nagajisの日不定記。
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1/8インチという、いかにも割り切れない感じのするユニットが慣例的に使用されてきたのは、それが1寸の1割=一分とほぼ等しいからだった。1/8インチ=3.18ミリ、1分=3.03ミリ。これを踏まえて2-1/4インチを換算すると、18/8インチ≒1寸8分、並型の厚さになる。分母を8にする掛け算足し算で近似的に尺寸が得られる。
ただしそのままでは、2-1/4インチと1寸8分の間には3.1ミリ=1分の誤差ができる。それを極力小さく表現しようとしたのが大高表の作業局型厚1寸8分5厘。
創始の頃から2-1/4インチを想定して煉瓦が作られていて、ただし作る側は尺寸で考えないとやりにくかったと思う。職人全員にインチ換算の能力を期待することはできないので。よって始めから厚一寸八分として作ることにし、それが大阪型として定着する。やがて明治24年に鉄道省が煉瓦厚さ2-1/4を明文化して、納入側もそれに適合するものを作らなければならなくなる。1-8-5の作業局型が新たに生まれ。鉄道省の規格は厚2-1/4インチで決め打ちだったから、作業局型のつもりで作ったのに焼き過ぎて縮んでしまつたものは弾かれることになる。無論従来の一寸八分も。その弾かれたものは従来型と厚さがほとんど一緒になるわけで、それをB級品という意味合いで並型と呼んで販売したのが定着した。のではないか。
だとすると並型という名称はM24以降に出現したはずで、その頃書かれたあの講義録には確かに東京型大阪型山陽型であったはずだ。以前市場価格の変化を調べた時(http://www.kyudou.org/cgi-bin/tdiary/?date=20170809)の品目は並型で……明治25年からデータが残っている…!