nagajisの日不定記。
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今朝見た夢も極めて奇妙な夢だった。
浮世絵が地層の如くに重なり圧着して塊になったところをフォークリフトのような乗り物に乗って剥ぎ取っていく夢。破棄するためだったのか後でなんとかしようというのだったかは忘れてしまったが、ともかくそんなことをしていた。ひどく勿体無いことをする、と思った。
その勿体無さがどんどん募っていって頭の中が凝り固まっていった。一度湿気て和紙の塊のようになったやつだし、リフトでそれを剥がすのだから、どう考えても綺麗にはいかない。破れたり汚れたりするのは承知済みで、しかしそれでも勿体無く、この作業をしなければならないことに憾みを覚えて、しかし手で一枚一枚剥がしていこうという気にはならない。ただやみくもにマシンを動かして塊化した浮世絵を削り取るばかりである。そうして剥ぎ取れば剥ぎ取るほど浮世絵は出てくる。部屋の中であったとは思うのだが「床」というものがないような感じだ。
後を処理気にせする必要がなく、捨てるだけが目的だったらた違ったであろうが、この重なりを記録した人物がいて?その記録と照合せねばならなかった。どう照合するのかは自分の任務外でわからないかったのだがそうこうしているうちに「記録した」のではなくこれから「記録していく」だったようにも思われ始め、それどころか記録の任務が自分の任務であるような気もし、そもそも記録した人物というのが私であったような気さえし始め、全く混乱してしまう。記録した人物の生涯を映画化していて、その映画の挿入イメージとしてこれをやっているようにも思われて、マシンを操作しているのも自分ではなくそのイメージを見ているようにも思えてくる。視点場さえ混沌としていてまことに気持ち悪い。
やらねばならぬこと、やってはならぬこと、我と彼とが渾然一体となって、しかし勿体無いという意識もあり、むしろ後半には勿体無いという意識の塊のようになってしまう。してもいいのか悪いのか迷いながら闇雲に作業し続けるという、出口が全く見えないタイプの夢で、以前見た「メニュー標をfpdfで製出」に苦しむ夢に似ている。
この夢の恐ろしいのは起きた後でも混乱が持続していたことだった。夢であったことはわかるのだが夢の中で悩みすぎたせいか意識が全く混濁していてまともにものを考えられなかった。頭痛がするとか痺れるとかではなく……無理に例えていうなら頭の中でサビ猫がゴロンゴロンとのたうち回っているような、裏返した脳みそに虹が降り注いでいて脳全体でそれを感知し続けているというか、まあそんなグジャグジャな頭で、思考が一切まとまらなかった。吐き気とまでは行かないにしても不快極まりなかった。うーんとがぐうーとか唸り続け、 どうしたらこのぐちゃぐちゃが収まるのかと焦った。その一方で「頭がおかしくなるとはこういうことか」とチラと思ったのを覚えている。入れば二度と戻って来れない痴呆状態の一つの入口であったのかも知れない。
結局そのままもう一寝入りすることができ、目覚めれば元の通りになっていて、心の底からほっとしたものだった。考えることができるということは本当に有り難いことであると思った。