nagajisの日不定記。
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隣のアパートの人が特殊清掃のお世話になったようで、家の前の通路にそれらしいトラックが停まっていた。運び出されるゴミ袋の山を見て自分もいつかああなるのだろうなと思った。
時折出会うことがあって、会えば会釈をする程度の縁はあった。白髪混じりに髭茫々、クタクタのクタになった服をいつも着ていて、初めて見かけた時には軒下自由人かと思ったほどだった(今考えてみれはひどく失礼なことだな)。オランジーナが出初めた頃、アパート前の自販機でよくそれを買って飲んではった。そうしてとぼとぼと自分の部屋に帰っていくのを何度も見た。最近見かけないのはその人に会うような時間帯に自分が留守するようになったからだと思っていたのだが、どうもそうではなかったようだ。
かの人が何を思いつつ事切れはったのか、想像するための必要最低限の情報も持ち合わせていない私だが、自分の行く末を重ねてみることがよくあったので−−− そうならないように注意したいというのではなく、ああなるまでに何ができるだろうかと考えることがあったから、人事のようには思われない。さて、どうしようか。
それにしても、人の命の軽いこと、軽いこと。タモリが笑っていいとも修了とかAKBのなんとかがどうだとかいうニュースの陰で、というよりそのニュースの陰になることもなくひっそりと孤独死があった。そのことやその人の存在そのものに気づいていたのはごく一部の人間だけだ。そして世間は何事もなく新年度に突入した。あの人は消費税増税も今年の桜の満開も知らずに逝ってしまったのだなと思ってみたりもした。