nagajisの日不定記。
本日のアクセス数:0|昨日のアクセス数:0
ad
新聞のバックナンバーを探していたらこんな記事を発見.メモメモ.
『竹筋コンクリート』の実験
国鉄が全国専門家の知慧集む国鉄技術の水準向上を図るため鉄道省では先般工務、建設両局の技術会を打って一丸とした鉄道省土木技術会を創設、その第一回協議会を来る二十五、六両日午前十時から鉄道省大会議室で開くことになった当日研究発表される九件のうち最も注目されているのは次の三項目で国鉄ではこれら研究発表のうち可能なものからどんどん実際に使用して行こうとまで意気込んでいる
◇その一つは竹筋コンクリート研究で時節柄鉄の使用制限が非常に強化されている今日、鉄筋の代りに竹を代用しようというものである
所が竹は耐久力から見て鉄とは問題にならないほど弱い、竹をセメントと一緒にかためる時には竹が水分を吸って膨張し、いよいよかたまってしまった時には収縮してセメントと竹がしっくりくっつかない、その上セメントはアルカリ性なので竹をそのまま用いると腐ってくるという二つの欠点があり、これを補い竹の特長を生かすためには水の浸入しない、アルカリに腐食されない特殊の塗料を発見するため名鉄ならびに大鉄では線路の下水蓋、用地杭、棚垣、フォームの擁壁等々に竹筋コンクリートを用いて種々研究を重ねて来たがその実験報告が今回もたらされるのである
(以下略:出典・朝日新聞1941.2.19.朝刊7面)
…と引用したところで大鉄ノットイコール大阪電気軌道でないことに気づいたorz.大鉄は大井川鉄道なんだよ>nagajis
そう言われると,名古屋は盛んに竹筋を使ったところだという印象がある.水分橋の橋脚も一部は竹筋だったし(『道路』),竹筋をモニュメント展示しているところもあったはず.
橋下市長が他の施設に転用したがっている?という件を追いかけてみてますますわかんなくなってしまった.橋下市長は図書館でなくしたいと言っているらしい.松井知事もそれに同意したということになってる.けれども府教育委員会は...ああそうか,図書館やめないとは言ってないのな.
わからんでもない.中央図書館にいて中之島の資料がヒットしたり(しかもそんな時はたいてい日曜日で,中之島は休みだったりする),その逆だったり.どちらか一方に集まっていれば便利だろうと思ったことはある.けれどもあの時代遅れな空間が居心地良かったりもする.図書館でなくなったら寂しい思いをするだろう.
橋下市長は徹底的に合理的なんだなと思う.不便だから便利にする.収益のない図書館より美術館とかにしたほうが儲かる(現府庁移転して美術館に,って言ってたのは松井知事だっけ?橋下ったんだったっけ?).不便だけど居心地がいいとか月曜開いてて重宝するとか,どこかに瑕疵のあるような理由で存続を認めるようなことはしないのだと思う.それだけ徹底的にやってるから,色々問題も起こす一方,改革が進捗してるように見える.そこまでしないと大阪市ヤバイということでもあるのだろう.
近代建築・近代化遺産・産業遺産をどう残すかという問題の一側面.古いものを古いまま使い続けることは,それを使う人にとっては負担だ.誰だって子供の頃着ていた服をちんちくりんになっても着続けていたいとは思わない.宍粟の千年家だってあの家に住み続けろというのは酷で,住人の方は隣に建つ普通の住宅で暮らしてはった.家の形をしてはいるが家としては機能していない家だ.その論点で続ければ,図書館を図書館以外に使うこともまた可ということになる.旧銀行の建物をショップ団地?として使ったり,火力発電所の建屋を倉庫として使うのと代わりない.問題は少なからぬ数の人があの図書館を利用していて,無くなると困るということ「だけ」なんだよな.
ただ、合理化も過ぎれば、それ自体が不合理になったり、破綻の原因にもなってしまいますよね。合理性を追求したら其処に住まう人々の精神や健康を害した初期モダニズム建築とか、不合理性を徹底的に排除した筈の旧日本陸軍それ自体が不合理の塊に落ちてしまったり・・・。<br> 建物の用途変更は今までの用途が無用になったから行うのであって、少なからずの利用者(=利益を受けてる人々)がいる建物を用途変更するというのはなかなか難しいのでは。まぁ建物そのものは再活用するらしいので、御堂筋に面した旧市庁舎を一顧だにせず解体した(コンクリートの劣化が理由の一つでしたが実際は劣化どころか大変頑丈だったそうで・・・)かつての大阪市よりはましでしょうか?<br>
私も感情的にはそのまま残してほしい派です。ああいう贅沢な図書館がひとつくらいあってもいいだろうと。ただ大阪市民でも頻繁に使う利用者でもないので結論は大阪市民の民意にお任せしておきます。<br><br>##情報メールありがとうございました