ち方向舵・補助翼・昇降舵の用法が一通りわかり今日出来たり。一人二分で出来るまで。夕食後校長閣下御話あり。細かい点まで十分とやる事。切迫せる感を持ち真にやるべしとの念に燃ゆ。良好なり。
校長閣下御自ら冷水磨擦の要領を御示しになられたり。何事も率先率範とは此の事なり。幾何考査あり。独乙語はユダヤ問題なりき。銃剣術は校長閣下の御指導。。作業はガス・防毒面しての射撃なりき。目が悪く困る。良好。
平常通り午前のみ服務し火曜の授業行われたり。平日の気分にて静々と受けられたり。之も心中に自覚あればこその事と思う。内が外より大切なる適切なる例なり。午後休養にて三時間半集会所に遊べり。何となく近日腹が落ち着けるが如く悠々となり過ぎたる傾向あり。今日等雨の如き天気にて暖く見学参観人校長閣下を陣頭とし非常に一致し良好なり。是の持続発展が必要なり。健康状態良好なり。高橋帰校す。
志水敬之の次兄英之風位殿(広幼四〇き)は先般ニューギニヤの空に散るを今日知れり。寝台学友にかゝる事ありとは。一週間も不明なりしを不思議となす。彼の昨夜の寝言にて之を知る。
取締は流石に忙し。午後は工作なるも風烈しきを以て一時間にて中止し七時間目は剣術試合(六人にてリーグ戦)。予序列二訓の上より六位なるに驚けり。即ち美作・志摩・藤島・川野・志水・予なり。川野と志水に二勝のみなり。第四位。未だ〱技小さく間合が狭くなる。演練すべし。卒業が早くなり予定を行うべく猛勉強中なり。良好。
〔欄外「田中真美が突然来たり。完全に癒えたり。」〕
早や十一月おも終らんとす。今日二・五糎余の霜柱を見たり。剣術は頗る調子良し然し余りもまれたる為腹痛となり次の体操は休みたり。随意運動は校長閣下御指導の下に素振要領につき三年全員御指導あり。体操に非ず。腰を下して大技をやれ。元気に活動中。学ぶに勝る面白味なし。良好。
◎海軍戦果
○二十五日 大型航母大破(沈没算大)(潜水艦攻撃なり)
○二十六日 ギルバード諸島沖第二次航空戦〔赤線〕
航母二隻轟撃沈
我方一き未きかん
○二十七日 ギルバード諸島沖第三次航空戦〔赤線〕
航母二隻撃沈
巡洋艦二隻〃
巡又は戦かん一隻大破
我方五機未帰還
ギルバード諸島中タラク島・マキン島では激戦中なり。