nagajisの日不定記。
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久しぶりに琴線に触れる挾物に出会った.今から約40年前に書かれた宣言である.本人の許可なしに掲げると怒られるに違いないが,こういうものを書きたくなる気分は私にもあったし(今でもあるし),胸の内から湧き上がる思いを衝動のままに書きつけたものだというところに計り知れない価値を感じる.誰に宛てて書いたものでも,誰かに読まれることを予期したものでもないナマの感傷.百千万の美辞麗句で飾り立てたブンショーより遥かに尊いと思う.
なにより私は承諾をとるべき本人を知らない.入荷してきた古書に挟まっていたのだから.その挟まっていた本が永島慎二の作品集だったというのも味わいを深くする.実際無一門氏も漫画家志望の青年であった節がある(一緒に挟まれていた別のメッセージによる).
蛇足.朝日文庫『戦後値段史年表』によれば,昭和50年の銀行初任給は大卒で85000円,高卒で70000円だった.平成7年にはそれが約2倍になっている.氏の金持ちぶりは推して知るべし.その具合いもまた,自分に通じるものがあって人事とは思えない.