nagajisの日不定記。
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Comm(ノーパソ)に続きPrecision(デスクトップ)も起動せず。。。。。mac以外全滅。
HDDは生きているたぶん。BIOSが狂ってる。ブートターゲットを選択できず例えばFDDから起動してどうこうとかCD起動とかさえもできぬ。Windowsが使えないのはともかくBeが使えないのは致命的だ。
おまけにCommのほうも外付けCDがUSBなのでリカバリするための特殊なフロッピーを造らなければならず、そのためには98で動いていないとダメらしいことが判明(2000にあっぷぐれーどしちゃってるよとほほ)。何らかのOSを入れるには別のマシンが必要であり。そうして今すぐ動くものもなし。
修理する金もないぜ!!! orz
腐っている訳にもいかないので何か書いて気を紛らす。ミシシッピ川に架かる橋が落下して騒ぎになっている件について。
ニワカ橋マニアとしても興味のある事件。今だ行方不明者の捜索が行なわれていて原因究明はまだまだ先の話のようだ。日本語のニュースを見ても「古いトラス橋」程度の情報しかなく、何故落ちたのかよくわからない。
先日から「minnesota bridge structure」で検索するとJohn Weeks氏のページ”The Bridges And Structures Of The Major Rivers Of Minneapolis And St. Paul”(ミネアポリスとセントポールの著明河川に架かる橋とその構造)がヒットするようになった。落下する前の同橋(橋自体に名前がなく、高速道路名I-35WをとってI-35W bridgeと呼んでいるらしい)の写真もある。
形式がちょっと興味をひいた。下曲弦の3連連続トラス。日本ではあまり見られないタイプで、少なくとも戦前の橋では存在しない。写真から構造を推測して書くとこんな感じになる(比率とかは適当。左右はもっと長いかも知れない。全長1,907フィート、最大スパン458フィート)。
補鋼入りワーレントラスで下弦がアーチ状になっている。一瞬アーチに見えるがあくまでもトラスの連続体。アーチ弦に相当する部材が特に太かったりはしないし何よりライズがほとんどない。non-redundant(非冗長)な構造と言われる所以はこの辺にあるようだ。
支点が8カ所(片側4カ所)あって、中央の径間は細いピラーの上に置かれローラー支承で支えられている(橋のたもとは不明。どちらとも固定ヒンジか片側だけローラーだろう)。鋼材は熱でわずかに伸び縮みするから、こうした可動式の支承を置いてひずみが生じないようにすることが多い。リンク先ではこの支承が大変錆びていることを指摘している。ローラー支障が機能しなくなったために部材に応力がかかったのではないかと。案外この支障が折れたんじゃないだろうかとも思ってみる。大きさの割にはこの細い支承4カ所で支えてるんだから、ものすごい力がかかっていたはず。
当然ながらYoutubeにも動画がupされてる。何でこんな風景を撮ってたのかと思うような監視カメラ映像(アメリカってそこここにあるんかなあ、こんなのが)。手前が南側、向こうが北側で、北側ピアの真上が割けるような格好で南側が落下する(ピアから1、2番目の下弦材が座屈しているのも見える)。その後北側の陸橋になった部分が折れるようにして落下。中央径間の落下にピアごと引きづられて裂けたような感じだ。
日本でこの形式が少ないのは何でだろう? よくあるのはトラスではなくアーチにしてしまってスパンドレルブレースドにしたタイプ。深い谷をこれでひとまたぎする。もしくはさらにリブを補強して、栃木の晩翠橋みたようなブレースドリブタイドアーチに。高速道路のような高規格道路はRC技術が発展した後だったのでほとんどRC橋なんではなかったか。いずれにしても単純トラスとして設計されたのはほとんどないように思う。あったとしても梁川橋のようなタイコ型?の曲弦トラスだし(これはこれでまた不思議な選択だが)。
やっぱり地震国だけあって、変位には気を使ったのかも知れない。そういえばI-35W橋をひっくり返せばランガートラスに似たシェイプになる。決定的に違うのは橋を分割しヒンジを入れて不当沈下に対応している点だ。ランガー桁なら変位が起きてもある程度は吸収する。ひずみがたまって一気に破断・崩落するということもない(多分)。