nagajisの日不定記。
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https://archive.org/details/b1105040/page/n29
1925年、日本がも少しで昭和元年を迎えそうな頃、イギリスではすでに煉瓦製造の歴史の本が書かれておって、それを令和元年のnagajisが読んでいるわけである。なんともかんともである。
煉瓦サイズからその構造物の年代を推定する試みはこの本以前からしきりに試みられていたようだが、著者はそれ無理、おおまかで一般的なアレには使えるかも知れんけどっていう立場らしい。測定結果が人によって異なるし(最大なのか最小なのか平均なのか)、1つの構造物のなかで1インチくらい違うこともざらにある。ell単位で作られているのかyard法なのかで分けるとかはできるけどもある時代のスタンダードなサイズはないということを言っている(はず)。うしろのページの表なんかも必ずしも明確な傾向を示していない。徐々に小さく・薄くなっていく傾向はあるけれども、だからといって厚2-1/2の煉瓦がどの時代の、というようなことは言えない。
逆に言ったら日本のほうがその点有利なのかも知れん。外国から持ち込まれた見本の煉瓦、あるいはお雇い外国人が示した煉瓦のサイズを金科玉条に守っておけばよく、そういう態度が比較的早い段階から「東京形」「並形」「作業局形」などなどの定形を産んだ。煉瓦寸法で定形を絞り込もうと思えばできないことはない。ただその「東京形」「並形」「作業局形」に厳密な意味でのdimensionがなく。人・文献によって1寸違うとかザラにあるせいで困っている。何寸何分を何形と呼んでいたかっていうところから固まっちょらんのである。困ったことであり悩ましいことである。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/846222/62
7.5×3.6×2.0の東京形をもとに展開。7寸5分の煉瓦を8枚並べると約1間になる。しかしこれは目地のことを考えていない。7.5*3.03*8=181.8cmなので煉瓦だけで1間を越えてしまう。高さについては2寸2分5厘として計算すると4段で9寸となり都合宜しとある。こっちは目地考えてるんだ。
七寸四分だと179.3なので、これでも目地は足りない。7寸3分なら3cm開くんで4mm強の目地が必ず取れる。煉瓦で尺寸設計のモノを造る時は7寸3分=並形のほうが都合がいい。
基本的なサイズからかなり縮小することを最初から見越して考えていると考えるべきなんだろう。ソモ煉瓦壁を尺寸で設計することがなかったかだ。インチなら問題ないのかも知れぬ。