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2018-11-28 [長年日記]

[煉瓦] とないぼうしょでさいしゅのれんが

画像の説明

断面。見れば見るほど均一である。砂粒さえ見えない。

明治10年内国博覧会出品解説なんかを見ると、芝口1丁目の林七兵衛の工場などは荒木田土を掘って乾かして砕いて粉末にして水加えて練って成形して焼く、とあって砂を加える工程がない。たぶん千葉県の長浦村の鈴木門四郎出品品も同様。確か明治10年発行の東京府勧業課雑誌(4)でも当府下某氏の製造法として砂を加えないで作る手順が説明されている。ほんとうに土だけで作ったらしく読める。

明治後半の専門書、例えば「応用土木工学」(M31発行)では「粘土及び砂を混合して之を焼きたるもの」ってある。現今東京で焼きたるものは土8分砂2分とも書いてある。2分も入ってねえよなあ、これ。だからといってこれが古い煉瓦だと主張したいわけじゃなく、砂を使わない煉瓦、という発想がなかったものだからとても新鮮なことに思えたのでメモしておく。

砂を加えないと強く収縮してしまい煉瓦が歪んでしまいやすい。事実この煉瓦は小口が焼き過ぎに焼かれていて一部ガラス化しているほどだ。してその小口だけがキュッと細くなっている。砂を含まない素材で強く焼いたために歪んだのだろう。なお長手や平には取り砂がいっぱいついている。この砂も大変目の細かなやつである。

しっかしまあ、見れば見るほどきたねえな、スキャナのガラス・・・

この煉瓦に関する覚書:長手縁が鈍っている。わざと面取りしたかのよう。関西の手成形煉瓦は基本的にエッジが立っている。>例の小さなくるくる回る台に乗せて形を整える工程と関係する?

長手縁の一つに粘土を盛り足した痕跡。型枠の隅まで粘土が行き渡っていないまま抜いてしまってその後に粘土を足しているように見える。平の縁が若干めくれていて盛り足し粘土はそのめくれを埋めるようにつけてある。この平をなでて整えてめくれたところに足してある。てことはこっちが裏か。表なら詰める段階で気づくはず。

破断面にも若干モルタルがついている>割った煉瓦を端揃えのために使ったか。ちょうど半枡な大きさだしな。

断面には意外とスがはいってる。粘土の質は均一だが空隙がないわけではない。多いというほど多くはない。これは、そんなものか・・・

平がたいへんきれいに撫でられている。関西の煉瓦には撫で板の筋状の跡がつくのが普通<砂粒が多いせいか?

長手の仕上げもきれいだがわずかに粘土粒の付着あり。乾燥前にこの面を下にして置いたと見える。

小口の上下を四本指で掴んだ跡がある?そう掴んだ時の下面に粘土粒。

他の煉瓦をもっと凝視してちぇっくしておくべきだったなあ。


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