nagajisの日不定記。
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最近ロータリー復権のニュースをよく耳にするようになった.今はロータリーと言わず「ラウンドアバウト」というらしい.ロータリーとラウンドアバウトとどう違うのかよくわからなかったのでWikip.など眺めてみたけれども,やっぱりよくわからない.進入に一時停止が必要とか,ロータリー内に信号があるとかがロータリーで,そういうのでない現代的なのがラウンドアバウトみたいな書き方している.で,狭義のラウンドアバウトは国内に存在しないみたいな言い方.じゃあ寿ロータリーとか阪大近くの住宅地のあれとかは違うんかいの.
ロータリーは昭和9年に東京市内の交差点の交通整理のために導入されたのが最初.もちろん信号はなかった.進行のしかたなどは今のラウンドアバウトと変わるところがない(通行に優先順位があったかどうかはわからない).昭和14年までに25カ所以上が設置され成績はそこそこ良かった.この25箇所だけでも交差点での事故が3/5くらいに減ってる.最初に設置された和田倉門交差点のは道路の改良第17巻第8号に図がある.ここは若干特殊で大手町~皇居の路面電車が東西中心線を貫いていた.
戦後もそれを引き継いで各地に作られている.千葉の東金街道と成田街道(だったっけ)の交差点とか.
それが廃れてしまったのは,ひとえに「歩行者に優しくない」という点による.車が多くなるとひっきりなしに侵入してくる/出てくる車で人が渡るタイミングを失する.前掲道改の講習資料でも歩行者をどうするかが課題としている.完全に解決するには地下道を通すしかなく,すべての交差点にそれを設けるのは不可能だ.それよりか信号を設置して普通交差点にしたほうが安上がりかつ大量の車を捌ける.あと車の性能がよくなってスピードが出やすくなった結果横暴な運転者が増え歩行者を危険に晒すようになった.戦前の車はひとが伴走できるほども遅かったのだ.歩行者のマナーも悪くなってるだろうな多分.結局は資料にある断続的交通整理の信号間隔を最適化する方向で発展せざるを得なかった.
失敗の最大原因は車も人も多い市街地にロータリーを導入したことだろうと思う.そういう所ほど効率的な交通整理を必要としたのだろうけれども.ある程度交通が疎らでないとうまく機能しない.道路が車でぎゅうぎゅう詰めになるような時間帯のあるような場所ではあっさり閉塞するんじゃないかしらん(しかしそういう場所ははなからRA化しないだろう.2車線4車線をロータリーにできないものな).
放っておいてもこの先人口は減る一方なのだから,あと数十年もすれば交通渋滞も緩和されるんじゃないか.
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/roundabout/pdf01/5.pdf