nagajisの日不定記。
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クラーク記念館の基礎部の煉瓦と壁部の煉瓦は厚さが2mm違う。
基礎部分はわずかにコロビをつけてある。それをコロビ面に対して垂直に積んであるものとばかり思っていたのだが、よく考えたらそんなことをするはずがない。コロビの角度に合わせて成形した煉瓦を使ってあるらしい。整形ではない。表面は普通の煉瓦なので。
煉瓦小口を斜めにしている分厚さが長くなっているのだ、と言えればわかりやすいのだが、厚いのは壁部のほうなので(=1.9寸、基礎部=1.75寸)、厚1寸7分くらいのを斜めにしているのではないか。
とはいえ建物自体は吋単位で作られている模様。基礎の隅石も壁の隅石も厚 10 inch で、その上下の目地を合わせて 10.5 inch 、そこに煉瓦4段+目地5段。煉瓦厚は 2-1/4 inch で、目地 0.25 inch = 1/4 inch、(2-1/2)*4+1/4なので煉瓦部は10.25inchになるのをうまくごまかしているのではないか。石10inに煉瓦4段目地3段とすると目地厚が1/3inch計算になってなんか旨くない。
それに対して彰栄館や有終館など初期の建物は厚1.75寸~1.8寸で、目地込2寸を志向&優先している。それに対して隅石6寸なので隅石の目地のほうが詰まっている(隅石1段+目地1段に煉瓦3段+目地3段を突っ込む)。隅石に合わせるのか、煉瓦を優先するか。
目地込み2寸としたほうが施工は容易だったんじゃないかと思うのだが、結局は隅石との取り合いをどうするか問題は解決しない。ただM14逢坂山隧道でも目地込み2寸が始まっている。それがM25頃にはインチに戻っている。D.C.グリーンが特に日本人のために意図してそう設計したのか、並形厚がすでに流行していたためにこうなったのか、が気になるが、解決のしようがない。