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2014-08-29 [長年日記]

[][煉瓦] 大日本窯業会雑誌抜粋

No.149 M38.1.? pp.176-177

煉瓦形状まちまちなことが大口需要に応えることを妨げていた。ストックを有しない理由。大高の統一論もこの頃だった筈(M37)

商況

●煉瓦業の昨今

大阪窯業岸和田、貝塚煉瓦製造所等に由て組織せる煉瓦業組合全体の年産額は約一億万個内外にして東は名古屋西は山陰九州等を重なる販路区域とせる外朝鮮青泥窪等への輸出も尠からざりしが開戦以来公私土木工事の休止を受けて価格下落に傾き東京型煉瓦一千個大阪渡にて七円まで低落するの已むなきに至り同業は甚不況の状態に陥りつつありしに俄然客月末に至り砲兵工廠大阪瓦斯会社其他の方面に要する注文一時に現われ其数は計七千余万個の多きに達し其納期は何れも来年三月中なるを以て茲に供給の不足を生じ為に価格は一躍二円高を呼ぶの好況となりたり元来関西地方に於て使用する煉瓦は其形状区区にして一定せず隋って各製造所共に常に多数の製品を存するなく毎時注文を俟[立+ム矢]て初て製造に着手するものなり是れ今回の如く価格の騰貴を促したる原因なれば将来は其形状を一定するの必要あり是れ単に価格の騰貴を防ぐのみならず急遽の需要にも応じ得るの便ありと云う(大阪朝日) 

No.173 M40.1. p.190

貝塚煉瓦、和泉煉瓦の合併。和泉煉瓦は前年に大高といっしょに満韓視察に行った仲。煉瓦製造業組合の代表として。

○煉瓦会社の合併

府下煉瓦業者の合併談の当業者間に起れるとは既報せしが今回貝塚、和泉の二会社は大阪窯業社に合併することとなり既に各社重役間に仮契約書の調印を了したれば臨時総会を開き合併案を議する筈なるが現在の資本は大阪窯業十八万円、貝塚、和泉は七万円合計三十二万円なるを更に六十八万円増資し資本金一百万円と為し増資の割合は大阪窯業旧株一株に三株、貝塚、和泉旧株一株に一株の割合なりと尚愈々合併確立の上は満韓枢要の地に分工場或は出張所を新設して大に業務の発展を計る筈(大阪毎日)

先立って大阪府煉瓦製造業組合より満韓視察員として大阪窯業社長大高庄右衛門和泉煉瓦専務取締役日吉端両氏出張。報告がNo.172 M39.12. っp.158-159にあり

No.182 M40.11. pp150-151

出典不明だが新聞記事らしい。伝聞形が多く心許ないがじっくり読むと重要な情報が多々書かれてある。

○大阪の煉瓦製造業

目下大阪付近で製造する煉瓦の製造個数は年々一億五千万個、その中で重なる大阪窯業会社の製造数だけが年々八千五百万個に上り日々の製造数二十五、六万個に上って居るそうだ▲窯業会社は目下堺、貝塚、岸和田等の工場を持っているが斯業は請負が多くして会社で日々に使う人夫は割合に少く百人許り居るが多忙な時は千人も使う時がある而してその製造する煉瓦は普通の赤煉瓦と耐火煉瓦の二つであって耐火の方の原料は大理石や耐火粘土と称するものを粉にしたるものより造るがこの方は需要が少いから赤煉瓦の製造が主なそうだ▲煉瓦は大阪付近で出来るのが一番堅く東京その他に製せらるるものは耐重量三噸位だが大阪のは四噸の重さに堪えて最も堅いということだ▲煉瓦の如き堅きものは格価の変動は少いように想像されるにも従来これ程変動の激しいものはなかったという程で少しく景気が好いと沢山製造家を増加して濫出の弊を生じ供給需要に増して甚だしき下落を来す反動に需要が俄かに増加すると俄かに製造が殖えないので価格は非常に騰貴する変動の激しいことこれに越すものがなかったということだが一旦濫出したる諸会社もその後廃業して昨今は漸く昔日の弊を一掃し去る傾きがあるという▲日本では煉瓦の種類上下を分つこと非常に多く殆んど二十種類以上に上って居るが独逸辺の話を聞くと一種類でこれを分類することはないという外国では遠見が綺麗であれば満足するが日本のは近くより見て美しいのを好むそれ故色が同じでもその中に瓦片でも入るとこれを排斥するという風に選択が細密だ随って種類が多くなる▲されど煉瓦は完全な一枚もの許り積み重ねると家が曲がる故に一枚々々の間にその半分のものを二枚重ねて積むその中側に悪い煉瓦を使うことが出来る▲日露戦争当時は内国でも需要が殖え朝鮮、支那にも輸出したものが多かったため多分の利益を得たいということである今日でも需要年々殖えて来て現下各会社にて施設中のものが出来上ると年々二億万個も出来るようになろう目下一億五千万個出来るその中七分は大阪の需要に供するそうだ即ち約一億万個は大阪の何れかに使用される近頃は普通の貸家向きにもこの煉瓦を使用するものが多くなって即ち必ずしも煉瓦造の家許りに限るでないから需要は益々多くなるという

