nagajisの日不定記。
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滋賀県で見つけた橋梁3題。一つ目は高島市(旧安曇川町)の金丸橋。プラットトラスの手本のような鋼トラス2連。一見して古いトラス橋だとわかるのだけれども、親柱も銘版もなく、竣工年が不明だった(旧橋の親柱らしいものが一つ転がっていただけ)。帰って橋梁史年表で調べると1930(昭和5)竣工とのことだ。
門構の隅の仕上げが独特。この設えは湖北の福橋、川合橋と一緒だ。
こちらが福橋。高時川架設のRC桁+プラットトラス3連。2005年に撮った時はずいぶんさびていた。金丸橋は結構よく手入れされていて、昭和63年に旧橋化したとはいえ、まだまだ持ちそうな感じだった。
2つ目は安曇川の本流にかかる安曇川大橋。銘板で昭和8年竣工と知る(親柱には平成3年竣工とある)。曲弦のワーレントラス2連。こちらは「滋賀県土木百年年表」にも記録があって山本広次設計となっている。接続する陸橋・安曇川小橋はアーチ風の複連RC桁橋だったが、これも当時からそうだったようだ。
「日本の近代土木遺産」「滋賀県の近代化遺産調査報告書」には非掲載。近代化遺産調査の一次調査のリストには入っている。県下に残る戦前の鋼橋としては大形なほう。
轢かれそうになりながら撮影した橋梁銘板。昭和八年、汽車製造株式会社製作。路線としては県道大津今津線になるはずなので、昭和6年の「六六計画」によるものと思われる。次の水路橋工事もその絡みか。
最後に家棟川水路橋。「滋賀県土木百年年表」に写真があったやつだ。県道木戸・小松道路改良工事とだけしか書かれてなかったので場所がわからなかったが、かつての西近江路、大正県道大津今津線、要するに現県道161号の北小松の辺りだった。
水路橋以前のようす。天井川を越えていく道を写したもので、写真左端に「陸閘」と書かれている。いざという時に道路を塞ぐ閘門のようなものがあったらしい。現地にはこの写真と同じようにして越えていく道が残っていて、それだと気づかずに通り抜けてしまった。いかにも天井川らしい風化花崗岩の白砂利の目立つ道だった。もっと撮ってくるべきだったな……小雨が降っていて自在に撮ることができなかった。
竣工直後の水路橋。前掲の写真とは写した方向が逆のようだ。
改良工事は昭和11年7月1日から始まって昭和12年9月30日竣工となっている。橋梁工事は請負、他は滋賀県直営事業。