nagajisの日不定記。
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昨晩報告を書いたあと全く眠れなくなり、かといって文書を書くほど頭が冴えないので、ダウンロードページ作成ツールを改良した。恩恵を受けるのは全くnagajis一人だけなので申し訳ないのだが、これ以上ないという位に徹底的に改良することに成功した。
いちばん大きいのはDLページのindex.php、表示させるメーッセージの差し換え機能。お知らせ表示方法を変えるとなると過去号全部を差し換えなければならないわけだが、そうするといちいちFTP接続してディレクトリたどってUPして戻ってしなければならず、これが結構面倒だ。なのでスクリプトで一発コピーできるようにした。これで緊急時にも速攻で対応できる。
かなり負荷をかけていたはずのMD5作成もスマートなものに。実は毎書き込みごとにサム作成してた。慌てて突っ込んだからなー前回。
ダウンロードページの基礎データからアンケート基礎データを作成することにも成功。ただしモジュール版phpなので100%自動化とはいかない。作っておいてDLしてUPし直して、みたいなことをしなければならない。それでも発行前の貴重な時間が30分から1時間位は節約できることだろう。
プチ濃の初校up。マジ書き地図まで終わらせる。デザインがいまいちなので何とかしないと。特に章扉。
奇妙なポテンシャルについての考察というよりも青春時代の追憶といったほうがいい。かつて大阪にはメタル食品のインドカレーというカレーメーカー及びブランドが存在した。食品メーカーの名前とは思えないようなメーカー名ではあるが大阪にお住まいの諸兄にはよく知られた名前であろうと思われる。事実メタル食品はカレールー製造の濫觴でありその前身となる企業は大正年間に創業したという話も聞き及んでいる。ともかくもそのカレールーメーカーのルーにまつわる話をしたい。
私とメタル食品のカレーとの出会いははかれこれ12年も前に遡る。私が2回生の時の新歓ラン、多田のダイエーでの買い出しにおいて何気なく手にしたのがその始まりであった。いわゆる新人歓迎サイクリングの、その日の夕食のための買い出しであって、まあこの新歓ランの異常な夕食についても激しく書き及びたいところではあるのだが、かなり煩雑になるため今回は割愛する。ともかくこの日は誰言うともなくカレーを作ることになって、いつのまにか買い出し担当になってしまった私は、カレーコーナーに居並ぶ有象無象のカレーの中から、メタル食品のインドカレーを選んでしまったのだった。
パッケージは大変シンプルであった。茶色と白のストライプの箱に、カレーの写真と、ひときわ太い黄色のゴシック体で「インドカレー」。これだけだ。たった41文字、約物込み46文字で描写し尽くせてしまえる、そんなパッケージ。購買意欲なり食欲なりをそそるようなデザインでは決してない。(これが当時のパッケージのはず。ネットの力侮り難し)
にもかかわらず、私はこのカレールーに引き付けられた。うまそうとか価格が安いとかいう低次元かつ原始的な共鳴によるものではない。そのパッケージに「何かが足りない」ことが気になって仕方なかったのだ。
「デザインはいかに無駄を削り落とすかだ」と誰かに教わったように思うのだが、そうやって削り落とされた結果の、完成型としての簡素なデザインパッケージだとは到底思えなかった。むしろそれが明後日の方向へ迷走していて、何かを足さなければ商品デザインとして成立し得ないのではないかと思わせるような、別の言葉で言い表わせば「隙」のようなものがこのカレールーのパッケージにはある。駝足(ダソク)だからといって駝鳥から足を取ってしまったようなもので、確かにそれは駝鳥には違いないのだろうが、そうだと認めさせる大事な何かが欠けているような気がする。
しかも嫌らしいことに、その隙を埋める「何か」がすぐにはわからない。何かを付け加えなければ落ち着かないのは解っているのだが、その加えるべき何かとは何か、が浮かんで来ないのだ。この箱をデザインしたデザイナー氏もその「何か」がわからず途中で放棄してしまったのではないかと思わせるほどに「『何か』が足りない」。ロシア語で言う所のчтоを見つけるか、それとも1から作り直すか、そんな二者択一を見る者に迫るパッケージ。
一体何が足りないのだろう。一班の夕食賄いという大儀を忘れ、私は考え続けた。気がついた時には私はそのルーを手にしてしげしげと眺めていた。あとで思い返せばこれほど尋常ならざる商品は世の中に存在しないだろうと思う。何しろ彼は「買ってくれ」とは一言も言っていないに関わらず、私はそれを手にしてしまったのだから。
そこへたまたま、主将のイワッキー氏が通りかかった。冷静にして頭脳明晰、しかも洒落が解る男。故にわが部の主将たり得たのであろうと思うが、それはともかく彼もまた、このカレールーに興味を示したようだった。そうしてパッケージを一瞥し、悔しいかな、その明晰なる頭脳をもってして一発でその「何か」を言い当ててしまったのだった。
「なあんか足りんと思ったらインド人の顔がないんや」
(続く)