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2019-05-20 [長年日記] この日を編集

[][煉瓦] T14 政府購入煉瓦の規定

大正末期にJESとして210mm×100mm×60mmというサイズが定められたけれども、すぐにこれがスタンダードになるようなことはなかった。なんでなんだぜ? と思っていたが、ようするに政府購入の煉瓦についてはJES順守を求めたけれども一般用途には強制しなかったからだ。T14の商工省告示打12号。

官報第3922号(大正14年9月18日)
商工省告示第12号

政府に於て購入し又は政府の注文する工事に使用する普通煉瓦は左の規格に依る但し已むことを得ざる事由ある場合は此の限に在らず
 大正14年9月18日
 商工大臣 片岡直温
 外務大臣 男爵 幣原喜重郎
 内務大臣 若槻礼次郎
 大蔵大臣 浜口雄幸
 陸軍大臣 宇垣一成
 海軍大臣 財部彪
 司法大臣 江木翼
 支部大臣 岡田良平
 農林大臣 早速整爾
 逓信大臣 安達謙蔵
 鉄道大臣 仙石貢

普通煉瓦

第一条 本規格は粘土を使用原料として焼成したる普通煉瓦に適用す

第二条 標準寸法は次の通りとす
 長 210mm
 幅 100mm
 厚 60mm
 公差は長及幅に於て±3%厚に於て±4%とす

第三条 品等は次の4種に之を区分す
 1.上焼一等
 2.上焼二等
 3.並焼一等
 4.並焼二等

 上焼は焼度良好にして之を打ては金属製の清音を発し吸水率14%以下、耐圧力150kg/cm2以上を有するもの
 並焼は焼度普通にして吸水率18%以下、耐圧力100kg/cm2位上を有するもの  一等は形状良好にして割れ又は疵極めて少きもの
 二等は形状普通にして大なる割れ又は疵なきもの

第4条 受渡に付特に前条の吸水率及耐圧力の検定を行う旨の協定ありたるときは次の試験法に依りて之を行う

1.試料は特に協定なき限り煉瓦5,000個又は其の端数毎に各種試験に付各5個を取り試験成績は5個の平均値を以て表わすものとす

2.吸水率試験法
 煉瓦を空気浴槽に入れ槽内の温度を130℃に保ち5℃以上の差異なき儀注意しつつ乾燥し2時間毎に煉瓦を取出して熱きまま秤量し其の重量に差異なきに至らば之を乾燥煉瓦の重量とし次に煉瓦が常温に冷却するを待ちて深さ1cmの淡水中に24時刊平に浸し更に24時間煉瓦の上面上3cmの淡水中に浸したる後之を取出して湿布にて手早く其の表面を拭い直に秤量して得たる結果を飽水煉瓦の重量とし次式に依り吸水率を算出す但しg未満は秤量せず

吸水率=〔(飽水煉瓦の重量-乾燥煉瓦の重量)/乾燥煉瓦の重量〕×100

3.耐圧力試験法
 煉瓦を長手の中央にて半分に横断し其の切断小口を互に反対に向け積み重ね此の間を純「ポルトランド・セメント・モルタル」の薄層にて接合し尚上下受圧面を平行ならしむる為純「ポルトランド・セメント・モルタル」を薄く塗布し約7日間湿気ある槽内に置き該「モルタル」を固結せしめ常温にて乾燥したる後耐圧試験を行い崩壊したるときの荷重を検し次式に依り耐圧力を算出す

耐圧力kg/cm2=崩壊したる時の荷重/受圧面の平均面積

しかも煉瓦という素材はT14頃にはもう落ち目になりつつあった。以前みたいに何十万個何百万個もまとめて発注するようなことは少なくなっていた(横浜市上水道のような例外はあっただろうが)。大口受注で生計を立てていた会社は早いうちからテラコッタとかタイルとか空洞煉瓦とか舗装煉瓦とかに軸足を写していて、わざわざJESサイズで作ろうというところはかえって小回りの効く中小会社だけだったのではないだろうか。そうしてJESは普及しないまま戦後を迎えることになる。


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