nagajisの日不定記。
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仕事上がりの真夜中に柵を見に行くようになったら、末期にちがいない。
先日来から本格的にレール断面を気にするようになって、その疑問を解決するためにLONGEST-DH柵へ向かった。この柵は長いだけあって最も多くの種類が見られる。
結果、
B.V.,CAMMELL,BARROW他(各社)→ 60#1
6015 ILLINOIS (阪鶴鉄道発注)→ 60#ASCE=60#4
6009 ILLINOIS (官設鉄道発注)→ 60#2
6007 ILLINOIS (山陽鉄道発注)→ 60#5
CARNEGIE 1896 (阪鶴鉄道発注)→ 60#ASCE=60#4
CARNEGIE 1898 (山陽鉄道発注)→ 60#5
CARNEGIE 1900 (官設鉄道発注)→ 60#2
八幡製鉄所 60 A 1917 → 60#ASCE=60#3
八幡製鉄所 60 B 1906 → 60#2
UNION 1902 (官設鉄道発注)→ 60#2
てなことがわかってきた。やっぱりILLINOISの6015はASCE断面類似でよかったのだ。
んで、最初期のイギリス製レールはどれも60#1に類似している。ベースの傾斜が2段になってるやつ。それが最初に入ってきて、敷設距離も長いから、60ポンド「1種」と命名されたんだろうと思う。その次に入ってきたのが鋼産国としてメキメキ頭角を現していたドイツのレールであったので「第2種」。KRUPPなんかは1880年代の前半に入ってるものね(岩倉使節団も行ってるし)。そうして後発国ながらものごっつ鉄鋼業が発達したアメリカ。初期の頃、CARNEGIEやILLINOISの山陽鉄道納入品には独自規格の「60#5」相当のを送ってきたけれども、やがてASCE規格ができて、阪鶴にはそれを納入した。八幡製鉄所ができた時にはASCEを今後の規格の中心に据えるつもりで「A」をASCE断面に、「B」はドイツから技術とかレール圧延機とかを輸入したこともあってかドイツ規格の類似で。んで各社には各社がすでに導入している規格に合わせた形状で納入することもあったと(CARNEGIE1900とか)。
といったように、輸入元の順番、その国で基本となっていた形状、とかから1~9種が決まったのだと、逆にそう考えたほうがわかりやすいような気がする。もう既に誰かが言ってはるに違いないと思うけれども。←いやそれまんま「保線統計. 昭和6~8年度」の記述じゃん。うん。
福知山線にはドイツ製レールがたいへん少なく、UNIONくらいしかないので完結的にものをいうことができないけれども、全国的な傾向もだいたいそんな感じなんじゃないか。(1本だけDKが混じっているけれども測ったら70#2であった。)
後半はB.V.の印影撮影祭りとなった。夜中に行くと読銘が捗ってありがたい。見逃していたのをいくつも見つけ、その大半がB.V.だった。1893から1904まで5種類(5発注社)のんがあるっていうのはなかなかすごいことなんじゃないかしらん。しかしCOLDだったりCOLDだったりCOLDだったりとひどくまちまちなのはちょっと勘弁してほしい。同じ発注者でも違ったりするんじゃないだろうかと思うと夜も眠れず朝眠くなってしまう。
最大の疑問であった「60#9」の所在はわからないままだ。断面を調べた限り、阪鶴鉄道発注品の可能性があって、60#5もしくは60#9に相当するものというのが見当たらない。山陽鉄道の発注レールが60#5なだけで、それ以外に該当するものがないのだ。どういうことだろう。60#9は阪鶴鉄道のためだけに存在しているというのに。こうなってくると山陽鉄道が発注レールを阪鶴鉄道に横流しして一部区間でそれが使われてたんじゃね?とか勘ぐってしまいたくなる。「保線統計. 昭和6~8年度」でも「現存のもの見当たらず」とあるし。
アゴの角度が2度違うだけなのか…でもそもそも60#5のゲージがはまるやつからしてないんだってばよ。