nagajisの日不定記。
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戦前にも主要地方道のような位置づけの県道があった.以下覚書.
一 府県庁所在地より隣接府県庁所在地に達するもの
二 府県内指定枢要地より之と密接の関係を有する指定枢要地,指定港湾又は枢要なる鉄道停車場に達するもの
三 府県内指定港湾より之と密接の関係を有する枢要なる鉄道停車場に達するもの
四 国道又は前各号の一に該当する府県道より分岐し数個の枢要地を連結する重要なる幹線にして指定枢要地,指定港湾又は枢要なる鉄道停車場に達するもの
〔注〕
一 指定枢要地とは市又は二千以上集団戸数を有する地区を謂う
二 指定港湾とは大正十一年内務省訓令第六号第二条に規定するものを謂う
三 枢要地とは府県道の起点又は終点たるべき枢要の地として既に採択したるものを謂う
で,大正15年9月1日内務省訓令第832号をもって指定が行なわれているらしいのだが,この原文が見つからない.昭和11年に改正された時のもの?は松波さんのところにある.
指定府県道は各都道府県ごとに号数をつけて指定された.例えば奈良県の指定府県道第2号線は宇智郡五條町から尾鷲までということで伊勢街道+上市木本線みたいなものになっている.西熊野街道も指定府県道第6号ということになってる(S11時点).指定府県道は昭和27年の新道路法で二級国道になったものが多い.
実際に指定府県道が指定府県道指定を受けたことで得られた恩恵はあったのだろうか.東熊野街道の沿線には昭和10年代の改修物件が多いのだが,特にこの頃改修対象になっていたという話を聞かない(把握してない).指定府県道指定に伴う改修があったと考えたらいいのかも知れない.
くそう,『道路の改良』にあったのに半分しかねえ.その前の号にも載っている。テキスト化したもの20130326へ。
田中好による『所謂指定府県道に就て』(道路の改良第9巻第1号)
T15の成立の背景、指定府県道の考え方はこれがいちばんわかりやすい。T12に郡道が廃止された結果、いまいちな府県道が増えたため、府県道の重要性・位置付けがあいまいになってしまったので、府県道の中でも特に(国にとって)重要な府県道を選び出し、積極改修の途をつけようという魂胆。(しかしT15のは訓令止まり。T16から1/3補助で改修する案も立ち消えになる。そうしてやっと10に第6号が改正された結果S11に告示される?)
あと神戸大学新聞記事文庫にもわずかだがあり。
道路公債法
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1453029/507
旧道路法成立の直後に成立した道路改修計画。国道、軍事国道、主要府県道を国の補助で大改修。しかし関東大震災でポシャる。
第六号の修正 官報 1935年04月04日
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2958952/2
昭和11年の路線告示の前段階として?「内務省が指定するものの他」が入る。そうそう、大正9年に出た第6号には「の2」がないのだ。