No.186 M41.2. p.303

日本煉瓦+堺の合併話。実現せず。堺はM44頃にも大阪窯業との合併が協議された(後掲)。

●大阪府下の煉瓦業

在来当府下の各煉瓦業社中の多くは既に大阪窯業会社へ合併し目下分立せるは会社側にては右窯業の外日本、堺、岸和田、又個人側にては丹治、津守の都合六営業者となれるがこの内にて日本、堺の両会社は頃日合併交渉中にありその他の分も追々合併の気運に向える模様なるかコハ畢竟一般工業界の発展に伴うて煉瓦の需要益々激増し而も大口の注文品特に多きを以てこれが営業者はその製造上自然多額の疏通資本を要するためなりと而して如上の六営業者の現在製造年額は約一億七千万余個に対し本年の如きは一層需要増加の傾向あるを以てこの際競争販売の弊習を避くべく先ず差向き製品共同販売の内議もあるよしにして八日午後堺に開会されたる同業組合総会を期として将来の製品改善に関して協議する所ありしと(一月十二日大阪新報)

No.209 M43.1. pp.218-219

東京煉瓦業協会の価格協定。東京は大阪に比べ運送が不便、かつ販路が東京付近に限られていて、諸官衙大需要が政府の縮小繰延で減る→停滞品の投げ売り 平年に比べ五割安

機械製の部
焼過一等 150〜125円	二等 145〜120円	三等 140〜115円
並焼一等 135〜110円	二等 130〜105円	三等 125〜100円
手抜製の部
上焼過 120〜105円	中焼過 115〜100円	並焼過 108〜93円
極上 115〜100円	並上 110〜95円	並中 105〜90円	並下 95〜80円

No.225 M44.5. p.405

大阪窯業+堺。岸和田との合併話も。「又前年〜能わざりし」が岸和田にかかるか否か、「此際」の主語が大阪窯業なのか岸煉なのかでずいぶん違う。寸でのところで合併談を蹴ったのは堺煉瓦でなかったか。

●大阪窯業の発展

関西煉瓦業中に於て頭角を現わせる大阪窯業会社は一個年二億万個を製造し得る迄に拡張したるも近来各地に水電、電鉄及び軽便電鉄の工事頻出せる結果需要極めて多く現在の工場にては到底全部を供給し能わざるを以て堺煉瓦会社を合併するの計画にて目下交渉中なるも其条件に就て双方の意見一致せざるを以て未だ実行に至らず又前年合併談ありたるも一部重役の反対に依って終に決行する能わざりし岸和田煉瓦も此際合併せんとの計画あり是れ又交渉中なりと

No.226 M44.6. pp.443-444

明治末不況を乗り切るためのトラストに関する記事。神戸大学新聞記事文庫の記事とリンクする筈。6業者は煉瓦業組合を結成していた(次記事)。

●煉瓦供給同盟

大阪窯業他五煉瓦会社の各代表者は去三日午前九時より堺市堺煉瓦会社に集りトラストに付協議せしが第一項の製品寸法を一定し大口の注文には六社の各前年度の生産率に応じて供給すること及び第三項の生産過剰の場合には此前年度の生産額に応じ一定の操業短縮をなすことの二件は大体に於て異存なきも第二項の個々の注文は価格を千枚に付十一円を最低とし割引をせず単独の供給を許すことに就ては各社の売値区々にして若し最低を十一円とするも之が評定値段となりて遂に其れ以上には売れざるに至るべしとの論出て他に適案を審議するに決し又違約の際の制裁料として一万円を出金することも異論起りて纏らず次に協定区域なる阪神和歌山以外の供給品に付ては之れが価格を定むるを各社の自由に任ずるの件も地方よりの注文にして若し大口ならば亦連合供給の要ある故予しめ価格に或程度の協定をなす要ありとなし尚大阪窯業は地方の顧客に対し再考するの要ありとて日を更めて再び協定することとなりて二時過散会したるが大体に於ては各社とも異議なきも但だ岸和田会社の如きは多少悦ばざる色あれば纏るにしても尚多少の議論あるを免れざるべしと。

No.208 M44.12. p.173

●大阪府下の煉瓦業

現今煉瓦は各地に産出するに至れるも何れも皆小組織にして東京付近にて製造するものは単に同地方に供給するのみに止まり他の需要に応じ得る程の余裕とてはあらず然るに独り大阪府下に於ては日本煉瓦株式会社大阪窯業株式会社丹治煉瓦製造所津守煉瓦製造所堺煉瓦株式会社岸和田煉瓦株式会社の如き主なる製造者が大阪府煉瓦製造組合なる者を組織し此組合は何れも独逸ホフマン式の竃に拠りて製造するものなるが其産額一ケ年約二億万個に上り其数量全国に冠たるのみならず品質の優良にして殊に工場は総て海運の便なることとて各地への発送運賃も自然低廉となり当地方は勿論各地の大口注文に対しては大抵此組合にて供給する有様なり左れど一般の不景気は何時しか斯業にも大影響を及ぼし一昨年一二月頃十七八円の最高値に達せしものも爾来次第に低落一方に傾き一時は鉄道工事中止のことありて僅に八円台に下るの悲況を見るに至れりと雖も昨今漸く需要を増し差向き下等品の需要多き模様なれど日一日と好調に向いつつあれば今後来春ともならば大口小口共に需要増進を見るならんという(大坂時事新報)


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