nagajisの日不定記。
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何とはなしに読み始め、31連隊出立以降を読み終えてしまった。あれ、どこかでもっと詳細なのを読んだ気もするのだが……。もっと凄惨な描写で読んだ気がするんだが新田次郎のこれではなかったのか?
その足でndlで遭難始末を読むことのできる現代は有り難い時代であるなあ(詠嘆
当たり前のことなのだろうが、遭難始末は遭難後の救助活動のことに大半が割かれていて「どれだけ頑張ったか」のアピール色が濃い。美談を連ねてみたり。たしかにこれでは事件の背景がわからない。
始末 セントバーナード犬導入 役に立たず・・・http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1466491/62
北辰日報版 青森実業家の柿崎氏の猟犬大活躍
ttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1083845/49
これは陸軍版には書かれてない。
始末 アイヌ部隊大活躍という感じ。「吾人の今日あるは誠に(闕字)皇恩に之れよる(略)鴻恩の万一に報ぜざらんやと」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1466491/68
北辰日報版 ほどほど 4名発見は結構淡々「報国の万分の一を尽くしたし」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1083845/55
言っている内容はそれほど変わらないがやはり皇国思想を前面にだしてくる>陸軍版
陸軍版は皇威皇恩を強調して書いてあるのがとても目につく。新田次郎が書いているとおり。まあこれも皇軍側の記録なんだから仕方ないちゃあ仕方ない。
「剱岳」もそうなのだけどどこまでが史実でどこからが創作なのかわかりづらいのが困る。全部を信じると「竜馬がゆく」みたいなことになりそうだ。
自分は雪国の生まれでないので吹雪の怖さを体験したことがないが、子どもの頃に雪の積もった中を新聞配達するくらいのことはやっていて、雪の冷たさ歩く難儀さを感じたことはある。そんなのとは比べ物にならない寒さと風の中に数日も閉じ込められて10数人生還したというのが信じられないな。指が冷えてきて小指から順に感覚がなくなっていって、まるで指がなくなったかのような感触、あれは怖いものだ。そんなの序の口でもないのだろうな。
付図は何度見ても怖い。大勢の死は統計的だとはいうけれども、そういう視線で見てしまっている自分に気づいて愕然としたりする。
そうなんだよなあ。隊員として長年鍛えられた自衛隊員とはちがって、ひょいと招集されてきた人々が士卒となり軍隊を構成していたわけで、別段特に体力腕力があったわけではないのだ。それからしたら要塞兵はまだ楽であったのかも知れない。雪の降らない南のほうなんかは特に。