nagajisの日不定記。
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中部煉瓦工場表を作成してはみたものの感動がない。な・ぜ・だ。関西版や中国四国版よりもはるかに苦労した気分なのだがそれを補って余りある達成感を感じていたりはしないし世の役に立つ気もしない。
理由はいろいろあると思う。
・土地勘がない地域ゆえ感情移入しづらい。あのへんとかこのへんとかいう感覚がないまま作っているから本当にデータの羅列という感じ。実際に煉瓦刻印を目にしていたら随分違うだろうと思うけれども未見のものばかりだし。
・実は「日本煉瓦史」で歴史がかなり詳細にわかっている(特に明治初期の工場)。愛岐トンネルさんの調査もあるし。
・屋号が判明したものがずいぶんあるが、それが刻印として使われたかどうか定かでない。岡田煉瓦が○平でありながらヒノマル型の刻印を使ってたりする。○平の印母が残っていたりするのにね(「岡田煉瓦100年史」)。
てなわけで、不完全であることがうすうすわかっておるから手放しで喜べないのだろう。まあ仕方ない、これが限界。これを携えて西尾市街とか常滑とかをぶらつくつもりもないのだ。鈴鹿関を越えて入ってきた煉瓦がほとんどないことがわかりさえすればよいのである。現状は。
そもそもの話、中部地方で見られる刻印ちうものを汎く知っているわけではないから、不明刻印それ自体を識らず、従って不明刻印を工場表と突き合わせて推測するという醍醐味を味わうことができないのだった。
ともかく中部版はイレギュラーが多い。窯業名鑑T13に「煉瓦業集会所」なるものが載っていたので無理やり入れている。大野煉瓦はたぶん同一工場だと思うのだが確証が持てなかったので変な分け方をしている。後述の資料で昭和6年だったか12年だったに刈谷就産所が現れて混乱する。あと名古屋市に「名古屋鉄煉瓦」なる工場があったがこれは入れていない。鉄煉瓦って何やねん。
全国工場鉱山一覧ちうものを発見し、S2(T15-S1)、S7(S6)、S12(S11)を追加。S22のあれだけじゃないのな。S2の存在はちょっとありがたい。工場通覧はT10の次がS4、窯業銘鑑がT13・14だけどもデータ出自の年度が不明なので、ぽっかり開いた穴を埋めてくれるデータになる。
といっても従業員数50人以上縛りなので本当に大きな工場しか載っていない。逆にここに載ってれば相当な大工場ということになり、そんなS2に大阪煉瓦が載っている。リストには反映させていないがこの年の工場主が林十五郎。他には岸和田綿業煉瓦と大阪窯業だけだ。
てゆーか、諸会社役員表のデータは一覧に反映させてなかったのだっけ。あれやり始めたら骨が折れるんだがなあ。やっても中部は株式・合資の煉瓦工場がほとんどない。耐火煉瓦くらい。いや明治煉瓦とかあるけど。
3表の整合性。操業年を横三角にするとかして区別、中四国も一部実線タイプ導入。関西はデータ数が多いからそのままでよいことにしよう。
出典とその年度の対応表、および掲載の閾値の一覧。←がないとこの表だけではイミフである。
中部の刻印表。三重がまったくわかんねえな。伊賀窯業のIGYと四日市Y.B.くらい。
という見通しを立てたところで今月は終わり。しばらくげ書きせにゃならん。